入不二基義のレビュー一覧

  • 相対主義の極北

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    本格的な哲学書というのは初めて読んだが、ダイナミックな思考の過程が感じられて面白かった。

    相対主義のによって、私たち、の存在の否定と肯定を繰り返す無限ループ、終わりのない問いかけによって生み出される境界のない枠組み、そしてその私たちすら、ない、という状態こそが、相対主義の極北であるという。その、真の意味での、ない、ことこそが、絶対的?な心理との接点。

    と書いて見るものの、半分も理解できた気がしないので、また読もう。

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    2012年11月09日
  • ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか

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     ウィトゲンシュタインの入門書は書くのが難しいだろう。10人いれば10とおりの入門書ができる気がする。そんな訳でこれも一般的な入門書ではない。僕はそもそも独我論というのがまったくピンとこないので,その路線からのウィトゲンシュタインには興味がない。しかも論理学がからきしダメなのもあって,言語哲学そのものにも全く触手が伸びない。それでもウィトゲンシュタインに魅力を感じるのは,彼の生き方にあるのだろうと思っていて,それはそれで間違いではないのだけれど,この本を読んでウィトゲンシュタインの思想それ自体にも,僕の好きなテイストがあるのだということを思い出した。

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    2012年06月19日
  • 相対主義の極北

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    タイトルがとっても興味をそそった。
    がはっきり言って難しかった。
    難解だった。
    でも、あとがき(のあとがき)に書いている、
    「…平易で分かりやすくて『おもしろい』のではなく、単純なはずなのに難しくて、頭が変になりそうだけれど、それが『おもしろい』でなくては意味がない。哲学なのだから。」
    という言葉に激しく同感した。

    P.074
    「このような窮地から相対主義を救うためには、相対主義を『個人主義的』に解釈することを放棄すればよい。例えば、何が真理であるのかは、『各個人の思い』を超えた『認識の枠組み』に対してこそ相対的である、と考えればよい。」

    P.081-
    「言い換えれば、Tという主張が言って

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    2012年04月21日
  • 足の裏に影はあるか?ないか? : 哲学随想

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    ネタバレ

    エッセイ集。付録のプロレス論が面白かった。なぜこれを「負の業績」と言ったのか、入不二先生の指導教官や先輩方にお伺いしたい。

    「八百長」「ほんとうの強さ」という言葉は安易に使われる。スポーツライターは全員読め。

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    2011年03月03日
  • 足の裏に影はあるか?ないか? : 哲学随想

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    2010年度名古屋大学入試問題に出題されている。

    すべての二項を無意味化してしまう。そこには、何モノでもない、ただ何かが存在しているだけ。常に内側は外側に従属しているし、外側は内側に規定されている。マトリョーシカの内側にも外側になれる。物事のある部分をマクロ的に見ると、すべての枠組みは無くなる。村上春樹風に言うと、「その偶然は必然だ」というところだろうか?

    個人的には予備校講師の「ルサンチマン」のくだりが面白かった。

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    2010年04月29日
  • 足の裏に影はあるか?ないか? : 哲学随想

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    『流れとよどみ』にはなり損ねたけど、十二分に面白い。
    買って読んだあとも、時間を置いて再読してみようという気にさせられる。

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    2010年03月11日
  • ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか

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    私は世界より大きいか、小さいかという問いに対して独自の論を展開してく。やはり哲学はロジカル×クリエイティブでおもしろい☆

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    2010年02月01日
  • 足の裏に影はあるか?ないか? : 哲学随想

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    哲学っぽいお話を集めたエッセーみたいなものです。著者さんもおっしゃってるけど、哲学の深いところまで、というよりは入口までといった感じのものが多いかな。それほど難解というわけでもなく、けっこう楽しんで読めました。
    「無関係という関係」「数と時の思考」がよかったですね。
    特に後者については、かなり面白く読めました。1というのは多義的である、とかあんまりそういうふうに見たことがなかったから新鮮だったし、時間の流れの観念と結び付けてるのもおもしろかった。人類が数字やときの概念を生み出したってのは本当にすごいことだよね。
    逆に若干こじつけの感が強かったのは「さまざまな「迷信」」。これはなんだかよくわから

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    2009年10月22日
  • アントニオ猪木とは何だったのか

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    小学生の頃、猪木を観てプロレスが大好きになった。
    テレビのスピーカーにカセットデッキを近づけて録音をしたなぁー。
    休み時間は、プロレスごっこ。「ロープに振ったら返ってこなくちゃいけないんだぞー」

    猪木の人生、知らないことがたくさん書かれてました。夢枕獏さんの個人的な思い出がストレートで良かった。

    自分にとってのアントニオ猪木は何だったのか?
    そうですね〜、、、世界で一番強い日本人でいてほしい人、かな。
    子供ごころに「感動」ということを教えてくれたことが忘れられない。実況をカセットで何度聞いても感動したなぁ。

