あらすじ
【NYタイムズベストセラー】
ハエが飛び交う製造現場、試験データの捏造・隠蔽…
不正を行う海外企業の「嘘」に翻弄される
医薬品業界の現実を暴いた衝撃のノンフィクション!
ジェネリック医薬品の登場は、
必要な薬を手に入れられなかった貧しい人々を救い、
医療費増大に悩む国々の希望の光となっています。
しかし、それは、政府の医薬品審査機関の厳格な管理・監督のもと
ジェネリック医薬品メーカーが高い倫理観をもって
「先発医薬品と変わらない薬効・安全性の薬を製造しているはず」
という「信頼」を前提とした話です。
本書では、2万点を超える機密文書の調査と、200人以上の内部告発者、
不正を行った企業の役員・現場作業者、
米国の食品医薬品局(FDA)の査察官らへの緻密な取材によって、
次のような事実を明らかにしました。
(1)インドや中国などの一部のジェネリック医薬品メーカーでは、
利益の最大化のため、承認試験データを捏造して早期承認をめざし、
衛生管理を軽視して不衛生な環境で医薬品製造を行っていること
(2)FDAの査察官による現地調査も行われているが、
査察決定から査察日の間に試験データを捏造し、
見せかけの衛生環境を整備して、巧妙な「嘘」で査察官を欺いていること
(3)そのような薬が実際に米国の人々の健康を奪っていること
品質基準を満たしていない薬が発展途上国へと流れ、健康被害を生み出していること
品質の悪い抗生物質が、薬剤耐性菌発生の一因となっていること
【原書名】
Bottle of Lies: The Inside Story of the Generic Drug Boom
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どうしてFDAが嘘を見破れなかったか。。。そりゃミイラ取りがミイラになるってこの事なんだなって思う。
日本も他人事じゃないから読んでみるべし。
Posted by ブクログ
安いにそれなりの理由があった。品質がウーンというレベルだったり、味が今ひとつということがある。
しかし医薬品が「ワケアリ」だと大変だ。身体に入れるものだけに製造する側や認可する側が注意してもらいたいと思うが、生産拠点が外国となるとそうも行かなくなる。
今回の本では、ジェネリック医薬品という正規の医薬品よりも安い価格で買えることで話題になっていたが、消費者が口にするにはリスクのある状況だった。「まさかという名の坂」があったとは。
著者のキャサリン・イーバンは、調査ジャーナリストで偽造医薬品、銃の違法取引、CIAによる強制的な尋問を取り上げた記事で数多くの賞を獲得している。
アメリカ食品医薬局(FDA)のコンサルタントで、海外の製造工場で長い時間を過ごしたことのある人に聞いたところ次のようなことを述べた。企業文化、さらには国の文化によって薬の製造品質に影響が出る。
忖度が求められる文化かそれとも違う意見が出ることを歓迎するかによる。
例えば中国は都合の悪い情報を出さない。著者が中国で情報提供者に会おうとしたとき、政府から尾行されて、携帯電話を盗聴された。
ここにも「チャイナリスク」があったか。
中国に派遣されるFDAの査察官のほとんどが中国語を話すことができず製造記録も読めなかった。通訳も自前ではなく、企業の営業担当者だった。
これでは正確な調査などできるわけがない。
ジェネリック医薬品に関して闇の部分があるとは知らなかった。易いだけで飛びつくと大変だな。
「規制とは追いつ追われつビジネスなのです」と、アメリカ薬局方協会のグローバルヘルス・インパクトプログラムの元副委員長パトリック・ルクレイ博士が述べている。
脱税や麻薬の取締りと同じく、無くなりそうにないなあ。