寺町朋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
忘却というと、「物忘れ」ってことで、悪いイメージしかない。
それをこの本の著者は、効用がある、とのっけから語り始める。
そう、忘れることができないことによる症状、PTSTなどを紹介する。
これで思い出す。
三年前に亡くなった友人は、「語り部」として有名だった。
50年近く前のエピソードでも、
「あの時はね、、、」
と楽しそうに、ゆったり語りだしたものだ。
しかし、それって、今思えば苦しかったんだと思う。精神的に。
胃がんを患い、楽しみにしていた2019年ラグビーワールドカップ日本大会の最中に入院。
チケットを他の友人に譲る羽目になった。
その癌は寛解したはずだが、体力を奪われたか、急死してしまった。
頭の中が過去の記憶でいっぱいで、精神的にストレスがたまっていたんではないか、
と、今になっては思う。
なんでも語り合えるいい友だった。
なんてことを思い出しながら、読み進めると、
物忘れも、上記のような場合のいいもの忘れと、
脳機能の問題、アルツハイマーなどの悪い物忘れがあるという。
このあたりを、前頭前野とか、海馬とかを示しながら、
特に海馬などはMRIの絵まで掲載して、教えてくれる。
この辺りは難解だったが、何とか読み続けた。
アルツハイマーは遺伝、ってわけじゃない、ということを強調していた。
親にそういう特質があろうとなかろうと。
脳を大事にしていかねば、と思う次第。
プロローグ
第一章 覚えることと忘れること
第二章 平穏な心
第三章 解放された心
第四章 恐れを知らぬ心
第五章 晴れやかになる心
第六章 謙虚な心
第七章 みんなの心
エピローグ 病的な忘却
謝辞
訳者あとがき
原注 -
Posted by ブクログ
ネタバレ行動の柔軟性を生み出すことは大理石の彫刻を作ることに似ており、忘却のノミが優位な役割を担っている
自閉症者は忘れられない、記憶しすぎている
考えるということは、さまざまな相違を忘れること、一般化すること、抽象化すること
感情の正常な忘却は、醜くて非生産的で怒りを生む感情の重荷から私たちを解放してくれる。
私たちは忘れるために眠る かっこよすぎる、本のタイトルにしてくれ
前頭前皮質が十分に機能するようになるのは十代後半か二十代前半になってからだ。〜だから子どもには選挙権を与えておらず〜
メタ記憶はメタ認知の要素の一つで、自分の記憶力をどれほど客観的に把握できているかということだ。
記憶力だけでなく一部の人はメタ記憶も失う。
一部の人なんだ…みんなじゃなくて安心する
ノスタルジアについての記載、著者がユダヤ系であるからこその視点。紛争の絶えない中東で育ったことの利点と考えられるものの一つは、ナショナリズムの罠に敏感になることだ。
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購入済み
迫真のドキュメンタリー
インドや中国で製造されるジェネリック医薬品の問題点を追った迫真のドキュメンタリーである。描き出し方がややドラマチックすぎるような気もするが、読み物としてはドッキリさせるところが満載で大変に面白い。しかし実際のところどうなんだろうか?定数的な話 再検査合格率 などの話がないので、針小棒大の話の可能性も残っているし、ジェネリックを排斥したい先進国先発メーカーの意図が入っていないとも断言はできない。いずれにせよ問題提起の本である。
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脳の仕組みや機能について書いた部分は、読みこなすのが難しめ。ここは、はしょって、見ているだけで脳が相手の行動をなぞるように自分の脳が働いているというミラー理論と、相手の気持ちになりかわって感じる一次的こころの理論、間に間接的な事情が絡む二次的こころの理論。機能については、脳の各機能をつなぐ部分が賢いといわれている動物がその内部にあるのに対して、より格段におおきくなって脳全体を包むように灰白質を形作っていること、それが時間を認識する機能に大きくかかわりをもつことを、押さえれば、あとの部分はその通りに読んで、分かりやすく、興味深い。こころがあるということは、神を認識する脳と、人間の作り出した社会のありさまと対置される。
能力の発達につれて、社会が産み出され発展していく。この本の内容は、一言では、言い表せないが、もやもやしたものがようやくひとつにまとまっていく、驚きに満ちた本です。 -
Posted by ブクログ
脳の進化を人類学、脳科学、考古学を用いて解き明かす。ホモ・ハビリスとして200万年前に脳の著しい大型化と知能の向上をみた。180万年前以降ホモ・エレクトスは自分を認識できる知識を持った。そして20万年前以降古代型ホモ・サピエンスとして他者の考えを認識できる「心の理論」を身に着けた。10万年前以降初期ホモ・サピエンスとして自分自身の考えについてじっくりと考える内省能力を発達させた。4万年前以降現代ホモ・サピエンスとして自伝的記憶(エピソード記憶)という能力をものにした。そして脳の能力が向上するにつれて、死者を埋葬したり、悼んだり、恐れたりするようになり、その死者の地位が向上して神となり、人口の増加に伴い複数の神々が序列化され、今の宗教につらなったと考えられている。
