沢野ひとしのレビュー一覧
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多くの文学作品の挿絵や『本の雑誌』の表紙を創刊から描いているイラストレーターによる、戦後に生まれた一人間としての回想録・自伝です。
戦後は戦中と比べれば遙かに平和でありながらも影を引きずる時代であり、名古屋生まれの東京・千葉育ちである著者は都市部で青春を謳歌しました。
新宿っ子と中野っ子の喧嘩(遊びの範囲)も今の子供たちには見られないものであり、この時代の東京の息吹を感じられました。
当時の若者が関りを持ちやすかった共産主義団体の回想が多いのですが、読者の年代によって懐かしんだり驚いたりと感じ方が異なると思います。
実際に本人が見て聞いて、一所懸命に生きてきた時代が綴られており、それ故に文章に -
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Posted by ブクログ
椎名誠氏のエッセイの挿絵で知られる沢野ひとし氏の半世紀です。
椎名作品では、おバカキャラとして描かれていますが、当たり前ですがそんなことは全くありません。
あのヘタうまの絵も七転八倒の末に作り上げたものであるし、この本の内容も実に味わい深いです。
何よりこの本は、単なる昭和回顧録でもなく、椎名氏とのドタバタ劇でもなく、自分のルーツとも言える旧満洲国の開拓団の歴史を追うことが、本書の中心となっています。
現代から見ても信じられないような奥地にまで開拓団が、日本国の政策によって送り込まれている理由は、国境を接する当時のソ連に対する防波堤の意味もある「人間の盾」にされていたのでは?
という -
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独特のイラストと共に過去の登山歴、思い出の山を語る。
百名山ばかりでなく、どちらかというと人の少ない山、またハイシーズンを避けた登山が筆者が通であることを示す。
筆者は簡単そうに書いているがかなりの上級者。そして上級者の仲間と山での酒盛りも楽しむ。なんせ「疲れるから」という理由で温泉をスルーしてしまう仲間がいるほと。
所々に出てくる格言的なフレーズが良い。
近年の山ブームより前の体育会系の登山部の流れが今となっては面白い。
時々出てくる息子さんとの思い出がまた良い。高校生の頃、普段口を聞いてくれぬが一緒に山行、頂上でふと見せた息子さんの表情。その後、夏のバイト先の山小屋を夫婦で訪れる -
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子供の頃から山登りを趣味にしていた著者。50代(執筆時)になっても山登りを楽しみ、「癒し」を得ている様子が、草花など色とりどりの自然の描写と共に描かれています。私は登山はもう(危険が怖くて)できませんが、本書を通して山の風景を味わうことができました。
「山で口にするものはどれもこれも美味しく、忘れられない」
登山は過酷な運動を伴うせいか、「食べること」に「生きる」というエネルギーが加わる感じがします。仲間と登ればお酒が欠かせないのも楽しいですね。そういえばもう椎名誠とはつるんでないのかな。
若い頃は今よりずっと感受性が強かったはずなのに、山の風景を見ても感動しなかったという著者。「逆に自分 -
Posted by ブクログ
沢野ひとし氏の文章は初めて読んだ
椎名誠氏の哀愁の町シリーズで結構飄々としたモテモテキャラとして描写されていたのであまり良い印象は無かったのだが意外とよかったな
ヤッてない若い女性に個人事務所の庇を貸して母屋を取られるとことか(笑)
個人的戦後史って感じでワシの知らない時代の風俗が知れて興味深い
外国語表記でサマータイムを当時は「サンマータイム」と表記したのくだりはなるほどとなった
鈴木みそ氏の漫画でニューサマーオレンジを作ってるおばあちゃんが商品に「ニューサンマー」と書くってのがあって笑うとこなんだけどあれはこういうバックボーンがあったのか、なるほどぉ
昭和五十年代までTシャツはテーシャ