犬飼六岐のレビュー一覧

  • 火の神の砦

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    神々の国、出雲に生まれる、鉄と刀、愛とわかれの物語。若き日の陰流の祖、愛洲久忠は、幻の名刀を求めて、女だけの隠れ里に至る。奥出雲横田の、六斎市で刀を商う女に会った久忠はそこで出会った若侍又四郎と共に後をつけ隠里に付く。女だけで砂鉄を川から取り、何里も離れた里に運び、刃物を作っていた。迷い込んた男は、子種をそこの女に仕込んで、殺されるらしい。剣のたつ二人は襲ってきた野党を退治し、わりと自由にさせられていた。殺されることを知った二人は逃げ出そうとするが、久忠は自分の頼んだ刀がもうすぐ出来るので踏みとどまる。

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    2024年06月07日
  • 火の神の砦

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    この次はどうなる、この次はどうなる?と緊張しながら読み終えていた!そして読み終えてみてまたこの後はどうなるんだ!と考えながら一人で考えてみた!この作品のすべてをめでたしめでたしと子どもの絵本みたいに上手く纏めるにはそれこそもう一冊欲しい。ああ素晴らしい著書に巡り合ったものだ。

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    2024年04月29日
  • 囲碁小町 嫁入り七番勝負

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    時代設定など詰め込みたい要素を詰め過ぎたミーハーさも際立ったけど、時代小説の小気味良い読みやすさが、好きな囲碁と合わさり、えらく楽しかった。

    具体的な棋譜は付けてないものの、碁盤で起きる展開について、変に囲碁が分からない人にも分かるようにするような例え話など付けずに表現されてた所が、面白さ倍増させていた。少しだけ囲碁を打ててる程度の自分とかでも、そういう風に会話するから。対局での精神的な心持ちや、棋力上昇成長の感じ方、とても身近に読めた。

    身近過ぎて、読んでる内に囲碁打ちに行きたくなってしまった上に、本当に楽しかったので恥ずかしい。

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    2015年12月14日
  • 囲碁小町 嫁入り七番勝負

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    文句なしの星5つ。とにかく面白い。欠点のない文章が書けるってすごいな。この人の書く作品を、他にも読んでみたいと思った。

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    2013年11月11日
  • 囲碁小町 嫁入り七番勝負

    購入済み

    囲碁小町 嫁入り七番勝負

    主人公「おりつ」の七番勝負
    嫁入り相手が、現れるかと思い読み進めてみたが、最後は「本因坊秀策」が、コロリで死をもって終わるとは意外であった
    仕掛け人の、筧瑞泊の孫との関りも「伝染病」との絡みも物足りなさがあった
    但し、個性豊かな勝負相手の描写は面白く、引き込まれるストーリーである

    #ほのぼの #切ない

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    2021年05月29日
  • 決戦の島 吉岡清三郎貸腕帳

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    奇妙な貸腕業をしている吉岡清三郎シリーズ第三作。
    前作で完結?と思っていたので嬉しい驚きの続編。

    しばらく江戸を離れている間に家は徹底的に破壊され、生意気で冷たい下女のおさえは嫁に行っていた。
    再び貸腕業の看板を上げたものの、前作の戦いの後遺症でおかしな影響が出てしまっている清三郎。そのことは今後の商売、彼の生き方に何か変化を齎すのか、否か。
    そう言えば前作でも本来の大望よりももっと小振りに生きていってもいいような考えに変化しかかっていたような。

    おさえの代わりに転がり込んできた臨時の下女・瑞枝は非の打ちどころのない働きぶりだし女振りも良いし、さらに彼女は清三郎に傾きつつあるようで…。

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    2017年05月05日
  • 桜下の決闘 吉岡清三郎貸腕帳

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    吉岡清三郎貸腕帳シリーズ第二作。
    相変わらずのハードボイルドだが、清三郎の祖父の方が輪を掛けてハードだった。
    祖父に比べれば清三郎は情があるというか、冷徹に成りきれない。そこが救いであり魅力でもあるのだが。
    その分、外道に対しては女だろうが容赦ない。
    そしておさえとの関係も何だか展開がありそうだったのだが、この結末。さてどうなるのか。
    今回はしつこい同心・吾妻が登場。彼が今後清三郎にどう絡んでいくのか。
    第三作も楽しみ。

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    2017年05月04日
  • 吉岡清三郎貸腕帳

