小川和久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
良書。タイトルに『13歳からの~』とあるが、大人が読んでも読み応えがある。
タイトルからは、軍事力だけでなく外交努力が必要、という定番の内容かと思われたが、軍事アナリストらしく国家の軍事費や兵力での比較の様な単純化された視点のみで論じるのではなく、実際に運用されている兵器またその能力、地政学や外交方針、歴史的な経緯を踏まえての解説は、安全保障に基本的な理解がある読者にも、新たな視点を提供する。
憲法9条があれば平和が維持されると思っている方々にも、もちろん読んでもらいたいが、むしろ自衛隊の能力を疑うことなく高く評価し、核戦力を保有すべき、と思っているような大人の方々にこそ読んでもらいたい。 -
Posted by ブクログ
✾13歳からの戦争学
✾小川和久
✾アスコム
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日本にまつわる戦争のこと、
あなたはどれだけ知っていますか??
私は、
知りませんでしたー
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戦争をしてるのは知っている。
ウクライナ、
台湾有事、
北方領土、
自衛隊、
憲法9条。
日々、ニュースになり、
時事として、知らされてくる。
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『外国で戦争をしている』
『北朝鮮からミサイルが発射されたんだって』
『憲法9条改憲したいって言ってるって』
⋯なんか、怖いね。
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知らないということは、
ただ不安で怖いこと。
“何が起きているのか、なぜ起きているのかーそれを知れば不安は「理解」に変わります”
大事なのは『知ること』
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●今は戦争の形も変わってきている。
●台湾から与那国島までは、わずか110キロメートルしか離れていない
●アメリカは宇宙軍を創設した。
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戦争にまつわる、身近なことを
わかりやすく、
詳しく教えてくれる本書。
私も読み込んで、
子どもたちに伝えられるように勉強したいと思います!
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シーレーン(海上輸送路)が使えなくなれば、食料や物資が届かなくなる
なぜ今、世界中でこんなにも戦争や紛争が話題になっているのでしょうか
日本に近い場所で緊張が高まっており、日本では特に戦争に関するニュースが大きく報道される
世界の秩序が変わりつつある
戦争の形が変わってきたから
台湾から与那国島までは、わずか110キロメートルしか離れてません
北朝鮮から発射された弾道ミサイルは、わずか10分程度で日本に到達します
そうならないために何が必要かを考え、平和を維持するための努力を続けるために必要な知識なのです
日本国憲法は、国民に「苦役」を強制することを禁じています。
アメリカは2019年に「宇宙軍」を創設しました
宇宙空間での軍事活動を統括するための組織
現代の戦争では、実際の戦闘と同じくらい、情報戦が重要になっています
一つの主張を複数の角度から検証することで、フェイクニュースに惑わされにくくなります
戦争、交渉によって終わるそのための条件
↓
第一は、双方が「もう勝てない」と認識することです
信頼できる仲介者の存在
双方が受け入れられる妥協案
戦争が終わった後
復興支援
和解のプロセス
制度の構築
私たち一人ひとりが、戦争について考え、平和のために何ができるかを問い続けることが、遠回りに見えても、最も確実な平和への道
日本国憲法第9条戦争の放棄
第1項
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する
平和安全法制
存続危機事態
日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態
1937年から1945年まで続いた日中戦争
南京事件、731部隊問題、慰安婦問題
日本では0.02%しかシェルターがない
地下施設(地下鉄の駅、地下街、地下駐車場)を緊急避難場所として指定
