犬飼六岐のレビュー一覧
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購入済み
囲碁小町 嫁入り七番勝負
主人公「おりつ」の七番勝負
嫁入り相手が、現れるかと思い読み進めてみたが、最後は「本因坊秀策」が、コロリで死をもって終わるとは意外であった
仕掛け人の、筧瑞泊の孫との関りも「伝染病」との絡みも物足りなさがあった
但し、個性豊かな勝負相手の描写は面白く、引き込まれるストーリーである -
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奇妙な貸腕業をしている吉岡清三郎シリーズ第三作。
前作で完結?と思っていたので嬉しい驚きの続編。
しばらく江戸を離れている間に家は徹底的に破壊され、生意気で冷たい下女のおさえは嫁に行っていた。
再び貸腕業の看板を上げたものの、前作の戦いの後遺症でおかしな影響が出てしまっている清三郎。そのことは今後の商売、彼の生き方に何か変化を齎すのか、否か。
そう言えば前作でも本来の大望よりももっと小振りに生きていってもいいような考えに変化しかかっていたような。
おさえの代わりに転がり込んできた臨時の下女・瑞枝は非の打ちどころのない働きぶりだし女振りも良いし、さらに彼女は清三郎に傾きつつあるようで…。
で -
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尾張藩の江戸下屋敷内に造られた宿場街「御町屋」。藩主が庶民の生活を覗き見るため、という目的で造られたこの町では、一人ひとりに家や職業が割り振られ、住民たちはかりそめの生活を送っていた。
そんな御町屋内で殺人事件が発生。住民たちは疑心暗鬼に陥っていく。
江戸時代に実在していたという御町屋。現代で例えるなら、実際に住民が住んで生活している、”リアル時代村”といった感じでしょうか。
しかし、そこで暮らしているキャストたちは、ほんの少し前までは顔も知らないまったくの他人だったわけです。それぞれが割り当てられた役割に従い、日々を生活しているだけなので、そこには絆が生まれません。そんな中で殺人 -
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これは剣客物というのかな。
こちらで教えてもらって読んだ初めての作家さんだったのだが、なかなか面白かった。
剣の腕を人に貸してその利息をいただく、というややこしい(私には)剣客商売をしている吉岡清三郎。
そこからしてそのちょっと斜めの性格が感じられる。
剣客だからバッタバッタと人を斬ったりしていくわけだが、それが逆に彼の内にある人間性を浮かび上がらせる道具となっていて、流血ものはちょっと苦手な私でもそれほど嫌な感じはしない。
何よりいいのは清三郎のもとで下女として働くおさえ。
借金のかたに清三郎のもとで働く彼女の存在が、この小説全体に感じられるほんのりとした軽味(かろみっていうのかな)を -
Posted by ブクログ
時代小説。
吉岡清三郎の仕事は「貸腕屋」である。
剣客。剣の腕は確かだ。それで用心棒なり何なりで雇われればよいのだが、彼は自分を安売りしない。
その代わり、腕を「貸して」生計を立てている。日に一両取るとしても、それは一日一両で雇われているのではなく、値千両でもきかぬ腕を貸してやって、その元本に対する利息を取っているという理屈だ。利息の額は、仕事の危なさや借り手の懐具合、そして清三郎の気分次第。十両や二十両に跳ね上がることもあるが、いずれにしろ、滞納したら取り立てには容赦がない。
彼の嫌いなものは「二」という数字、お人好し、子供に手を上げる者。いつも苦虫を噛み潰したような顔をしているが、それやこ