山田ズーニーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
―――あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように、私の人生の終わりに少しだけ付き添ってほしい(樋口了一/手紙)―――
他人に許せることが、なぜ身内だと許せないのか。
何度も同じ話をすることが許せなかったり、自分と同じことができない親を否定的に思ってしまう。
たとえば、パソコンやDVDの操作ひとつとっても、私が調べることと、親が調べて実行に移すことの大変さは全然違う。
親が老いていくことを、子どもである私には許容できない。
期待している。
いつまでも、親が親でいてくれることに。
親が老いるということを「肯定」するという考え方を、初めて、した。
そんなこと思っていいんだ!?
私だけじゃないんだ!
新鮮な驚きがたくさんあった。
自分でも抑えられないくらい爆発力のある怒りを、そのまま放出してしまう相手は、私にとって、母親だけだ。
そして恐ろしいくらいの後悔と罪悪感でお風呂場でしくしく泣いたことが何度もある。
この感情の源を、私は自分が少しおかしいからだと思っていた。
ヒステリーの最上級のとっても醜い、恥ずかしい、感情。
でも、私だけじゃなかった。
それは、すごく自分にとって救われることだった。
この本には、救いが書いてある。
親が老いて、いままでできていたことができなくなってしまうのは、とても悲しいことだけれど、至極当然のことだ。
人は、不老不死ではないから、ずっと若くはいられないし、ずっと生きてはいられない。もちろん、今の私は親を亡くすことをこれっぽちも許容できないし考えたくないけれど、いずれは、くる。
人をこの世に送り出すことが母親の役目であれば、この世から送り出すことは子どもの役目。
来たるべき日のために、すこしだけ、先走って涙がでた。
本書は、ズーニーさんが提示したコラムに対して
「私はこう思った」
「いま、私はこういう状態です」
と、読者のみんながとってもわかりやすく体験談を交えて発言しあっている。
質の高いしゃべり場だなあと感心しきりだった。
私たちの人生は、「青い春」があり、「朱い夏」に変わっていく。
あこがれや、外の世界を見ていた時期を経て、外を見ている場合じゃないと、内っかわに目を向けるようになっていく。
それは、親が元気な時に蓄えた財産だ。
親が元気な時に伸ばした「分母」のなかで、いざというときに選べる「分子」が決まる。
これは新発見でした。
なんと素晴らしい見解だろう。
せいいっぱい、目の前の現実を生きれば生きるほど、じぶんの選択の幅は広がる。
わかっていたようでわかっていなかった。
それもこれもぜんぶ、親が元気でいてくれるからできること。
私の親も、ことしで還暦をむかえます。
腹の立つこともあるけれど、だいじにしたい。
老人ホームに預けっぱなしのおばあちゃんにも会いに行こう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小論文の基礎的な文法や知識やルールというより、
テーマや問いなど
自分自身の目線や角度、姿勢などについて描いています。
文章や言葉にすることで、
自分の考えや価値観を客観的に見ることができます。
「目には見えないけど、あなたの中に、
感情があり、想いがあり、意志がある。」
「想いは、どうしてこんなに言葉にならないんでしょう?
どうしてこんなに、伝えたい人に伝わらないんでしょう?」
今までの自分を振り返ると
思い当たる場面が多々。
そしてそれは、
年齢を重ねる毎に増えている気がします。
学生時代は、
自分が不安だったり未熟だったり
それが何だかわからないまま、
ほんとう揺れていたけど、
すごく正直に素直だった気がします。
一年一年と年を重ねるごとに
ああ言ったらこう思われるかなとか
こう言ったら傷つけたり
微妙な空気になるかなとか考えすぎて、
自分の考えも
それこそ他者も
何もアクションを起こせなくなっていたりします。
最低限のアクションですら、
自分の都合というか保守のためだったり。
それぐらいしか出来なかった。
「自己像を歪めれば、世界観も歪む。」
「人の意見を、
聞く・読む・理解する、というのは、
外界との接触の第一歩のような気がします。」
気持ちや世界が閉じたままだと、
何もできない。
怖くても苦しくても、
ひらいて見ること触れること。
そこで自分の妄想と現実のズレを知ること。
問いかけとバックグラウンドと根拠と、自己表現としての答え。
読者のメールも載せられており、
参加型な一冊です。
「空っぽの頭と空っぽの心で、 観て、感じて、さわってほしい。」
「私は、あなたの声が聞きたい。」
ありふれたものに当てはめて、ムズムズして
なんか違うんだよなあとグルグルするより、
アンテナと取捨選択をもっとしていきたい。
そして私の中の語彙や表現を広げていきたいなあ。 -
Posted by ブクログ
「文章を書く」ということについて、深く考えさせられた。
いい文章を書くとはどういうことか?
書くために何をどう考えていくか?
その後、実践編、上級編へとレッスンは続く。
小論文の書き方はもちろんだが、議事録やメールなど全ての「書く」に使える書き方だ。
読み終わったばかりなので、この私の感想は「いい文章」ではない。つまり、この本の効果はまだ出てない(笑)。あと何回か熟読し、実践してみて、やっと少しいい文が書けるんじゃないかと思う。
でも、その前に、この本は良かった!と伝えたい。だから拙い文だか、まずは「よかった」という感想を書いた。
そして、本当にいい文が書けたと実感したとき、星5つにしたい。 -
Posted by ブクログ
①意見 あなたが一番いいたいことは何か
②望む結果 だれが、どうなることを目指すのか
③論点 あなたの問題意識はどこに向かっているか
④読み手 読み手はどんな人か
⑤自分の立場 自分はどんな立場にいるのか、自分は相手からどのような人物とみられているのか
⑥論拠 相手が納得する根拠はあるのか
⑦根本思想 あなたの根本にある想いはなにか
・論点・問いは疑問形
論点を「人間関係について」のように漠然と書かないで、疑問形にする。
例えば、「人間関係はどうすればうまくいくか?」「職場での人間関係の問題点は何か?」「職場で上司と部下の関係はどうあるべきか?」
・自分の論へ反論する癖をつける
読み手が納得するか、説得するためには、相手の理由を知る必要。
”利益効率重視の波は止められないとあきらめるか、会社がその方向だからこそ、専門性、「創出」の必要性を訴えるか。結論の出し方は多様だし、どれか1つだけが正しいわけではない。そこに考える面白さがある” -
Posted by ブクログ
現在、30代序盤の私。仕事もひと通りこなせるようになって、育休も終盤にさしかかり、なんとなく人生の波を越えたなと思う(このあと仕事家事育児で地獄を見るであろうことは置いておいて)。
この本は「おとなの」進路教室ということだが、作者が高校生の小論文の講師とのことだったので、高校生にも伝えられる何かがあるかもしれないなと思って手にした。結論から言うと、「おとなの」ための本だった。もちろん高校生が読んでも、得るものは多いと思うが。
小中高ときて、大学へ進む進路とは違う。
大学から新卒で就職するのともちょっと違う。
自分の生き方やその原点に立ち返るための本だと思った。だから、読んでいて身に覚えのあることも多くあったし、耳が痛い言葉もあった。
タイトルからして、転職を考えている人が手に取りやすいと思うけれど、30代の人たちに等しく読んでもらいたい作品だった。
私たちの人生は、今まで生きてきた分の倍以上もあるはずだ。まだ見ぬこれからの進路を考えるために、この作品を読めてよかった。