1946年に北方四島を一方的に自国領に編入(違法併合)、北方領土問題(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)
重要なのは、実際に戦争に勝つことではなく、「戦争を始めさせないこと」
1945年8月6日広島訳14万人(約40%)、長崎訳7万4000人(約28~31%)なくなる
原爆死没者名簿2021年時点で合計51万人を超える
非核三原則
核兵器を持たない、つくらない、持ち込ませない
自衛隊の強み
装備の質
訓練の水準
防衛に特化した体制
1945年に自衛隊が発足
自衛のための実力組織
2014年集団的自衛権の行使を限定的に認める閣議決定
憲法9条を変えるべき
現実との乖離
自衛隊の地位の明確化
安全保障環境の変化
2023年10月7日パレスチナイスラム組織ハマスがイスラエルに大規模攻撃、これに対してイスラエルはガザ地区に激しい報復攻撃を開始
民間人を守ることは、すべての紛争当事者の義務である。人道支援は妨げられてはならない。子供たちは保護されなけらばならない。そして、戦争にもルールがある。これらは、ジェノサイドかどうかにかかわらず、普遍的な原則
大切なのは「知ること」何が起きているのか、なぜ起きているのかーそれを知れば不安は「理解」に変わります -
購入済み
何故、此処まで
「フテンマ戦記」は本当に人間の脆弱さと言うか、脆さ等を淡々と氏は描き上げて、本来ならば氏の提案が実行すれば、左程の時間も経たずに、沖縄の人々の為にも、米国にとっても好い判断と結果的にはなったであろうと。
然し乍ら、時は残酷さをも秘めて、流れが過ぎて行く。初めのボタンの掛け違いが。何事も話し合いは、虚心坦懐で
進めれば、結果は好い方向に行くと、古今東西、歴史的にも。誠に両国にとっての不幸が此れ以上、続かぬ様に。
最近、読んだ本で、此れほどの感心させられた本は無かった。 -
Posted by ブクログ
この作者についてはニュース番組などで昔何度か見かけた際に論理的で落ち着いた語り口に好感を持ったことと日本では珍しい軍事アナリストという肩書き…そこに至る経歴も異常で自衛隊の航空学校から同志社の神学部中退とか。興味を持ってSNSでフォローしておりそこで知った作品。タイトルどおり日本への返還が日米間で合意されているにも関わらず24年間も実現していない事実について民間人の立場で交渉に関わった経緯をまとめたもの。失礼ながら作者のことは評論家としか認識しておらずここまで政府に食い込んでいるとは思わなかった。首相の補佐官的な役回りで橋本龍太郎から鳩山由紀夫辺りまで積極的に関与していたことに少し驚いた。作者の立場は一貫しており住宅密集地にある普天間飛行場は一刻も早く返還してもらい替わりの空港は同じ沖縄のキャンプ・シュワブに移す、というもので辺野古埋め立て案には大反対、という立場である。理由は環境面の配慮ではなく専門の軍事的な立場で要は水上に浮かべた空港では海兵隊の訓練にも実戦にも耐えられない、というもの。その意味ではアメリカ側も軍というか制服組にもその案は合意されており現実的な案である、という主張である。そしてアメリカ側も正式に日本からその案が提示されたら受け入れ合意されたはずなのに日本側が24年にわたって国内で意見を統一できなかっただけ、という見方。そしてたぶんそれは正しくて政治のリーダーシップの欠如であったり役人達の軍事知識不足であったりそういうことなんだろうと思う。そもそも作者にしてもそれだけ正しい案であれば顧問的な責任のない立場からものを言うのではなくもっと積極的に案への支持を取り付ける動きができなかったのか、とも思う。それにしても本当に生々しい記録。特に非難されているのは麻生太郎と鳩山由紀夫。珍しくリーダーシップを発揮でき得た野中広務をその出自を取り上げて引きずり下ろした麻生太郎。面罵されて一言も返せない情けない姿が明記されている。鳩山由紀夫に関してはもはやまともな能力を持った人間としてすら描かれていない。この二人に関しては財力や肩書きが人間の能力や品性に直結しないということをわからせてくれると思う。それにしても今現在既に注目すらされていない普天間問題。いみじくもロシアのプーチン大統領が北方領土を返還した途端、そこに米軍基地を作られても日本政府は何もできないだろう、と言ったことでもわかる通り沖縄だけの問題ではないことは明らか。本作を契機にまた議論なり交渉が進めば良いのに、と思います。これも素晴らしい作品。おすすめです。
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Posted by ブクログ
迷走を続ける普天間基地の移設問題。1996年の返還合意からこの問題に関わり続ける軍事アナリストによる日米の交渉の裏側。
