安田洋祐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1章 ビジネスパーソンの「武器」としての経済学
■まとめ
・経済学は、暮らしの改善やビジネスの利益拡大に役立つ武器である。
・「学知というサイエンス」「現場への実装というエンジニアリング」こそ、経済学のビジネス活用の軸。
・「経済学にできること」のざっくりとしたイメージをもっておくことで、いざ必要になったときに、スムーズに適切な経済学者と出会える。
・「付加価値を上げる?コストを下げる?」などの問いに対して、経済学は第三の選択肢を提案しうる。
・これからの経済学にとって、ビジネスでの実用・政策提言・純粋な研究は、すべて大切な存在意義である。
・経済理論には、ビジネスの多様な現場に合わせたカスタマイズの可能なものも。「経済学×ビジネス」の素敵なマッチングで、ビジネスの新たな可能性が開ける。
2章 オンライン上に新しい市場をつくる
■まとめ
・オンラインの販売サイトには市場設計の知見が有用。
・締め切り直前の応札合戦にはいくつか対処の方法があるが、状況に応じて丁寧に選ばねば失敗する。
・よいユーザー体験を与えるためには既存研究の精査が不可欠。
・「車輪の再発明」は費用と時間のムダ。学問というデータベースをフル活用すべし。
・科学と職人感覚は補い合うことが大事。
3章 利益を最大化するツール「FSP-D」モデルの基礎知識
■まとめ
・情報化社会、デジタル革命が、既存ビジネスの衰退と新規ビジネスの勃興を引き起こしている。そのなかで「FSP‐D」モデルを用いたビジネス戦略を立てることが、今後の勝負の分かれ目になる。
・「F=無料」で提供することで、多くのユーザーを手っ取り早く獲得し、ユーザーが多ければ多いほど顧客満足度が高くなる「S=ソーシャル」の「ネットワーク効果」を活用できる。この戦略により適しているのは、増産コストがかからないデジタル消費財である。
・ソーシャルメディアの普及により、人々の消費行動は「口コミ」「シェア」がベースになっている。その効果を活用するのがもう1つの「S=ソーシャル」であるソーシャルメディア・マーケティングである。
・「P=価格差別」の中でも利益を最大化する仕組みは、ヘビー~ライトユーザーすべての需要を取り込む「多段階価格差別」である。
・「D=データ」の分析が、FSPすべての根本となる。
4章 世界標準の学知に基づく新しい顧客関係管理
実務では新規顧客キャンペーンや既存顧客キャンペーンとして別々に掛けるコストを決めて実施することがありますが、CRMの思考法は一気通貫です。つまり、
①新規顧客獲得においては、相応の営業や広告、販促コストを掛けてでも「利益をもたらす顧客」なら獲得し、コストに見合う利益をもたらさない顧客ならコストを掛けてまで獲得しないこと。さらに獲得時の営業や広告、販促といった各種手段にどれだけコストを配分するか決めること
②既存顧客維持においては、その顧客が他社に乗り換える可能性や自社顧客であり続ける場合の利益額を踏まえて離脱防止のための施策を打つ、あるいは打たないこと
③これらを利益の指標である顧客生涯価値(LTV:Life-Time Value) で統 一的に管理する、場合によっては全社の利益最大化の観点から新規顧客獲得と既存顧客維持にどのようにコストを配分するか、さらには営業、広告、販管のコスト(投資)の比率や総額そのものを決めること
ここではその例の1つとして、4か国の携帯電話会社のデータを用いた有名な研究を取り上げましょう(Minら2016)。
ここでは4半期ごとの新規加入者数と現在の顧客から離脱率を計算し、また販促費の変動と新規顧客数・維持された既存顧客数の関係から成立する式を導いて、1人の新規顧客獲得のコストと既存顧客維持コストを出しています(図)。
結果として得られた知見のうちいくつかを紹介します。
①原則として既存顧客維持コストは安い(1新規顧客獲得のコストは1既存顧客維持コストの平均2~5倍)
②競合が増えると新規顧客獲得コストは増える。一方、競合が増えても顧客維持コストは変わらない
③顧客維持はリーダー(トップ企業)とフォロワー(2位以下)で変わらない
④リーダー企業の新規顧客コストは、その製品・サービスが普及すると大分下がる。その理由としては、新しい製品やサービスを後から利用するようになった顧客(有名なロジャースの分類でいう後期大衆)はリスク回避的であり、最大手を選ぶためだと思われる
つまり革新的な製品やサービスは競合が増える前にどれだけ新規顧客を刈り取るかが重要であり、一方、もしあなたがフォロワー企業の立場なら、早期であればまだ新規顧客獲得が重要であるが、成熟期なら既存顧客維持が重要であることを示唆しています。
■顧客生涯価値の計算にはどんな情報が必要か?
