大昔から現代まで、どうやって新薬が開発されてきたか、かなり分かりやすく説明してくれる。大収穫本。
以下気になった所を箇条書きメモ。
・マラリアの薬で儲けたのは、ルイ14世の王子を治療した英国人薬剤師のタルボー。彼は薬の原料を秘密としたが、死後それがキニーネだと明らかにされた。(多分マラリアの予防
...続きを読むとして飲まれていた)トニックウォーターには、キニーネが含まれていたが苦くて飲みにくいので、ジンが加えられ、ジン・トニックというのがカクテルが生まれた。(好きで呑んでたけど、そういう経緯があったのか)
・19世紀、バイエルがアスピリンとヘロインを作った話が面白い。また、フェンフルアミンというあまり効かない痩せ薬と、フェンテルミンというやはり効かない痩せ薬があった。その双方を合わせて摂取すると痩せられると分かった。しかし心臓に疾患をもたらすことが分かったとか。
・微生物から作ったペニシリンはとても貴重だった。摂取した患者の尿から排泄されるので、その尿を回収した。
・抗菌薬はせいぜい一週間ぐらいしか使ってもらえないので儲からない。ゆえに製薬会社はもう新薬を開発していない。耐性のある細菌の感染症には対処できなくなっていく(マジか!)
そんな話がてんこ盛り。新薬を開発するのは、意外なほど科学的ではなく、単なる偶然と一部の天才による思いつきによるものだと分かった。なぜ効くのか分からない(現代でも分からないの!?)薬があるそうだ。新薬開発は科学というより博打らしい。