鳩山政権を中心に普天間基地の移設の問題を赤裸々に記録した一冊。筆者は一貫して辺野古の海上基地でなくキャンプ・ハンセンの陸上基地への移設を主張し続けている。
佐藤優、鳩山由紀夫、ケビン・メア、孫崎享などに関する人物評が面白い。
陸上案がいつの間に海上埋め立てにすり変わったり、辺野古基地では海兵隊の運用に支障が生じるなと、まだまだ問題は解決できなそうである。
沖縄の建設業などの利権から軍事に関しては全く素人の防衛省の官僚、同様に米国にも専門知識をもったキーパーソンがいなかったり、政治と行政の関係について研究する際の素材として面白い。
他の人の言い分もあることだろうが、当事者の一人から見た普天間基地の問題、なかなか面白い内容でした。何千億もの税金が投入されているので笑ってはいられないことですが。 -
Posted by ブクログ
【普天間問題は外交・安全保障問題にとどまらず、病める日本の諸症状を浮き彫りにしている】(文中より引用)
軍事専門家として名高い小川和久が、民間人として普天間基地の返還問題に携わった過去を振り返りつつ、問題の淵源がどこにあるかを探った一冊。リアリズムの欠如を憂うとともに知られざる交渉の内幕についても明かされています。
これは2020年のトップテンに間違いなく入ってくる作品。普天間問題を政府の内側と外側の両方から観察した数少ない人物の証言として一級の価値を持っているのではないかと思います。複雑になってしまった問題の経緯を改めて知る上でもオススメです。
圧倒的な知識量に裏打ちされたホンモノの専門家の言は重い☆5つ -
Posted by ブクログ
安倍内閣は憲法の解釈の変更し、集団的自衛権を行使できるようにするための閣議決定をしました・・・
それに対して賛成の人もいれば、反対の人もいますよね・・・
でもでも賛成の人も反対の人も、ちょっと根本的なことが抜け落ちてませんか?って突っ込んでいる本・・・
Q&A方式で、日本の安全保障についての基本的な前提、知識、考え方について学べます・・・
こういうことを踏まえた上で、考えていきましょう、という本・・・
集団的自衛権の行使について賛成反対の前に、まず重要なことは・・・
そもそも日本の平和と安全をどう確保するのか?
それから日本の防衛力の現状・・・
について考えましょ、知りましょ・・・
緊張感が著しく高まっている今・・・
非武装中立は今までになく非現実的だから、そうすると・・・
どの国とも組まないで、日本の自衛力(軍事力)で平和と安全を実現する、武装中立か・・・
アメリカのような国と同盟組んで、協力して平和と安全を手にする道・・・
どちらかしかないでしょ・・・
で、すべて自前で今と同じレベルの平和と安全を求めるならば、今の防衛費用の約5倍(毎年22~23兆円の負担)という試算(この試算にはちょっと?な部分もあるけど)、とのこと・・・
それに兵力の規模ももっと大きくしないと・・・
それに情報収集&分析能力も自前で組み立てなおさないと・・・
それに変な話アメリカからも敵視されかねない恐れもある・・・
どうしますかね?
5倍のお金負担します?税金どれくらい跳ね上がるかな?
重ーい税金負担すれば他国の戦争に我関せずってできますかね・・・
一方、同盟なら現状の負担でとりあえずは今までのような安全を維持できる可能性が高い・・・
でも、そうするとやっぱり双務的にならないといけませんよね・・・
ボクのピンチにはアナタに守ってもらうけど、アナタがヤバイ時にはボクは協力できない、メンゴ!って、できますかね?できないですよね・・・
どうしますかね?
まずこれを考えないといけない・・・
それから現状ですが・・・
自衛隊ってもし仮に!海外に行って戦争をしかけるとしても、戦力投射能力がない・・・
戦力投射能力って・・・
例えば核兵器によって敵国を壊滅させることができる能力・・・
例えば海を渡って数十万規模の陸軍を上陸させて、敵国の主要地域を占領するような能力・・・
こういう戦争をしかける能力(軍事力)はそもそも持ち合わせておりません・・・
できることは専守防衛・・・
海上自衛隊の対潜水艦戦能力と掃海能力、それと航空自衛隊の防空戦闘能力は世界トップクラスだけど・・・
そういう能力しかない・・・
なぜならそれ以上の能力を日本が持つことをアメリカ様が望んでないから、別に求めてないから、と・・・
海外で戦争しかける?ちゃんとできないようになってますよ、ってのが現状・・・
さて、本題の集団的自衛権・・・
A君がイヤなヤローZ君にある日いじめられました・・・
A君が反撃!Z君とやりあう、これを個別的自衛権という・・・
いじめられて、何もしないとドンドンエスカレートしていってしまう・・・
それはイヤだ・・・
だから反撃する・・・
これは別にフツーっちゃフツーですよね?
