ヨハンナ・シュピリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
19世紀に書かれた小説。アニメのオープニング、断片的なシーンは覚えているが全体のストーリーは全く記憶していなかったのだが、原作の面白さを聞いて読んでみた。病弱なクララが山の生活で健康を取り戻していくというハイライトだけでなく、偏屈なお爺さんが再びコミュニティの一員となっていくなど、大人になっても人は変わることができるというストーリー。一貫して勤勉を美徳とするプロテスタント的な価値観が書かれている。篤い信仰は金銭的にも報われるというオチもあり。ハッピーエンドになるとわかっていて読めるので良い娯楽だった。
ーーーー
19世紀のスイスは既に中立国となっていたが、お爺さんは若い頃には傭兵として出稼 -
Posted by ブクログ
NHKでアルプスの少女ハイジの作者、ヨハンナ・シュピリの特集番組があり、それを見て本書を手に取りました。私自身子供時代にアニメで見たことはありましたが、本書でやっと本当の原作に触れたことになります。本書は大人が手にとっても全然問題ない水準だと思います。ぜひ大人も本書を読んでほしいと思いました。
アニメでは、ハイジ、ペーター、クララという子供たちの交流が中心になっている印象を受けますが、本書を読んで改めて実感したのは、クララという少女が周りの大人たちを幸せにしていく存在だということです。おじいさんを改心させるだけでなく、羊飼いのペーターのおばあさんや、クララのお父さん、おばあさん、さらにフラン -
Posted by ブクログ
すばらしかった。
ハイジがアルムに帰ってきてからの日々を描く下巻は、ずっと幸せな気持ちで読める。上巻でホームシックにかかり、一人で悩みを抱え込んでつらい日々を過ごしたハイジに寄り添ってきたからこそ、この下巻の喜びを満喫できる。
ハイジとクララを心から愛おしく思っている大人たちが本当に素敵で、この物語のいちばん好きなところはそうした大人たちの姿かもしれない。クララが歩けるようになることは文句なしに感動できるのだけれど、読んでいていちばん嬉しいのは、大人たちみんなが心の底から喜びを表している姿だった。アルムじいさん、ゼーゼーマン老婦人、ゼーゼマンさんと、順繰りに驚き、喜びを爆発させていく様子を -
Posted by ブクログ
アルムの美しい自然の中で、アルムじいさんと素朴な生活を送るハイジの喜びが、自分のことのように感じられて満ち足りた気持ちになった。高原や花々が夕陽に照らされて輝く景色を見たハイジの感動が忘れられない。
「岩にね、火がもえて、ばらがいっぱい。それから、青い花や、黄色の花。ほら、わたし、もって帰ったのよ。見て!」(76)とアルムじいさんに興奮して話すハイジが微笑ましい。その「夕方の火」がどこからくるのかをじいさんに尋ねたとき、「あれはお日さまがなさるんだ。山におやすみをいうとき、いちばんきれいな光を送ってこられる。あくる日の朝またのぼってくるまで、忘れられないようにな。」(78)と答えたじいさんも -
Posted by ブクログ
私の中の『ハイジ』のイメージは長いブランコ、ヨーロヨーロヨーロレイヒ♪というアニメ主題歌、家庭教師のト○イくらいしかなくて、よく考えたら全然知らないな、ということで本書を手にとってみました。
読書中常に眼前に拡がっていたのはアルムの山の素晴らしい景色。スイスには行った事なんて無いですが、日に照り映える山々、美しく輝く草花や雪原、周りを歩き回るかわいい山羊の群れ。とにもかくにも風景描写が素晴らしくて素晴らしくて、読み終えてからアルムの景色を画像検索してみたらイメージ通り、いや、ひょっとしたら本書で描かれる風景の方が勝っているかもしれない、それくらいに素敵な描写が沢山なので心身が洗われるような読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【アニメにはない宗教的なメッセージ】
多くの方に親しまれているアニメ版のハイジは素晴らしい作品です。しかしながら、原作から削られてしまった部分にも、素晴らしい要素が盛り込まれています。それが宗教的な教えの部分です。
