寺町朋子のレビュー一覧
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購入済み
医療科学を深く考える
ジェネリック医薬品は、本来の薬と同じ効果を発揮しながら値段が安いという特徴があり人気ですが、医療科学の情報を元に100%信じてよいかというとそうではなく、デメリットもあるということをこの作品を通して知ることができます。
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宗教は人類の脳が発達したことによって生まれたことを進化論や脳科学によって説明している。心の理論や自伝的記憶を獲得したことで自分自身の死を意識したことや、来世を創造して祖先を崇拝するようになったことが信仰心を生み、社会の発達によって信仰の対象が階層化され、神々が出現したと説明する。
ホモ・ハビリスは、いずれも知能の源とされる前頭葉の外側部と頭頂葉がひときわ発達させ、賢くなった(トバイアス)(p40)。ホモ・エレクトスは自己認識能力を発達させた。20万年前の古代型ホモ・サピエンスは、他者が考えていることに気づく能力(心の理論)を獲得した。10万年前に、自分について考えている自分について考える内省 -
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著者は宗教学を専攻していた。著者の経歴は非常に特徴的である。
「大学に入ってからは宗教学を専攻し、神々が目に見える姿で人の前に現れるときのさまざまな形について学んだ。それから人類学を専攻した大学院生のときに、似ても似つかない文化で驚くほどよく似た神が祀られていることを知った。医師および精神医学者になってからは、脳の研究に携わりながら、脳のどこに神々がいるのだろうかと問い続けてきた」
神が人間の産物であるとするならば、それがどのように生み落とされたのかを探求するのは無駄ではあるまい。神々がどのようにして人間の中に生まれたのかというのを語るにはうってつけのキャリアかもしれない。著者は宗教学と脳 -
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ネタバレ新薬の開発はますます困難になってきており、ファイザーのようなメガファーマもこの頃では創薬からは手を引いて他社が作った薬の導入に専念したいと考えている。ここまで薬剤はどのようにして見つけられ(作られ)てきたのか、わかりやすい歴史的背景と豊富なエピソードで描かれた良書。
・薬剤の創造は当初は自然にある物質をそのまま使っていた。アヘンからモルヒネが合成され、さらにその誘導体としてヘロインが作り出された(日本におけるアンフェタミンのように当初は依存性のない薬として市販されていた)。ペルーのキナの木の皮からはキニーネが合成された。
・次に純粋に工業的に製造される時代が始まり、エーテルが麻酔薬として用 -
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「世界はなぜあるのか」、つまり「なぜまったく何もないのではなく、何かがあるのか」という哲学、物理学、そして神学に関わる問いについて、過去の哲学者や科学者を引き合いにだしながら、その道の専門家と思われる人へのインタビューを重ねた本。変わった印象を与える本だ。
著者の知識は広い。選んだテーマからして当然、哲学関連の知識もある。古くはタレス、ソクラテス、アリストテレスから始まり、デカルト、カント、スピノザ、ライプニッツ、ヘーゲル、フィヒテ、シェリング、キルケゴール、ショーペンハウアー、ハイデガー、フッサール、ベルクソン、サルトル、ノージック、ネーゲル、ジョン・サール、ダニエル・デネット、チャーマー -
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ネタバレ自分がよく物忘れをするので、その特性のメリットはないかと購入。
あわよくば忘れないようにする工夫があればと思い読んでみました。
本の内容としては、「記憶に関与する脳の構造(海馬や前頭前皮質など)がどのようにつなぎ合わされて記憶をし、また忘れていくのか?」ということをメインに書かれていました。
この本によると、正常な忘却はむしろ喜ばしいことで、恐怖などの体験を上手く忘れることによって心の安定を保っているとのこと。自分がよく物忘れをするというのはあくまで主観的な部分もありますが、確かに比較的心は穏やかさを保てているように感じました。(身内に対して以外かもですが(笑))
また、アルツハイマー病や -
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ネタバレ"信頼はなぜ裏切られるのか"というタイトルだが、日本語訳の問題なのか信頼が裏切られる仕組みを解き明かした本ではなかった。
英語タイトル"The Truth About Trust…略"をGoogle翻訳すると"信頼についての真実"っぽいので、どのように裏切られるかについて書かれていないのは致し方ないだろうと感じた。
訳者もあとがきにて、英語タイトルについて言及していたので何か思うところがあったのかと推測する。
文章は読みにくく感じた。ちょこちょこと説明のために入れている内容が私にはとても読みにくく、著者の感想なのかな?という内容もあ -
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新薬をめぐるドラッグハンターの歴史的攻防が描かれている。ドラッグハンターの思惑や、葛藤も記されていて親しみを持って読める。薬と同様に研究者も個性的である。
新薬探索のいつもの成り行き…新薬になりそうな分子の新しいライブラリーが発見され、主要な発見がいくつかなされ、業界全体がそのライブラリーに群がって短期間でライブラリーが枯渇する。
土壌、動物、植物、タンパク質、ホルモン、DNA操作
白血球は体で病原体を感知するとB細胞が速やかに増殖させる。短期間に数百万種類もの白血球を作り出せる。これらの白血球はそれぞれ異なる種類の抗体を作り出す。体は必要な時に必要なだけオンデマンド武器を作り出せるという -
Posted by ブクログ
科学のカテゴリに入れたが、ある意味哲学書でもある。
人にとっても最も根源的で最も難解な問いである、「世界は
なぜあるのか」について、様々な哲学者や科学者、作家に
インタビューを行い、著者自分なりの答を導き出そうという
本だ。著者なりの結論は一応書いてあるのだが、その結論
よりも、そこに至るまでの様々な立場の人間の意見とそれに
対する著者の反応の過程こそが面白い本だと思う。
私は世界を創造した「人格神」といったものが存在している
とは思えないのだが、この宇宙を生み出した何かが存在して
いるのなら、人間が自分の都合でそれを神と呼んでも差し
支えないとは思っている。人は信仰がなければ生きていけ
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Posted by ブクログ
なぜ「何もない」ではなく「何かがある」のか?
という哲学の究極の問いを様々な知識人(神学者やノーベル物理学賞受賞者、数学者などなど)にインタビューしながら考察する一冊となっている。
それぞれにそれぞれの考え方があってとても面白いです。
神の存在を仮定するしか無いと考える人から、量子論的揺らぎによる神を必要としない偶然の創造、多宇宙説によって必然的に生まれる、プラトン主義的な考えなどなど。
無から有の創造はどのように起こったのか?また、何故それが起こったのか?
あるいは、そもそも無なんてものは存在せず、無限の過去から未来永劫存在するのか?では、それは何故無ではなく有なの?
自然界が真に機能的で