ウラジーミル・ナボコフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ3年ほど前に『ロリータ』を40ページほど読んで挫折したのを除けば、人生初・ナボコフ。
ずっと前からナボコフの著作のなかで特に読みたいと思っていた本作がこのたび文庫化されたので即購入し、奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』でロシア文学の機運が高まっているのもあり、読み始めた。
〜2ヶ月後〜
ようやく読み終わった!!! 初めてナボコフの小説を読み切った感慨よりも、もうこの話に付き合わなくていいという開放感のほうがおおきい。
文章がうまいのは否定しようがない。単に修辞的で技巧的なだけでなく、「流麗」とでも言おうか、ページの端から端まで一息で読ませる力がある。
特に好きだったのは(幼少期を扱った序 -
Posted by ブクログ
カフカのところだけ。
「変身」について場面ごとにひとつひとつ解説していて、この評論を読めばあらすじどころかストーリーを完全に追えちゃうという細かさ。
最後にグレゴールが死に、家族が晴れ晴れしているシーンを取り上げて、「虫になったグレゴールの心は人間のままだったが、周りの人間の心は虫けら同然だった」と切り捨てる。...これは確かにプロットとしてはすっきりするが、本当にそうだろうかと少し疑問が残った。この対比は「断食芸人」のなかの芸人と豹の対比を思い起こさせる。つまり醜い死に損ないが死ぬことで、それに代わって若く美しい生命が躍動するというイメージだ。ここで豹であるところの若く美しい妹の心が虫けらだ -
Posted by ブクログ
「文学は、狼がきた、狼がきたと叫びながら、少年がすぐ後ろを一匹の大きな灰色の狼に追われて、ネアンデルタールの谷間から飛び出してきた日に生まれたのではない。文学は、狼がきた、狼がきたと叫びながら、少年が走ってきたが、その後ろには狼なんかいなかったという、その日に生まれたのである」
とりあえず上巻。「ロリータ」で有名になる前のナボコフ先生が大学で文学を教えていた時の講義録。上巻は、オースティン、ディケンズ、フロベール(下巻はスティーヴンソン、カフカ、プルースト、ジョイスとのこと)。
文学はフィクションであるというその一点を徹底的に突き詰めて、文体の奥の奥まで読み込んでいく。そこまで読み込むか、と -