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    犬飼さん作品の中ではこのシリーズが一番好き。
    ハードボイルドタッチで人斬りシーンも満載なのに、陰湿さがないのでテンポ良く読める。
    なんと言っても主人公・清三郎のキャラクターが良い。名前も聞きたくないほどあの剣豪を毛嫌いし、奇妙な理屈の貸腕業で荒稼ぎ。
    いつも不機嫌で口数は少ない。しかし貸腕業の報酬(利息)代わりに女中として働かせているおさえは清三郎を更に凍りつかせる対応の冷たい女。
    そんな清三郎とおさえの関係が少しずつ変化していくのは気になるところ。
    最終話で出会った髑髏男との再会はあるのか。
    第二作も楽しみ。

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    2017年05月04日
  • 神渡し

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    風呂敷がどんどん広がり畳みきれないのではと思ったら、以外とすっきりと落ちていた。ただし、結局才助と孫四郎にわからなかった部分(はそのままなので、消化不良感は残るし、ちょっと無理があるのではという設定もあるので、そこはそういうものとして読むしかないか。
    やはり相棒ものはよい。

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    2017年02月02日
  • 蛻

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     尾張藩の江戸下屋敷内に造られた宿場街「御町屋」。藩主が庶民の生活を覗き見るため、という目的で造られたこの町では、一人ひとりに家や職業が割り振られ、住民たちはかりそめの生活を送っていた。
     そんな御町屋内で殺人事件が発生。住民たちは疑心暗鬼に陥っていく。

     江戸時代に実在していたという御町屋。現代で例えるなら、実際に住民が住んで生活している、”リアル時代村”といった感じでしょうか。

     しかし、そこで暮らしているキャストたちは、ほんの少し前までは顔も知らないまったくの他人だったわけです。それぞれが割り当てられた役割に従い、日々を生活しているだけなので、そこには絆が生まれません。そんな中で殺人

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    2016年02月03日
  • 吉岡清三郎貸腕帳

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    これは剣客物というのかな。
    こちらで教えてもらって読んだ初めての作家さんだったのだが、なかなか面白かった。

    剣の腕を人に貸してその利息をいただく、というややこしい(私には)剣客商売をしている吉岡清三郎。
    そこからしてそのちょっと斜めの性格が感じられる。

    剣客だからバッタバッタと人を斬ったりしていくわけだが、それが逆に彼の内にある人間性を浮かび上がらせる道具となっていて、流血ものはちょっと苦手な私でもそれほど嫌な感じはしない。

    何よりいいのは清三郎のもとで下女として働くおさえ。
    借金のかたに清三郎のもとで働く彼女の存在が、この小説全体に感じられるほんのりとした軽味(かろみっていうのかな)を

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    2012年02月22日
  • 吉岡清三郎貸腕帳

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    時代小説。
    吉岡清三郎の仕事は「貸腕屋」である。
    剣客。剣の腕は確かだ。それで用心棒なり何なりで雇われればよいのだが、彼は自分を安売りしない。
    その代わり、腕を「貸して」生計を立てている。日に一両取るとしても、それは一日一両で雇われているのではなく、値千両でもきかぬ腕を貸してやって、その元本に対する利息を取っているという理屈だ。利息の額は、仕事の危なさや借り手の懐具合、そして清三郎の気分次第。十両や二十両に跳ね上がることもあるが、いずれにしろ、滞納したら取り立てには容赦がない。
    彼の嫌いなものは「二」という数字、お人好し、子供に手を上げる者。いつも苦虫を噛み潰したような顔をしているが、それやこ

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    2021年06月14日
  • 蛻

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    実在した偽の宿場町をモチーフにミステリー仕立てに構築した時代劇。
    士農工商のヒエラルキーを痛いほど感じた秀作。

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    2018年06月09日
  • 佐助を討て 真田残党秘録

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    真田十勇士のその後と対する徳川伊賀忍者の対決?
    超人的な猿飛、霧隠達に対し集団戦の伊賀組、服部組
    娯楽物としての面白さは全くない、精読しないと分かり難い描き方、家康の死の真相、幸村の遺児?

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    2015年11月01日
  • 決戦の島 吉岡清三郎貸腕帳

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    吉岡清三郎サンが悠々と勝ちを進めていくのを楽しむ小説。吉岡様には敵わないんだから、悪党どもはいちいちケンカを売らないように。

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    2015年09月29日
  • 筋違い半介

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    筋が通った話は虫が好かねえとうそぶく半介をはじめ、個性的な人物が各篇に登場する。
    しかしながら、いずれもシリーズキャラクターではないという。何という贅沢!
    スピード感溢れる展開に、新しい時代小説の書き手が現れたことを実感します。

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    2011年10月07日