板倉俊之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
屋上とライフル
著:板倉俊之
お笑いコンビ・インパルスの一人、板倉氏よる初のエッセイ集。すべてのコントの作・演出を手掛けており、お笑い芸人のみならず、小説家や漫画原作、俳優としても活躍している。
私が知っている(大して知っているわけでもない)、「爆笑レッドカーペット」のイメージと違う板倉氏ワールドが展開されている。
電車の中で本書を読んでいたものの、近頃活躍しているかどうかわからなかった「マスク」が良い仕事をしてくれた。動画ではなく、漫画ではなく、活字である本書は顔が歪む程爆笑をしており、その様をしっかり「マスク」は本来の使い方と違った形で隠してくれた。
活字で爆笑。それもクスりという -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。
「僕」が綴るエピソードパートと、「私」が綴る自論パートに別れている。「僕」は板倉少年だったり、板倉青年だったり、芸人板倉だったり。
しっかりしていて、バカバカしさのある『作品』とも呼べるようなコントを作るイメージのある板倉さん。普段からなにを面白いと感じているのか、すごく伝わってくる。失敗談も多いエピソードは、もしかしておっちょこちょいなのかな?と思えるくらい、何度も笑った。ほんとにコントみたいな話もたくさんあった。
特にお気に入りなのは『マンションのメリークリスマス』『生牡蠣トラップ』『ちびっこ戦争』『渾身の力作』『倒れた猿』『悲しい勝利』『やっぱこうなるよな!』 -
Posted by ブクログ
あの御伽噺のイメージが鮮やかに変革する、まさに『新説』。
傲慢、醜さ、残酷さを痛烈に皮肉りながらも、そこに救いのように優しく灯る光も見出してくれる。色んなメッセージがそこにある。
戦闘シーンが多いけれど丁寧で細かく、スピーディー且つわかりやすい。
構成力が素晴らしく、散りばめられた真相と伏線、その伏線回収がするすると解かれていく綺麗さに驚かされ、ラストのまとめ着地の心地良い落とし方が好き。
語り手側の結末もゾクワク感が止まらない。最後は番外編ですが、番外編っていうかこれぞエピローグ。
浅田弘幸さんの美麗な装画が豪華。もうとにかく滅茶苦茶面白かったです。板倉さん多才。 -
Posted by ブクログ
見事に、私の心臓をブチ貫いてくれた、イイ青年漫画
銃口がギラリと光る重厚な漫画、文句なしで殿堂入りである
精悍さの中にどこか爽快感すらも感じさせてくれる武村先生の絵柄も凄まじいが、やはり、〔射殺許可法〕と言う斬新な設定を活かし、なおかつ、振り回されていない、板倉先生の練ったストーリーが、私の中の殿堂入りになった理由だ
お笑い芸人は、コントで一般人を笑わせてこそですが、それでも、板倉俊之さんや劇団ひとりさん、又吉直樹さんのように文芸の分野で才能を発揮する方は、素直に凄いなぁ、と思う。尊敬っつーより、憧れに近い念も抱ける
ホント、板倉先生の、このダークだけど皮肉な救済感もある話を、ここまで見事に魅 -
Posted by ブクログ
芸人・板倉さんが書いたという興味本位のみで手に取ったが、読み始める前は「非小説家が書いた小説」って事で、正直どこかでナメてた部分があった。が、読んでみると「さすが」の一言。芸人さん(特にネタを作るほう)も物書きという点ではプロという事に気付かされた。本編後の解説でも道尾秀介さんが、そんな思った通りのことを分かりやすく書いていた。
中身でいうと、各シーンをかなり丁寧に描いていて、少し字数を割きすぎだなと感じる箇所はいくつかあったものの、情景の説明の仕方がかなり上手く、画がハッキリと見え没入感が高かった。黒幕との「種明かし合戦」の場面は、ちょっと喋らせ過ぎかなとも思ったが、でもそれもミステリー小説 -
Posted by ブクログ
板倉のハイエース一人旅が好きすぎて、エッセイ出したから購入。
夜行バス待合で暇つぶしに読んでたら、もう各エピソードが面白くて「フフっ」て笑い漏らしてしまった…(変な人やと思われたかも、笑)
エピソードそれぞれがおもしろいってのもあるけど、とある1日の出来事をそうやって切り取って描ける力もすごいし、イチゴ狩りとか、横断するときの右左右とか、日常に溶け込んだ言葉とかにも疑問抱いていろいろ考えていけるのもすごい…
こうやって、ごく普通なできごとをエピソードとして描かれたら、その対象も嬉しいやろうなぁ、とか思った
おもしろいだけじゃなくて、
そこから何かしら学びというか、悟り得てるのが良き
個