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    2024年02月13日
  • アントニオ猪木とは何だったのか

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    現役時代も現役を引退してからも、意識的にか無意識にか、多くの謎掛けを残していった猪木(猪木が現役バリバリだった頃はまだプロレスを見ていなかったので、あくまで印象だが)。とてもプロレス的で、今になってYouTube等でこれを分析するチャンネルがあって、楽しく見ている。だからこそ気になった本。内容としてはライトで読みやすかったが、ターザン山本の文章(文体?)に懐かしさを感じた。かつて週刊プロレスを隅から隅まで(何なら縦帯まで)読んでいたので、あの頃の記憶が蘇ったのかな。何とも不思議な体験だった。

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    2024年03月23日
  • アントニオ猪木とは何だったのか

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    もう一周忌。プロレスをこれまでも語ってきた論者たちの一年遅れの弔辞集です。ターザン山本の「プロレスについて考えることは喜びである。」というキャッチフレーズは大嘘だ、って言い放ち「猪木について考えることは喜びである。」とヤバすぎるエピソード連発する遅れてきた猪木ファン吉田豪。日本が世界に誇る三大偉人として空海と宮沢賢治と猪木と並べる妄想マックス夢枕獏。猪木を1000万人に通じる言葉を求めた人として、村上春樹の横に置くアカデミズム松原隆一郎。久々のターザン節がなんとなく旬じゃない感じのターザン山本。猪木、たけしだけじゃなく、村松友視、古舘伊知郎、ターザン山本に洗脳されまくりの人生突き進み、そして傷

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    2023年10月06日
  • 相対主義の極北

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    相対主義を究極まで純化した「極北」には何があるのか、著者が徹底的な掘り下げを行なった過程を論じた一冊。

    極めて抽象的な思索が巡らされますが、哲学には全くの門外漢である自分にも決してわかりづらいということはありませんでした。
    繰り返される「無限後退」といった循環的なイメージが、自分の持っている相対主義のイメージと重ねやすかったからかもしれません。
    かと言って、ありきたりな議論がされているだけかというとそうではなくって、後ろの方まで読み進めた後、前の方の章を読み返してみると議論の浅さが感じられる。
    つまり、少しずつ丁寧な論証を積み重ねていく中で「極北」に近づいていっていることを実感できるのです。

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    2019年01月06日
  • 足の裏に影はあるか?ないか? : 哲学随想

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     随想ということで寸止め感いっぱいw その昔デリダが全然理解できなくて,全然関係ない入不二さんの本を読んだときに,「これって分析系の言語で書かれたデリダじゃん!」って思わず叫びそうになったのが懐かしい。そのときは何か理解が深まった気がしたものだ。まぁ,今思えば多分僕の誤読なんですけど。。。

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    2012年06月19日
  • ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか

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    とても難しい哲学者のひとりであると思う。
    概要が記載できない自分がイタイ。
    こういう人物がホントに天才なのだろう。

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    2011年06月28日
  • ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか

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    ウィトゲンシュタインの「私」に関する思想にのみ集中したウィトゲンシュタイン本。論理哲学論考、青色本、哲学探究のそれぞれ一部について、三つの章で書かれています。テーマが絞られていてページ数も少ないのですが、それでも私には難解でした。

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    2011年06月12日
  • 相対主義の極北

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    相対主義は、つきつめていけば相対化の無限後退を招く
    その無限後退では、無限後退しているという状態を考察できる。
    さらにその先には、あるともないともいえない。認知すら出来ない極北がある

    なお、相対主義は主観(個人)に対する相対ではなく、認知の枠組みに対して相対と考えるべき

    同様な極限を実存に対しても考えると同じように、認知すらできな状態が想定される。
    実存と相対主義に共通する状態になる。

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    2021年06月24日
  • 足の裏に影はあるか?ないか? : 哲学随想

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     父親と子供、子供は父親と母親の間から生まれるから、まず父親が存在しないと、その子供は存在し得ない。
     子供がいるから、男性に「父親」という属性が与えられるのであって、父親もやはり子供がいないと存在し得ない。
     つまり、どちらか一方が時間的に先じてるわけではない。

     こんな、とっても哲学的なことを徒然と書いている。
    このパラドクスは言葉を使う限り、決して解決できない問題だけど、その難題を徒然と考えている。それがつまり哲学なのであって、どれだけ勉強しても歳を重ねても、結局その問題に立ち戻るのかいと思ってしまう。
     その堅苦しい思考に、詩的エッセンスを加えてみたら

    「あらかじめ失わ

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    2009年10月11日