あらすじ
★第27回電撃小説大賞《大賞》受賞のSFクライムドラマ・第5弾★!
――いつか私の「秘密」が公になったとしても、どうかかばわないで下さい。
敬愛規律の「秘密」を頑なに守るエチカと、彼女を共犯にしたくないハロルド。対話を避ける二人の溝は深まっていた。
そんな中、解読が続けられていた謎のAI「トスティ」が、ドバイの技術研究都市「ファラージャ・アイランド」で開発された可能性が浮上する。所有者の人格を反映した分身アミクス「ego」が浸透する都市への潜入捜査は、その環境の特殊さから困難を極める。研究都市に住む天才少年・ユーヌスの協力もあり、徐々に真相に近づくエチカたちだが、同行していたビガの身に異変がおこって――。
エチカとハロルドが出会ってから一年、彼らの長い冬が、また始まる。
【STORY】
序 章 雪暗
第一章 閉ざされた研究都市
第二章 亀裂
第三章 地中の蛹たち
第四章 終曲、そして序曲
終 章 反故
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Posted by ブクログ
前巻の陰惨な「ペテルブルクの悪夢」のエピソードから、明るい雰囲気で始まった本巻。
でも、終わってみれば、エチカのハロルドを思っての行動が、自らを深みに引きずり込み、ハロルドにも反発されるという結果に。
エチカとハロルドの「亀裂」は、これからどうなっていくのでしょうか。
そして、1巻から出てきたユア・フォルマ利用による脳ハッキングが、国際的な一大陰謀へ。
これは意表を突く展開でした。
Posted by ブクログ
舞台はドバイ。自身の意識をアミクスに完全にコピーする技術を検証している、技術特区のお話。
ハロルドとエチカが2人でハロルドの「秘密」を共有していることを端に発し、離れるべきだが離れたくない、言葉の上ではすれ違っていくお話。
今回もミステリー要素も満載。事件の様々な所に過去の事件の様々な人が関係してきており、あらゆる事件を影から操る「黒幕」の存在がかなり明確に示唆されてきたと思う。モリアーティ教授みたいな人がいるのかな?
「黒幕」が何を狙い、何故事件を起こしているのか、今後も楽しみです。