顧客あるいは顧客のタイプ(セグメント)ごと、場合によっては契約種別ごとに、
①離脱率の予測値を出す(ここが肝)
顧客のタイプや契約形態、利用形態が同じような人"での過去の離脱率から計算
②月間あるいは年間の収益の予測をする
“同じような人”での過去のデータや経済状況による変化などから計算
③コストの計算をする
獲得コストと獲得確率、および獲得後の維持コストから計算
が必要となります。
獲得コストはBtoCであれば広告や新規顧客への値引きなど、BtoBであれば営業活動のコスト、コンペへの対応費用、初年度の契約の優遇による利益減少額などです。
本来投資すべきは、新たな利益となる新規顧客と、まだまだ自社にもたらしてくれる利益に「伸び代」があるライト~ミドルの顧客です。
一方、上顧客がロイヤル顧客であって「貴社だけから購入している」とすれば、追加で購入させることが難しいのは当然ですね。すでに伸び代いっぱいまで利益をもたらしてくれている上得意は、追加購買という、投資に対するリターンは低いと見なすべきなのです。
上得意よりライト・ミドル層の顧客のほうが割引やポイントプログラムの効果が高いという結果は、非常に多くの研究で報告されています。
例えば小売業のポイントプログラムについての有名な研究(Liu,2007)では、図のように、ポイントプログラム開始時点でヘビー・ミドル・ライトの3群に顧客を分けると、開始後の顧客の購買頻度や購入量はヘビーではほとんど増えず、一方ミドル・ライトで上昇していることが分かります。
■まとめ
・顧客は「自社に利益をもたらす存在」であり、「中長期的にどれくらいの利益をもたらしてくれるのか」(顧客生涯価値)で、その顧客に対する投資額(金銭的・時間的・人的)を決めるべきである。
・顧客生涯価値の計算に基づかないCRMシステムは何の役にも立たない。
・BBにおいても営業すべき先の選定などで顧客生涯価値の計算は重要。
・顧客生涯価値に基づく施策決定にあたっては顧客データがなくてもシミュレーションはできるが、精度を上げるにはデータ分析が必要。
・一律投資よりも、「高いリターンが見込める顧客に集中投資」のほうが、効率がいい。
・獲得したい新規顧客が、中長期的に投資額を上回るリターンをもたらしてくれるのなら、多額の初期投資をしてでも獲得すべき。
・原則として上得意の既存顧客に値引きなどの「金銭的なベネフィット」は愚であり、「特別扱い」を感じさせる「非金銭的なベネフィット」が効く。
5章 会計とESG 価値観とルールの大きな変化をざっくりつかむ
■まとめ
・会計は企業の一つの全体像を写す 「カメラ」。
・会計への理解を深めることが、世の中や経済そのものの理解につながる。
・近年、金銭で価値を測りにくい要素で企業価値を測る動きが盛ん。 ESGはその代表例。
・ESG投資の流れが盛ん。企業はESG投資を受けられるように動く。
・ESGによって、企業に求められる価値、ビジネスで生み出すべき価値が大きく変化していくことは確実である。
6章 ダメな会議はなぜダメで、どうすれば改善できるか
結論をまとめると、独立した人々による目的の共有が、集団がうまく機能するための条件です。陪審定理以外の集団の意思決定に関する定理でも、大抵これと同様の結論になります。
一例を挙げましょう。コンドルセは社会科学に数学を持ち込んだ開祖のような人です。彼が蒔いた種は20世紀になってから、まず経済学、続いて政治学や社会学で実りました。そこで近年得られた重要成果のひとつに、多様性定理があります。本当の名前はもう少し長くて「Diversity Trumps Ability Theorem」、直訳すると「多様性は能力に打ち勝つ定理」です。
この定理は「さまざまな認知能力を使って解決する必要がある問題を解く際には、多様な人々の集団のほうが一人の高能力者よりも早く問題を解く」ことを示しています。
人間の認知能力には広いバラエティがあります。私たち一人ひとりは、それぞれ得意なことが異なっている。「さまざまなメンバーが自分の能力を会議に持ち寄るとよい」というのが、多様性定理が会議の研究に教えることです。そして、この多様性定理においても、目的の共有と独立性は必要です。
より砕いていうと、集団での意思決定においては、人々は同じ方向を向かねばならない。そのためには組織のミッションやビジョンを共有し、かつ利害も共有する必要があるでしょう。
