小木曽絢子のレビュー一覧
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マイルズ君登場!!ロイス・マクマスター・ビジョルド はストーリーテラーとして最高だと思います。
シリーズ物で毎回あれよあれよと物語が進んでいきます。大河ドラマかもしれません。
あれもだめ、これもだめな主人公とてんでんバラバラな周辺の人物たち。もしかしたら、これはコメディなのかもしれません。
不屈の精神とちょっとした幸運で自らの運命を勝ち取るマイルズ君。これはジュブナイル小説なのかもしれません。
私はクローンのマーク君の行く末が気になっています。
しばらく続編(和訳)が出ていませんが、ファンタジー小説ばかり翻訳していないで、こっちも早く出してくださいよ〜!! -
Posted by ブクログ
生まれつき骨の異常というハンディキャップを抱えた17歳の少年、マイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンが活躍するスペース・オペラ。作者による2作目の長編だが、以後続く「ヴォルコシガン・サガ」の実質的な主役となるマイルズが初登場するという意味では実質的なシリーズのスタートにあたる作品といえる。ヴォルコシガン・サガのシリーズは20作以上に上ることからも人気の作品であることが窺えるが、SF的に興味を惹く表現は特になく、戦闘描写にもワクワクするものがあるわけでもない。それではなぜ人気があるのかといえば、それはひとえに作者が描く登場人物たちの心の機微・変化に魅力があるからであろう。本作は、マイルズが入学を熱望していた帝国軍士官学校の入試に落ち意気消沈するも、あるきっかけから宇宙に飛び出し、やがて傭兵部隊を率いていく過程を描いているが、その要所要所でリーダーとしての決断を下す際や周辺人物との関係で思い悩むマイルズの心理が克明に描写されている。このあたりには女性作家ならではの魅力が感じられる。
しかし、リーダー論という視点からは『エンダーのゲーム』に見劣りするし、壮大なスペースオペラという点でもアシモフの『ファウンデーション』シリーズと比較すると面白味に欠けるように思われ、何より全体に漂うファンタジーの雰囲気が自分には合わなかった。先述のようにSFとして興味深い表現があるわけでもないので、本作はSFというよりもSFという舞台装置を使ったファンタジー小説という趣が強いように思われた。また、本作の趣旨にかかわるところであるが、マイルズがなぜそこまで軍人として戦いたいという想いを持っているのか、その動機が最後まで分からず物語にノれなかったのが残念であった。物語が展開を見せていく後半には多少の面白味はあったものの、宇宙船を手にいれるまでのくだりがかなり退屈に感じられたところも、なかなか読み進められなかった要因と思う。 -
Posted by ブクログ
シリーズ中ではいつも脇役の、ちょっと冴えないポジションを引き受けているイワンが主役の物語。知り合いに引っ掛けろと頼まれた女の子テユと、成り行きで離婚を前提に結婚してしまう。彼女を連れてバラヤーへ帰ると、生死不明の彼女の家族が一斉に目の前に現れた。
イワンの周囲はあまりにも能力の高い人間ばかりなので、相対的に控え目となるが、能力を誇示するでもなく卑下するわけでもなく、そんなにおばかさんでもない。いい意味でお人よし。過激な戦闘はなく腹黒い人間はお決まりのパターンで現れる人だけで、最後まで今回の主役のカラーが反映されたかのような話。ハッピーエンドで何より。 -
Posted by ブクログ
SFの割には多様な要素が織り込まれており、話にメリハリがある。最初の話からするとクライマックスの展開は意外だが、最後はきれいにまとめてタイトルにふさわしい終わり方になっている。
女性作家らしい心理描写もあるし、女性作家の割には科学的な描写も多いのは著者の生育背景故か。ただ、階級社会でデキた君主に忠実な臣下。貴族的な、少々もったいぶった?言動。性善説な展開で、悪役は当然いるが心底嫌悪するレベルの人物は登場しない。若干ご都合主義的な気もするし。といった感じは腐女子が好きそうなプロットだなぁと思う。
主人公が本音を口にせず飲み込んでいる場面と、胃が痛いよぅ~が繰り返し書かれているのが個人的にはおもしろいと思った。言葉を選んで伝える、ものは言いよう、というのは上に立つものの努めだよね、確かに。
一連の物語の2冊目らしいが、物語上の年月の経過と出版順が一致していないようなので、次はどれを読もうか迷うところである。 -
Posted by ブクログ
久方ぶりの読み返し。本編のラストシーンをもう一度よみたくて読み返した。
中世騎士道か江戸時代を模した社会構造をもつヴォルの世界の中の異端の主人公のサーガ。ノブレス・オブリージュと家族の思いを背負って、身体的ハンディキャップを克服して成長し活躍していく姿が描かれている。
舞台設定(武器・宇宙船・生命医学)が荒唐無稽でグロテスクだが精密にかかれており、筆者の作った世界に染まれる。
この小説の魅力は歴史の流れに翻弄されながらも、精一杯生きて次の世代につなげようとする人々の営みが大河ドラマの様にビビッドに描かれていることだろう。加えて、グロテスクで容赦がない欲望を行使する人々も登場する。こちらも現実世界に存在するものだ。キャラだちまくっている登場人物達を見事にまとめて、現実の写し絵としての一つの世界を鮮やかに描ききった作者に脱帽する。