板倉俊之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
芸人・板倉さんが書いたという興味本位のみで手に取ったが、読み始める前は「非小説家が書いた小説」って事で、正直どこかでナメてた部分があった。が、読んでみると「さすが」の一言。芸人さん(特にネタを作るほう)も物書きという点ではプロという事に気付かされた。本編後の解説でも道尾秀介さんが、そんな思った通りのことを分かりやすく書いていた。
中身でいうと、各シーンをかなり丁寧に描いていて、少し字数を割きすぎだなと感じる箇所はいくつかあったものの、情景の説明の仕方がかなり上手く、画がハッキリと見え没入感が高かった。黒幕との「種明かし合戦」の場面は、ちょっと喋らせ過ぎかなとも思ったが、でもそれもミステリー小説あるあるの空気感の感じもして、板倉さん、本当に小説好きなんだな、という感じがして好感が持てた。 -
Posted by ブクログ
板倉のハイエース一人旅が好きすぎて、エッセイ出したから購入。
夜行バス待合で暇つぶしに読んでたら、もう各エピソードが面白くて「フフっ」て笑い漏らしてしまった…(変な人やと思われたかも、笑)
エピソードそれぞれがおもしろいってのもあるけど、とある1日の出来事をそうやって切り取って描ける力もすごいし、イチゴ狩りとか、横断するときの右左右とか、日常に溶け込んだ言葉とかにも疑問抱いていろいろ考えていけるのもすごい…
こうやって、ごく普通なできごとをエピソードとして描かれたら、その対象も嬉しいやろうなぁ、とか思った
おもしろいだけじゃなくて、
そこから何かしら学びというか、悟り得てるのが良き
個人的には
特別な1万円
必要のない仕事
パスワード
笑→w→草
魔除の効果
右左右
(結構全部好き)
各エピソードも短くて読みやすい、なんか軽く読みたいときとかにちょうどいい -
Posted by ブクログ
初読から3回読み直す程に面白かったです。
ストーリーは、少年たちが連続放火事件の犯人探しをするというが中盤までの軸で、後半は解決に向けて思わぬ方向に展開します。
少年たちの日常風景が、ホントに小学生の男の子の感じで、あるある、あったなぁ!と微笑ましいし、主人公の弦太と親友の涼介の相棒感も羨ましいなと感じます。そして、同級生の友達、大学生の友達、家族や教師との関わりを、思慮深い弦太の視点から優しく細やかに描いていて、胸を打たれます。
特に序盤で同級生の茜ちゃんにあるプレゼントをする場面、終盤で母親と対峙する場面は読む度に泣いてしまいました。
ほとんど潔癖ともいえる強い信念を持った弦太の生き方は凄い!こりゃ周りが苦労するぞと思うほど…2人の友達、明るい涼介と、大人しく良識ある隼、温かい母親と教師がいてくれて良かったねと言いたいです。
この子たちが成長した時にどんな風になっているか、とても興味深いので、数年経った頃の続編を読んでみたいなぁと思いました。
また、映像化されれば楽しそうな場面もいくつもあります。
心情描写が細かく美しい為、そちらに気をとられそうになりますが、この作品はミステリー小説であり、序盤から様々な伏線が張られ、最終的にきっちり回収してくれます。このタイトルまでも。
その緻密さは、全ての行動に根拠があるという弦太の徹底された性格が、まるで著者である板倉さんの一部分のように感じる程です。
星4つなのは全く個人的な好みとして、語らせすぎず余白の部分もある小説が好きだからで、
この作品が完成された素晴らしい作品だという事に違いありません。
ミステリー小説好きの人に是非オススメします。 -
Posted by ブクログ
国王制となった日本において、犯罪件数を減らすために創設されたトリガー制度。トリガーに認定された者は「悪」と判断した人間を射殺してもよい法律が制定されたというサスペンス。
短編集なのだが、連作となっており前に登場したトリガーの名前があがったりするのは好みの構成だ。しかも最初はトリガーが悪を撃つという内容だったのが、制度を悪用したり逆に殺してはいけないという態度のトリガーが出てきたりと徐々にバラエティに富んでいくのも面白い。
連作短編集らしく最後は総まとめっぽく終わっていくのもなかなか憎い演出だった。バイオレンスがありつつ、ヒューマンな温かみにも溢れていて、さらに現代社会を風刺する表現もあったりして。特別な映像とかはほとんどいらない内容だから、映画にしても面白い。 -
Posted by ブクログ
【悪の反対は、善ではない。】
人の死を簡単には扱ってはならない。
生殺与奪の法律は吉か凶か、それとも……
読み終わったあとに、本書がお笑い芸人
「インパルス」の板倉さんの著書であることを
知って衝撃を受けた。
板倉さんはめちゃくちゃ器用で
センスもキレキレで面白い。
さらにこんな淡々とした
グラデーションダークな物語もかけるのかと。
後半からはとくに考えさせられる
短編のオンパレード。
トリガーという名前の通り
こころを撃ち抜かれます。
もし将来、この法律が日本にもできたら……
いやできてしまったら……
思考がすすむ本。めちゃオススメです。