原作では、アニメ版以上にクララのおばあさんが重要な役割を果たしています。アルムへ帰りたいハイジに対し、クララのおばあさんが「神さまに何もかもお話しすること」を教えます。
それ以後、神さまに家へ帰れるようにお祈りするハイジですが、祈りはかなわず、お祈りすることをやめてしまいます。そんなハイジに、おばあさんは再び語りかけます。
神さまは、わたしたちが願ったことでも、ためにならな -
Posted by ブクログ
アルムに帰ったハイジはみるみるうちに健康を取り戻し、アルムおじいさん、ペーター一家の心を解していきます。
アルムおじいさんは長年意地を張って避けていた村人との交流を再開し、ハイジも教会や学校に通うことになります。
そのころ、ハイジがいなくなり寂しいゼーゼマン屋敷のクララは、アルムへの療養を心待ちにしていました。
まずゼーゼマン一家の友人である医師がアルムに行きます。哀しい出来ごとが起きたばかりの医師ですが、アルムの空気とハイジの優しさ、アルムおじいさんとの交流で心が晴れていきます。
やがてクララたちもやってきます。
堅苦しい都会と違い、毎日が輝きに満ちた山の生活で、クララもみるみるうちに健康に -
Posted by ブクログ
アルプスの高原で孤独に暮らす老人のもとに、5歳(推定)の少女ハイジが連れてこられます。
天真爛漫なハイジにとって、山の生活は全てが輝いていました。干し草のベッド、搾りたてのヤギの乳、ヤギの牧草の番、焼き立てのパン、作りたてのチーズ。そして輝く草原に山の向こうから出るおひさま。
頑固なアルムのおじいさん(アルムは牧草地という意味)、山羊飼いの少年ペーター、ペーターのおばあさん、孤独だった人々はハイジに触れて人生の幸せを知ります。
しかしハイジは、フランクフルトのゼーゼマンさんのお屋敷のお嬢さん、クララの話し相手として都会に引き取られていきます。
何もかも人工的な都会もお硬いお屋敷のしきたりもハイ -
Posted by ブクログ
ハイジはフランクフルトからおじいちゃんの元へ帰ってきました。そしてフランクフルトからクララがやってくることになったのです。しかし秋口になり、病弱なクララが山へ来ることは難しいためクララの主治医がまず山へ来ることになりました。先生は妻を昔に亡くし、最愛の一人娘も亡くしたばかりで打ちひしがれていました。落ち込んでいる先生にゼーゼマンが提案したのです。
下巻にもなると、アニメで省かれているエピソードも幾つかありました。
でも私の中ではそれは意味のある省略だと感じずにいられませんでした。
最も大きく省かれた、宗教的な表現について。改めて原作を読むことでもう既に知っているエピソードにより深みを与えて -
Posted by ブクログ
デーテおばさんに連れられて、ハイジはアルムの山の上のハイジのおじいさんの所に行きました。麓の村ではおじいさんのよくない話ばかり。いい仕事に巡り会えたデーテおばさんはハイジをおじいさんのところに置いて世話をしてもらうことにしたのです。
気難しいおじいさんにも、山羊使いのペーターや山羊たち、そして雄大なアルムの山々の自然にもすぐに打ち解け親しんだハイジ。山での暮らしがすっかり気に入りました。
子どもの頃から大好きなアニメ。原作をやっと読みました。
昔の訳だと少し難しい表現かなと思っていましたが、全くそんなことはなくスイスイ読み進められました。
私が最も感動したことは、アニメで省かれているエピソ -
Posted by ブクログ
2012年10月15日 初版!!(小学生初級から)の表記。
9歳に読ませようと思い購入。
あとがきに
【本書は「Heidi」をわかりやすく再構成した、角川つばさ文庫オリジナル版です。本書に入りきらなかったハイジ達の物語は『アルプスの少女ハイジ』(ヨハンナ・シュピリ作 関泰祐・阿部賀隆訳/角川文庫)で読むことが出来るので、ぜひ読んでくださいね】
とかかれていました。
6-p188
ラノベの表紙?と間違うほどのカラフルでかわいい。イマドキってかんじ。
表紙絵がネットで話題のひとつにあがってました;
ラノベのような仕上がりだったらどうしようという
心配は杞憂でした。
読んでみると、ハイジの小説が