沢野ひとしのレビュー一覧

  • ジジイの昭和絵日記

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    多くの文学作品の挿絵や『本の雑誌』の表紙を創刊から描いているイラストレーターによる、戦後に生まれた一人間としての回想録・自伝です。
    戦後は戦中と比べれば遙かに平和でありながらも影を引きずる時代であり、名古屋生まれの東京・千葉育ちである著者は都市部で青春を謳歌しました。
    新宿っ子と中野っ子の喧嘩(遊びの範囲)も今の子供たちには見られないものであり、この時代の東京の息吹を感じられました。
    当時の若者が関りを持ちやすかった共産主義団体の回想が多いのですが、読者の年代によって懐かしんだり驚いたりと感じ方が異なると思います。
    実際に本人が見て聞いて、一所懸命に生きてきた時代が綴られており、それ故に文章に

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    2025年12月06日
  • 一郎くんの写真 日章旗の持ち主をさがして

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    本屋で◯ち◯みして思わず泣くところだった。
    2014年、アメリカで見つかった日章旗の持ち主を探す実話。
    下の名前と周りの寄せ書きの名前から本人を特定していく。
    こんなに長い時間を経て、この日章旗の持ち主とそのお母さんの戦争がやっと終わった。
    天国で笑ってくれていることを願う。

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    2025年09月08日
  • ジジイの昭和絵日記

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    椎名誠氏のエッセイの挿絵で知られる沢野ひとし氏の半世紀です。

    椎名作品では、おバカキャラとして描かれていますが、当たり前ですがそんなことは全くありません。

    あのヘタうまの絵も七転八倒の末に作り上げたものであるし、この本の内容も実に味わい深いです。

    何よりこの本は、単なる昭和回顧録でもなく、椎名氏とのドタバタ劇でもなく、自分のルーツとも言える旧満洲国の開拓団の歴史を追うことが、本書の中心となっています。

    現代から見ても信じられないような奥地にまで開拓団が、日本国の政策によって送り込まれている理由は、国境を接する当時のソ連に対する防波堤の意味もある「人間の盾」にされていたのでは?

    という

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    2025年07月30日
  • 一郎くんの写真 日章旗の持ち主をさがして

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    夏にぜひ読んでほしい1冊。

    1冊を作るのに一年以上取材期間をかけることも多いという、【たくさんのふしぎ】シリーズならではの丁寧な取材で小学生でも理解しやすい。

    戦争を生き残った方々の記憶、後悔。
    国のために死ぬのが当たり前という空気感。

    戦争で怖いのは戦闘はもちろんだけれど、その背後にある思想なのだなと、過激な表現はないがしみじみと伝わる。

    日本→南方の島→アメリカ→日本(静岡)
    70年も旅をして帰ってきた日章旗から戦争を考える本です。

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    2025年07月28日
  • ジジイの昭和絵日記

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    戦後10年ほど経て生まれた自分。その時代の生の生活を庶民の目線で書いてある本書は、新鮮。政治的流れを扱う著書が多い中で、生活の流れを追う本書は、面白い。幼少期は周囲の空間が全てだったから。

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    2025年05月29日
  • 人生のことはすべて山に学んだ

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    山と自分の生活を綴った短い文章が50話あります。余韻が心地よく、あっという間に読みました。本の雑誌で出会ってから読んでますが、シンプルな挿絵と併せてなんか絶妙な間が好きです。

    最近山に惹かれて、また。出会いました。昔と変わらずなんとも言えない文章でした。違った角度から読み込むと。違った味が出ます。

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    2022年11月03日
  • 人生のことはすべて山に学んだ

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    独特のイラストと共に過去の登山歴、思い出の山を語る。

    百名山ばかりでなく、どちらかというと人の少ない山、またハイシーズンを避けた登山が筆者が通であることを示す。

    筆者は簡単そうに書いているがかなりの上級者。そして上級者の仲間と山での酒盛りも楽しむ。なんせ「疲れるから」という理由で温泉をスルーしてしまう仲間がいるほと。

    所々に出てくる格言的なフレーズが良い。
    近年の山ブームより前の体育会系の登山部の流れが今となっては面白い。

    時々出てくる息子さんとの思い出がまた良い。高校生の頃、普段口を聞いてくれぬが一緒に山行、頂上でふと見せた息子さんの表情。その後、夏のバイト先の山小屋を夫婦で訪れる

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    2021年03月21日
  • 休息の山

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    登った山の話。
    沢野さんの優しさが随所ににじみ出る文章。
    特に最後の方に出てくる家族の巣立ちの話は親としての沢野さんの気持ちがとても分かり泣けた。

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    2021年02月16日
  • 人生のことはすべて山に学んだ

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    ネタバレ

    100名山を登るというようなことに重きを置かない著者の登山スタイルには共感を覚える。

    ともに山に登った仲間が、ある日山に行ったまま帰らぬ人となる。思えばこんなにも過酷な趣味はない。

    随所に散りばめられた山登りハックがとても勉強になった。

    そして、一番印象に残ったのは、山に入ると五感が鋭くなってくるとして、「3000m級の頂上に立つと大袈裟だが宇宙の匂いさえする」というフレーズだった。そうか、高山
    に登ることは宇宙に近付くということなのか!と。そんな高い山に登ることはない身としては想像するしかないが、感じてみたいとは思った。

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    2020年11月23日
  • 人生のことはすべて山に学んだ

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    もう、明日にでも山に行きたくなる本。
    バックカントリーや沢登、ロッククライミングも含んでるのでおいそれとはいかないけれども。。。
    登ったことある山は、地図があるはずだから今度は地図を見ながら読むとしよう!!