私なりの答えを申し上げます。1人と複数人のパフォーマンス比較では、ほぼすべての実験で、複数人のほうに軍配が上がります。そして、4人や5人から人数を増やしても、パフォーマンスはとくに上がるわけではなく、全体としては下がる傾向が強いです。
では4人と5人とでは、どちらがよいのか。私は5人を推します。メンバーの間で意見が割れたとき、奇数なら賛否同数にならず、多数決で決定を下せるからです。5人だと各人の発言時間も確保できますし、各人が自分の存在感を感じられます。
では3人と5人ではどちらがよいのか?はっきりした答えはありません。実験によっては、3人から人数を増やしても、集団のパフォーマンスは上がらなかったと結論付けるものもあります。
あとは現場で判断ということになるのだと思います。それでも適切な参加者数は3人から5人程度と、範囲を絞れました。この知見は非常に便利です。
■まとめ
・会議では、みなで目的を共有することと、他の参加者に忖度しないことが決定的に大事。
・参加者が自由に発言しにくい空気をつくる者は、会議に入れないほうがよい。
・人数が増えるにつれ、多数のメリットが増えていくにせよ、増え方は減っていく。一方、人件費は人数と同じペースで増え続ける。
・「何となく」や「念のため」で会議の参加者を増やすのはダメ。
・集団は個人の総和ではない。人数を増やしたせいで、人々のやる気の総和は減りうる。 -
Posted by ブクログ
タイトルに明示されているように、本書は、21世紀の一般的な人々からすればラディカル(急進的)だと思えるような提案が多数盛り込まれている本です。しかし思考実験としては良いきっかけを与えてくれます。彼らが提案する制度が導入されるとどんな世の中になるのだろう、という想像です。本書は所有権の部分共有による切り崩し(1章)、投票制度の改革(2章)、移民制度の改革(3章)、機関投資家の力の切り崩し(4章)、データを労働力としてみる(5章)、というような構成になっていますが、特にインパクトが大きく、著者らが特に力点を置いているのが前半の所有権の切り崩しと選挙制度の改革でしょう。
私は特に2章の投票制度について関心を持ちました。投票制度の問題は以前から議論されていて、アローの一般可能性定理やアマルティア・センが指摘したパレート最適の毒性問題があります(詳細は、たとえば『「きめ方」の論理』ちくま学芸文庫を参照のこと)。パレート最適の毒性問題を回避するための一つの方法は、「自分が関心の低い事案については投票しない(意見表明を差し控える)」ことです。これは自己抑制的という意味でアジア的な解決策と言えるのかもしれませんが、本書が提示しているQV方式と呼ばれるものはその逆で、「自分の関心が高い事案については、他人より多くの票を投ぜよ」という解決策です。私はこれを自己主張的な欧米型の解決策ととらえました(人間は自己主張しなければならないという欧米的な強迫観念が背後にあるとも言えます)。この場合、少数のその事案に高い関心がある人の意見が、多数のあまり関心がない人に勝つ可能性があるわけです。
その意味で、本書は確かにラディカルな制度提言が盛り込まれていて興味深く読みましたが、いずれも自己主張、競争、対立といった価値観が著者らの背後に見え隠れしており、そのような価値観に社会が覆われているという意味できわめて欧米的であります。つまり、逆に自己抑制、協調、和合の社会設計という選択肢についても可能性がないのだろうかと本書を読んで思いましたが、いずれにせよ頭を柔らかくする、想像力を働かせるという意味で面白い本でした。 -
Posted by ブクログ
現代に生きる私たちは、ソ連の崩壊や北朝鮮の悲惨な経済情勢によって、共産主義は過去の遺物であり、もはや資本主義しか残されていないと思っている。一方で、資本主義が決して完璧なものでないのはリーマンショックを見るまでもなく明らかでもあり、資本主義をどう改良していくのか、という目線に囚われている。
しかし、資本主義の未来とはそのような”改良”レベルで事足りるのか?、というのが本書が突き付ける疑問である。
本書は一般的な資本主義のルールに”No”を突き付け、極めてラディカルな、ただし、”サヨク”が牽引するような夢物語ではなく、一定の理論的実現性を踏まえた姿を描き出す。
