あらすじ
〔成功率0.1%の探求〕先史時代から人類は薬となる木の根や葉などを探求してきた。今でも科学者の創薬計画が医薬品に結実するのはわずか0.1%であり我々が恩恵を受ける薬やワクチンはまさに奇跡の所産なのだ。新薬開発の舞台裏を第一線で活躍する研究者が描く。『新薬の狩人たち』改題。解説/佐藤健太郎
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Posted by ブクログ
薬と無縁に生きてきた、という人はおそらくいないだろう。
風邪かな、と思ったら早めのパブロンを飲むし、インフルエンザの季節の前になんとなくインフルエンザ予防接種を受けるし、最近はCOVIDのワクチンも接種するし。
なんとなく当たり前のように薬を摂取したり予防接種を受けているが、実はこれは奇跡的に人類がたどり着いた偉業だったのだ!
物理学は実験を通して理論を構築することができるし、正しいとされる理論を用いれば現象を予測だってできる。(予測が外れたら理論が間違っていたということだ)
翻って、薬学はどうだろうか。物理学でいうNewton方程式のような聖杯はない。
人間に使ったとしても、その人間の人種やその時の体調やひょっとしたら血液型によっては効果が異なるかもしれないし、昨日と今日で効果の効き目が違うことなんてたくさんある。
つまり、こうしたらうまくいく!というのを事前に推定するのが極めて困難なのだ。
これは偏に、人間の免疫細胞の働きが極めて複雑であり、まだ人間は十分に理解していない、というのが原因の一つであるが、ドラッグハンターとはこのような状況で当たるも八卦当たらぬも八卦のトライ&エラーを繰り返しているのだ。