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    2020年08月31日
  • 人生のことはすべて山に学んだ

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    ネタバレ

    2020/8/23 喜久屋書店北神戸店にて購入。
    2022/4/25〜4/27

    沢野ひとしさんの山岳エッセイ。大学生の頃、椎名誠さんの怪しい探検隊シリーズを貪るように読んでいたが、沢野さんが山登りをする人であることはすっかり忘れていた。この本では、沢野さんが登ったことのある山に関する思い出を綴っている。若い頃は結構ハードな登山をされていたんだなぁ。独特の味わいのイラストもあって良い本だった。解説の鈴木ともこさん、沢野さんの影響で山に登り始めたのは知らなかった。他にも山岳エッセイがあるようなので読んでみたい。

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    2022年04月28日
  • 発作的座談会(「椎名誠 旅する文学館」シリーズ)

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    本当は単行本しか持ってませんが画像有りの誘惑に負けて…。
    なんて楽しい大人がいるんだ!と中学生時嬉しくなったものです。注釈含めて愛しすぎる本。

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    2012年09月17日
  • 発作的座談会(「椎名誠 旅する文学館」シリーズ)

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    今だと文庫本になってるんだなぁ。

    もともと本の雑誌を読んでいましたから、毎月の連載で読んでいた部分もあるのです。
    あるのですが、やはりまとまって一気に読むと、腹がよじれます。

    4人とも(椎名誠、沢野ひとし、木村晋介、目黒考二)かなりいい大人だと思うんですけど、若い時からの知り合いってお互いを知っているだけに手順をふまない会話をしますよね? あんな感じです。
    おまけに座談会のテーマも「○○と△△どっちがエライか」というあまり深刻じゃない感じが良いのです。

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    2011年06月22日
  • 山のごはん

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    表紙の山はめしだと書いてあったのと、椎名さんの本のようなご飯の話に期待していたのだけど、登山のなかのご飯の話だった。メインではないけれど、美しい山の描写とイラストに癒された。

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    2025年11月28日
  • ジジイの昭和絵日記

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    並行して長編を読んでおり、息抜きに沢野さんを読む。沢野さんの書き物はほとんど読んでいるが、心に沁みる。

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    2025年08月20日
  • ジジイの昭和絵日記

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    沢野ひとし氏の文章は初めて読んだ
    椎名誠氏の哀愁の町シリーズで結構飄々としたモテモテキャラとして描写されていたのであまり良い印象は無かったのだが意外とよかったな
    ヤッてない若い女性に個人事務所の庇を貸して母屋を取られるとことか(笑)

    個人的戦後史って感じでワシの知らない時代の風俗が知れて興味深い
    外国語表記でサマータイムを当時は「サンマータイム」と表記したのくだりはなるほどとなった
    鈴木みそ氏の漫画でニューサマーオレンジを作ってるおばあちゃんが商品に「ニューサンマー」と書くってのがあって笑うとこなんだけどあれはこういうバックボーンがあったのか、なるほどぉ

    昭和五十年代までTシャツはテーシャ

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    2025年06月29日
  • ジジイの昭和絵日記

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    戦後の昭和のエッセイ。
    終戦から高度成長期の街の様子等が興味深かった。
    全ての頁にイラストが描かれた絵日記になっていて読みやすく、面白かった。

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    2025年06月04日
  • 山のごはん

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    沢野さんの山登りと、山で食べたごはんとお酒の話。
    山の専門家に連れられて、食料係も一緒に登る、こんな山登りを私もしてみたい。
    沢野さんが登った山を書いておく。
    羅臼岳
    奥多摩・生藤山
    海谷山塊
    鍋割山
    阿弥陀岳北西稜
    雲取山
    黒部渓谷・志合谷
    巻機山・米子沢
    北鎌尾根
    秩父・観音山
    北八ヶ岳
    大雪山
    川苔山
    高水三山
    西丹沢
    西穂高
    飯豊連峰
    朝日連峰

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    2023年08月16日
  • 山のごはん

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    食べ物の思い出から振り返る山行。外で食べるご飯はなぜこんなにも美味しいのだろうか。

    イラストとエッセイ。日帰り登山から数日をかけて稜線歩きまで。その時々、ヤマで食べた食事を含めたもの。

    山で食べるおにぎりの美味しいことを思い出す。

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    2022年12月17日
  • 山のごはん

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    「山の帰り道」から続けて読み終えた。
    山のごはんだから、山の中での話題がこちらの方が多い。一日に一編しか読まないことにして、読み進んだ。一つ一つは印象的なのだが、続けて数編を読むと、山が混じってしまう。一つ一つの山行を大切にしたいと思った。
    あまり命のやり取りのないような山登りの描写がとても楽しい。山登りの楽しさと、幾らかの寂しさと、でも、やはり山は元気をくれるところなのだ。
    懐かしい山の名前も多かった。
    画伯の絵が実によい。
    この本をガイドブック代わりに山行計画を立てても楽しそうだ。
    今が夏なら間違いなく明日は山に行くだろう。必ずそうさせる魅力の詰まった本との出会いだった。

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    2022年11月12日