で、A君だけじゃなく仲間のB君、C君、D君、Eちゃん全員でZ君に反撃!仲間全員でZ君とやりあう、これを集団的自衛権という・・・
Z君強すぎる!全員の力を合わせて反撃だ!とかZ君も仲間連れてきたし、全員で反撃だ!
これもフツーっちゃフツーですよね?
なもんで、国連で集団的自衛権は全然OKと認められております・・・
やられたらみんなでやり返すぜ!というプレッシャーをかけて戦争を抑止している、というのが世界的な見方・・・
また、あくまで権利なので、強制参加ではありません・・・
他国の戦争に巻き込まれて必ず参加しなきゃいけないという義務ではない・・・
集団的自衛権を戦争に参加できる権利と見なしている国はないようです・・・
集団的自衛権って・・・
当たり前のものなんですね・・・
また、日本って思っている以上にアメリカにとって重要です、というのが著者の意見・・・
日本列島は米軍のロジスティクス拠点としてアメリカにとって非常に重要でして・・・
日米同盟が解消したらアメリカにとって地球の半分をカバーしている軍事力を支える能力の80%ほど喪失しちゃうことになるよ、と・・・
そうなったら中国やらロシアやら北朝鮮やら、アメリカの言うこと聞かなくなっちゃうよ、と・・・
なので、アメリカは近隣国にあれやこれやと、日本に手ぇ出すなよと言ってきた・・・
なので、ホントは日本がアメリカにもっと色々とモノ申せるのに、と・・・
そういうのを考えると、すでに日本は、実質的に集団的自衛権を行使しているよ、と・・・
これは新鮮でした・・・
次に、憲法9条に関してあれやこれや意見が割れますが・・・
日本国憲法だけで議論するのはやめましょう、と・・・
日本国憲法には国際協調や国連尊重に繋がる文言がちゃんとあります・・・
そして日本国憲法は、国連憲章や日米安保条約を否定するものではないです・・・
日本の安全保障について考える時には、憲法だけでなく、国連憲章も、日米安保条約も含めて考えましょう・・・
なので集団的自衛権に関してもこの3つの整合性を求めましょう、と・・・
で、国連憲章は、安保理を中心とする集団安全保障の構築を目指すと同時に、各国の個別的・集団的自衛権を固有の権利と認め、地域的取極・機関(例えばNATOなど)を認めている・・・
で、日米安保条約って、国連憲章のもとで交わされた条約だそうで、国連憲章の目的・原則が優先され、国連憲章の方が上位にあるそうな・・・
そうすると、日本国憲法は、個別的自衛権も、アメリカとの間の集団的自衛権も否定していない、というのが著者の主張・・・
また、憲法、国連憲章、日米安保条約を合わせ読むことによって、日米安保条約による日米の集団的自衛権の行使が、国連憲章の枠組みによって強く制限される場合がある・・・
歯止めになる、とも・・・
歯止めがきかない、って批判は無責任な空論だね、と・・・
あと、これは注意!っていうのがあって・・・
集団安全保障と集団的自衛権はまったく別物だから気をつけて・・・
集団安全保障とは、国連の安保理を中心に全ての加盟国、先進国だろうが新興国だろうが、資本主義だろうが社会主義だろうが、仲良かろうが悪かろうが、すべて棚上げして、すべての国を組み込んだ集団を作り、その中で不当に平和を破壊した国を、その他の国々が集団で制裁する体制のこと・・・
集団的自衛権は、ある国が武力攻撃を受けた時に、直接攻撃を受けていない第3国が、攻撃された国と協力して共同で防衛することができる、国際法上の「権利」・・・
これは紛らわしいけど体制と権利という違うジャンルのものなので一緒にしないように、と・・・
あとは・・・
ポジティブリスト方式ではなくネガティブリスト方式で・・・
警察比例の原則という縛りをなくす・・・
マスコミは結構ミスリードさせている上に、誤報を訂正しない・・・
第2次大戦後の欧州(特にドイツ)を見ると、民主国家の集団による自衛権の方が濫用しにくく、武力行使に対する歯止めになってきた・・・
湾岸戦争の時の多国籍軍内の動向を見ると、集団的自衛権で結ばれた同盟関係がアメリカの欲する軍事的突出にブレーキをかけたことが分かる・・・
