野崎つばたのレビュー一覧
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隅から隅まで堪能した。面白い。だがまた追わなきゃいけないシリーズが増えたと悲鳴もあげている。
タイトルにもある相棒とのやりとりはウィットに富み、英国らしいジョークも含まれている。
こういったキャラクター同士のやりとりが個性を浮かび上がらせていて情景が浮かぶようだった。
登場するガジェットも現存するテクノロジーの先を見据えたような物で、現実味がある。もちろん本作はフィクションだし、SFだが「これは数年後には発表されているかもしれない」と現実味もあるのだ。
物語にしても冷徹ではあるが、優しさと哀しさが両立しているような作風が胸に刺さる。SF的なアプローチはもちろんだがミステリ的な仕掛けまであると夢 -
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ネタバレ前回のトスティの件が解決していないのに、まさかもうソゾンの事件をもう扱うのか、決着つけるのかと思ったら……そう来たかー!
ただでさえ二転三転したのに、このオチにはしてやられたと感じた。
ただそうなるとハロルドの復讐(とエチカは考えていたが)の真の決着はどうなるのだろうか……
トスティの件については最後にやっと進展。
ただそれよりも、エチカとハロルドとの「関係性」に具体的な名称がいつつくのか、そちらの方が気になったり。
読者側には見えているんだ、気付いていないのは本人たちばかりなり。
事件の複雑さも魅力だが、このもどかしさもまた魅力なのだ。 -
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今年は久しぶりに続刊が出るという情報があり、最初から読み返してみようと2025年2月13日再読。
プロットはそこそこ覚えていたが、やはりディテールはかなり忘れている。例のプログラムがユア・フォルマの中に組み込まれていたことは完全に失念していた。
それからユア・フォルマの前身であるニューラル・セーフティの開発が1990年代であり、この話自体が2023年のことという設定も覚えていなかった。
この1巻目から、「人間のような機械」と「機械のような人間」の対比という視点は出ており、そこの境界をどう考えるのか、あるいは境界があるのかどうかという論点が意識されていることが分かる。 -
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ネタバレまさか3巻にしてバディ解消とは思わなかった。
そして、ビガがここまで関わってくるとは。
部署まで変わっても仕事自体は順調だったエチカとハロルド。
ただお互い違和感は増すばかり。
側から見れば、その気持ちはもしかしてと、もどかしく思うほど。
ただ事件が待ってくれないのよね。
今回も予想以上に大ごとになっていってびっくりした。
「仲間内」の共犯者は分かりやすかったが、一方で本当の黒幕は今回だけでは決着がつかず。
ただ一時的に離れたことで、色々見つめ直すことができた(完全解決ではないが)エチカとハロルドのバディも無事復活。
「友達」の認識からどこまで進展するか楽しみだ。
……アニメ本編放送まで -
Posted by ブクログ
ネタバレ1巻はエチカが抱えていたもの(謎)が明らかにされた一方、2巻はハロルドの謎が明らかに。
RFモデルは普通ではないと感じていたところを明文化されたというか。
それからすると、今回やっと登場した末っ子くんの扱いが悔やまれる……勿体無い。
ハロルドが疑われるところから、展開が二転三転どころか四転はするので展開に飽きない。
犯人捕まったと思ったら逃げられし、ハロルド信じてるぜって思っていたらご覧の有り様だし。
何より今回は実行犯の方にAI倫理的には正義があった。
エチカたちが取った措置は、そういう意味では悪だろう。
複雑である。
そもそもRFモデルの秘密がやばすぎたし。
エチカとハロルドは表面的に -
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人間にも「敬愛規律」のようなものがあることは、デーヴ・グロスマン「戦争における『人殺し』の心理学」を読むと分かることですが、本書には、そのような心情を欠いた人物が登場します。
作者の菊石さんは、第1作目のインタビューで、「機械のような人間」と「人間のような機械」との交流を描きたかった、ということをおっしゃっていましたが、本書でも、「人殺しへの抵抗感」という人間的な心を失った(その意味では機械のような)人間と、敬愛規律はなくとも、人を傷付けることに心理的な(!)抵抗を覚える機械との対立が描かれています。
2025年5月10日再読。
この辺りになるとさすがにプロットは覚えています。
2度目という