沢野ひとしのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「山の帰り道」から続けて読み終えた。
山のごはんだから、山の中での話題がこちらの方が多い。一日に一編しか読まないことにして、読み進んだ。一つ一つは印象的なのだが、続けて数編を読むと、山が混じってしまう。一つ一つの山行を大切にしたいと思った。
あまり命のやり取りのないような山登りの描写がとても楽しい。山登りの楽しさと、幾らかの寂しさと、でも、やはり山は元気をくれるところなのだ。
懐かしい山の名前も多かった。
画伯の絵が実によい。
この本をガイドブック代わりに山行計画を立てても楽しそうだ。
今が夏なら間違いなく明日は山に行くだろう。必ずそうさせる魅力の詰まった本との出会いだった。 -
Posted by ブクログ
沢野ひとしさんは、椎名誠のあやしい探検隊などでかなり前から知っていたが今回初めてエッセイを読んだ。終戦時一才であったことから自らの成長が、見たこと聞いたこと経験全てが昭和復興史であり戦後史だ。
ご家族のこと、特にお兄さんとの邂逅、父親との関係、高校以降の椎名誠などのイラストを通じた生活などを読むにつれ時代のおおらかさ、勢いを感じる。時代の高揚感を落ち着いた文章で振り返るセピア色な文章になることがわかった。
自分にはそう感じられた。これは時代を少しでも共にしたからということだろうかだろうか。
今回読んで椎名誠さんにしても沢野ひとしさんにしても家庭がしっかりしていることがわかる。経済力もあり、 -
Posted by ブクログ
昭和期の半生を語る絵日記風エッセイと、おまけ?として21世紀の中国・旧満州紀行記。著者の昭和はノンポリ的な私生活謳歌の人生が世の中の主流となった時代であり、そんな時代にシンクロした世代だったのだろう。共産党シンパの兄の影響もあり学生運動にはどこか冷めた目線が注がれる一方で、バンドや登山といった若者文化の描写には時代の雰囲気が感じられる。
中国紀行の分量は少ないが、最先端だったり最悪だったりする極端な像から離れて、平熱の中国の姿が垣間見れた。
あとがきでは兄への思いが綴られる。この兄弟を来し方を見ると、人生とはどこでどう転ぶかわからないものだと身に沁みる。 -
Posted by ブクログ
沢野ひとし氏の本を初めて読んだ。椎名誠氏の本は中学高校生の頃から読んでいるにも関わらずだ。シーナ氏の沢野氏の描写からなんだか集団に合わせられない暗い変な絵を描く変な人なんだろうと想像して,あえて読もうともしなかった。しかし,シーナ氏関係の本のイラストには沢野氏のイラストがあり,なければないで何となくのさみしさも感じたりする。初めて読んでみると,淡々としたリズムで内面の動きを過剰に振り回さない文体だった。もっと早くから読んでいると本の雑誌界隈の世界観を深く楽しめただろう。アメリカ,ハワイ,フランス,ネパール,と海外での話が多い。どこもいいなぁ。行ってどう感じるのは本人しだいだけど。