などなどが書いてあります・・・
こういうの詳しくないボクでもわかりやすかった・・・
是非とも・・・
あーだこーだ言う前に・・・
せめて・・・
この本に書いてあることぐらいは・・・
把握しておいた方が良いと思われ・・・
集団的自衛権、安全保障、つまり日本の平和について、冷静に考える一助となるはず・・・
その上であーだこーだ言いましょう、と・・・
これはオススメちゃん・・・ -
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安全保障と言えば、軍事、ツールや装備に偏りがちなテーマにおいて、政治判断の重要性や、警察と自衛隊の役割について理解している軍事アナリストの存在はは日本にとって重要であることをあらためて認識させる。
これまでに著者が関与したことで制度化された事例や課題が残ることについて、各分野での、その時におかれていた状況について具体的な事例を挙げ、問題点や対応を記している。その中で当事者の役職者については個人名を記載している点は、他ではあまり見られない具体的に踏み込んだ記載であろ。
ピントのずれた対策。道具があれば課題解決したとの思い違い。自身の知らないコト・モノは、世の中に存在していないと盲信する官僚、専門家。運用を考えていない制度化。
著者の指摘は、現場を見てきた自負からの裏付けのあるものだが、著作としては、正しいと信じるものが日本に受け入れられていない現状に対する不満や恨み節が垣間見える。それでも安全保障は政治マターであることを強く訴えている。
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Posted by ブクログ
「中国が台湾に侵攻するのではないか」という危機感が高まる昨今、本当のところはそのリスクはどうなのかと考えた時、「中国人民解放軍の実力は台湾侵攻を実現できるレベルに到達しているのか」という点に帰着します。その点についての客観的な分析はなかなか新聞、テレビでは報道されない中、私自身が”この人の発言は説得力ある”と思っている著者の小川氏による現状分析がこの本です。いくつか要点を抜粋します。
1)中国海軍は相次いで空母を就役させているが、空母が本来の機能を発揮するには、艦載機の運用ノウハウが重要で、夜間・荒天時の発着艦などのノウハウはまだまだアメリカ軍に及ばない
2)空母を安定して運用するには空母を護衛する対潜水艦作戦が重要だが、日米の対潜水艦作戦能力に中国は及ばない
3)中国空軍の戦闘機配備数はアジア地域でアメリカ軍を凌駕しつつあるが、戦闘機を安定的に運用するために必要な給油機、早期警戒機等の配備数が少なく、バランスを欠いた状況になっている
4)台湾首都台北を制圧するために必要な武器・弾薬・人員を台湾に上陸させるだけの輸送力は確保できているようだが、それだけ大規模な上陸作戦を展開する能力については、上記の中国海軍・空軍の能力から判断して現状では不可能
確かにここ数年で人民解放軍の装備はかなりの近代化が進みましたが、ハードの整備が進んでも、それを運用するソフトが伴わないとカタログデータ通りの能力は発揮できない、というのが著者の主張です。
という感じで、数年の間にこれらの状況が一気に変化するとは考えにくく、”今すぐ”に台湾侵攻があるというのは考えにくいようです。しかし著者は人民解放軍自身が上記のウィークポイントを認識しており、それを解消する努力を重ねている点については「侮れない」と評価しています。
一方、もっとお粗末なのが日本の防衛に対する姿勢で、どのような危機を想定し、それを防ぐためにどのような装備を整備するのか、という長期的な視野が欠けている上、特にサイバーセキュリティに関する対応のお粗末さは「各国の笑いもの」レベルとの事。
中国人民解放軍、アメリカ軍、自衛隊の現状とその能力について、非常に分かりやすくまとめてあり、過度に危機感を煽ったり、楽観論に偏ったりせず、説得力のある内容だと感じました。