たとえば、資本主義と共産主義を分かつ違いの一つは、私有財産を認めるか否かである。資本主義社会に生きる我々は、私有財産という制度を疑うことはまずないだろう。しかしながら、私有財産というルールによる弊害があるのも事実である。例えば、都市開発においては、99%の地権者が同意しても1%の地権者が自らの土地を手放さない(もちろん、その行為はなるべく交渉を長引かせた方が自らの利得が高まるという卑しさによるものであるのは論を待たない)。この点を実感するなら、赤坂のアークヒルズを訪れると良い。アークヒルズの2Fには、北大氏魯山人が黄泉の国から復活して、呪詛を吐きそうなくらい不味い蕎麦屋がある。なぜ、そんな蕎麦屋が存続しているか?それはその店がアークヒルズの地権者であり、土地を手放す代わりにテナントとしての出店権を獲得したからだ。
もちろん、不味い蕎麦屋を憎む私のようなスマートな人間は訪問することはないが、サントリーホールを訪れる貴婦人方は知らずにその店を訪れ、あまりの不味さに天を仰いでこう言うだろう、「逝ってよし」と。
酩酊しているので、前置きが長くなりすぎた。
本書がそうした私有財産という資本主義のベーシックなルールの代わりに提示するのは、"COST(共同所有自己申告税)"というルールである。これは、常に自らが保有する資産の時価を提示し、その時価に対して税が課せられる仕組みである。税金を抑えたいと思えば、その時価を低くすれば良いが、その一方で、その時価で資産を購入したいと思う他者には抗弁できない。このルールはつまり、資産を最も有効的に活用できる人間に、その資産の所有権が譲渡され、結果として資産活用によるベネフィットが最大化される。先の例でいえば、アークヒルズを訪れる貴婦人たちは不味い蕎麦屋で不幸な目に会うことがなくなる。
こうした点で本書は極めてラディカルな資本主義のルールを示す。もちろん、全てがすぐに実現可能なわけではない。それでも、今後の社会を考える一つの思考の”補助線”として、こうしたラディカルな改革案を知ることは、悪くはない。 -
Posted by ブクログ
経済学者による、地域による繁栄の度合いについて述べた本。イノベーションをキーワードに、現在成功している企業が多数存在する地域が豊かであることをデータを用いて主張している。論理的で面白く読めた。
「ある土地に大学卒業者が多くなれば、その土地の経済のあり方が根本から変わり、住民が就くことができる職の種類と、全業種の労働の生産性に好影響が及ぶ。最終的に、そういう土地では、高度な技能をもっている働き手だけでなく、技能が乏しい働き手の給料も上がっていくのだ」p24
「ハイテク分野の企業が成功できるかどうかは、従業員の質だけではなく、地域の経済環境の質にも左右される。ハイテク産業の盛んな土地にさらに多くのハイテク企業が集まってくるのは偶然ではないのだ」p27
「生産性が向上すると、消費者にとっては商品の値段が安くなるし、労働者の賃金も上昇するが、最終的には雇用が奪われる。雇用の喪失というマイナス面を強調する論者は多いが、労働者の生産性が高まることは、社会が豊かになり、生活水準の向上が実現する主たる要因だ」p54
「雇用の大半は非貿易部門が占めているのに、そうした産業は国の経済的繁栄の牽引役になりえない」p80
「(ザッカーバーグ)「本当に飛び抜けた人材は、まずまず優秀な人材より少し優れているという程度ではない。100倍は優れている」」p92
「(イノベーションのハブ都市の)共通点とは、教育レベルが高く、そのおかげできわめて生産性の高い貿易部門を擁している」p121
「高技能の働き手の数が増えると、それ以外の労働者の生産性も高まる」p134
「格差は拡大しており、そのペースは拡大している。好調な州や都市はますます好調になり、低迷している州や都市はますます低迷するケースが多い」p137
「都市が栄えるためには、充実した文化とリベラルな気風が欠かせない、ひとことで言えば「クール(かっこいい)」な町でなくてはならない」p249
「政府が産業に補助金を支給する政策は、アメリカでもヨーロッパでもあまり成功していない」p272
「変化には、かならず痛みがともなう」p281
「大学進学は、最も割のいい投資の一つだ」p297 -
Posted by ブクログ
目を引くような題名になってますが、金払いのいい人が集まっている都市なら、サービス産業でもそれなりの所得になれるということです。
都市部なら生活コストも上がりそうですが、それ以上に所得の上昇の方が大きく、それはハイテク産業の乗数効果が大きいからだそうです。