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日本語の副題「成功率0.1%の探求」とあるように、現在の新薬探しはビジネス的に成功する確率が非常に低く、さらに巨額の研究費が必要でほとんどの努力が無駄に終わることが多い。実際、創薬プロジェクトのうち、経営陣から資金を提供されるのが5%、そのうちFDAに承認されるのはわずか2%だそうだ。本書は、新薬を見つけ出すのがなぜ難しいか、新薬がなぜ法外な値段で売られているのか、新薬探求や創薬の歴史を振り返りながら解説している。
ノバルティス、バイエル、メルク、エフ・ホフマン・ラ・ロッシュ、ベーリンガーインゲルハイム、ヘキストなど、名だたる製薬会社がなぜライン川沿いに本拠地を置くかにもふれている。19世紀後半、合成化学による合成染料産業の勃興と関係ある。 -
Posted by ブクログ
「神」がどのように発生したか、という意味ではタイトル通りだが、実際は人類の進化から脳の変化、そして知能の変化に伴って”神”を人類が”文明”を持つうえで必要とした状況を時系列的に説明している。
そのため、人類と神の関わりに至るまでも長いし、特定の宗教について語られることも無い。
あくまでも、人類発達の過程で何故”神”という概念がもたらされたかを脳科学的に説明している。
しかし、太古の民の頭蓋骨からここまで多くの事がわかるのは本当に驚き。
いかにして人類は進化し、意識を手に入れ、狩猟民族から農耕民族に変わり、定住し、文化や芸術を発展させたのかが分かりやすく書かれていて、中学や高校の歴史でも入り口でこういう視点からの話があれば、ただの暗記科目ではなくずっと楽しく学べるだろうに残念。 -
Posted by ブクログ
大昔から現代まで、どうやって新薬が開発されてきたか、かなり分かりやすく説明してくれる。大収穫本。
以下気になった所を箇条書きメモ。
・マラリアの薬で儲けたのは、ルイ14世の王子を治療した英国人薬剤師のタルボー。彼は薬の原料を秘密としたが、死後それがキニーネだと明らかにされた。(多分マラリアの予防として飲まれていた)トニックウォーターには、キニーネが含まれていたが苦くて飲みにくいので、ジンが加えられ、ジン・トニックというのがカクテルが生まれた。(好きで呑んでたけど、そういう経緯があったのか)
・19世紀、バイエルがアスピリンとヘロインを作った話が面白い。また、フェンフルアミンというあまり効かない痩せ薬と、フェンテルミンというやはり効かない痩せ薬があった。その双方を合わせて摂取すると痩せられると分かった。しかし心臓に疾患をもたらすことが分かったとか。
・微生物から作ったペニシリンはとても貴重だった。摂取した患者の尿から排泄されるので、その尿を回収した。
・抗菌薬はせいぜい一週間ぐらいしか使ってもらえないので儲からない。ゆえに製薬会社はもう新薬を開発していない。耐性のある細菌の感染症には対処できなくなっていく(マジか!)
そんな話がてんこ盛り。新薬を開発するのは、意外なほど科学的ではなく、単なる偶然と一部の天才による思いつきによるものだと分かった。なぜ効くのか分からない(現代でも分からないの!?)薬があるそうだ。新薬開発は科学というより博打らしい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアルツハイマー病の研究をしているコロンビア大学の神経精神科学教授の著書。普段病的な忘却を扱う教授が、通常の誰もがもつ「正常な忘却」によるメリットを分かりやすく説明した本。社会に合わせて記憶と忘却のバランスをとることが重要と、全体を通して語っている。
些細な細部にとらわれず全体像を把握したり、そもそも新しい必要な記憶を獲得するためには忘却が必要ということをPTSDや自閉症患者の病的な忘却の状態を比較して説明している。
特に印象に残ったのは下記2点
1)人を愛したり、美しいと感じる能力には認知能力は必要なく、認知能力の多くを失っても人生を楽しむことができる。
認知能力では仕事面では重要だけど、自分の人生を存分に楽しむことができるというのは、病気ではなく老いからくる認知能力の低下をそこまで恐れなくてもいいという、優しいメッセージだと感じた。
2)記憶力が(正常な範囲で)悪いことで、知的謙虚さが生じ、複雑で難解な問題の正解にたどり着ける可能性が高まる。
私自身も記憶力が悪く、すぐに想起することが苦手だけど、昔から時間をかけて解く必要のある内容に答えを出すのが得意だった。昔はそれを自分の短所としてしか思っていなかったけど、本の中では記憶力が悪いことによって、頭の中にあるそれらしい回答に飛びついてこだわったりせず、外からも積極的に知識を集め(知的謙虚さ)、用心深く検討することができるそう。
もちろん、記憶力が良い人は、日常生活の大部分で素早く問題を解決できる利点がある。
記憶力が良い人悪い人、色んな人がそれぞれのメリットを発揮することで世の中に貢献できるということ。