都市が発達する条件は、地理的条件が大きかったけど、ハイテク産業が市場を引っ張るようになってからは人的条件が最も影響しています。日本で言えば、渋谷にIT企業が集積してビターバレーと呼ばれていたことが近いです。
優良企業が市場を作り、いい人材と刺激的な交流を求めてさらに企業が集まりそこに雇用が生まれ、ハイクラス人材がやりがいのある仕事を求めて引っ越し、金払いのいい人にサービスを提供するために低学歴も惹きつけられる。そんな流れが都市発達での普遍性あるプロセスになっています。
日本における地方創生を考えてみると、イノベーティブな企業を地方に誘致できるかが鍵になるというところでしょうか。
稼いでいる法人を優遇する政策は一般ピープルから抵抗に遭いがちですが、芸術祭や移住促進じゃなくて、やるべきは優良企業の誘致ってことなんですけど、それって難しいですよね。 -
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ようやく読み終わった。
アウトソーシングによって職を失うこと
アウトソーシングによって、職を失う職種の人々が一番打撃を受ける一方で、一番恩恵を受ける。
➡より安いものが手に入る
➡スキルの持った人が集まる地域にいれば、その会社周辺の町が繁栄し、それによって、新たな雇用が生まれる。しかも高給取りたちから頂くお金であるため、多くのお金を手にできる。
能力のある人のところに仕事が集まるし、お金も集まる。
これを拡大すれば、能力のある人が集まる会社には、お金が集まる。そして、その会社のある地域にはお金があつまる。雇用が生まれる。町が潤う。
能力のある人々はどうすれば生まれるのか。
それは、教育と移民の受け入れである。
移民の受け入れの場合、能力のある人の移民と出稼ぎの移民では、地域に与える影響は大きく変わる。 -
Posted by ブクログ
アメリカの話。
製造業が衰退しても問題ない、イノベーション産業は製造業よりも、自身だけでなく周辺産業を含めた雇用力が強い。故に引き寄せ力が働く。たくさんの人が集まると雇用の選択肢が広まり、エコシステムが生まれる。地元にとどまったままでは年収も抑えられ、良い所にいけば収入も増え、またその土地での住宅の資産価値も向上する。
という話を読んで、考える。
日本では、住宅を建てた時の経済波及効果が2倍ほどあるとされ、新築住宅の補助などがずっと行われてきた。一方で中古住宅の流通は極めて少ない。つまり、一回家を建てたらずっとそこに住め、景気対策には、賃貸の人に家を建ててもらおう、という政策である。「自分」なんて環境で変わるので「自分を変えたかったら」環境を変えろ、とこの前何かで読んだ。移動することが向上の秘訣なのかもしれない。アメリカとは都市の規模感も違うけれど、それでも我が国は、どうも「留まらせる」ことに力を入れ過ぎのような。ただバンバン引っ越せばいい、というのは、プチ・グローバル化の始まりのような気もして、あんまりいい気分ではない。そうして留まれば落ち込んでいく、と。やっぱりさっさと動いた人の勝ちか。 -
Posted by ブクログ
この本がまるっと10年以上前に書かれている事がまず衝撃だった。原著が2013発行らしい。恥ずかしながら自分がどんだけ何も知らぬのかと。しかも2024年の今読んでも全く古くない、むしろ今を正確に予見していないですか?私の知識がアップデートされていないだけですか!?
タイトルが、、、まぁ、たしかにそういう内容なんですが、どう考えても経済学の本。どこに住んだら金持ちになれるのか?とかいう類いの本ではありません。
会社を取り巻く環境でエコシステムっていうワードを初めてきいたのが2017年。イノベーションハブも同時。サイエンスの現場で生態系とかハブとか何の話?ってその当時よくわからまま突然この言葉に巻き込まれたけど、2014年にこの本に出会っていれば(笑)
アメリカは私の思っていた国ではなかった。テクノロジーの世界でのトップランナーであり続けているのは優秀な移民が集まってきているから。大卒者の割合がビックリするくらい低いこと。地域間格差も日本の比じゃないくらい大きいこと。本当に優秀な人はそこそこ優秀な人の100倍優れているというのは、確かに!!っと膝を打ちましたよ。そういう人がゲームチェンジャーたる人なのよね、そんな人ゴロゴロいるわけなくてその人を得るためにまるっと会社を買うなどザアメリカと思いました。
いやぁ、アメリカって恐ろしい国だ、ほぼほぼ単一民族の島国が勝てるわけない。