高橋和巳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ語り口はとても好きなので他のを慎重に選んで読みたいな、と思った。ものすごくきもちわるい?どうしようもない悲しさのような?所と言葉がすごいきれいだな、と思う所があって、難しくしようと思えばいくらでも難しくできるし、簡単にしたらしたで空しいような…これは落ち込んでる時に読めない本だと思った。下巻が手に入らないまま読んだけれどこれはこれでいいのかもしれない。青戸さんが気になるなー…。
「~愛されない嬰児がよく道ばたに寝ころがって足をばたつかせてわめいてるだろう、自分を忘れないでくれってね。醜態だ、それは。そういう場合に心理学者は、泣きわめくのが阿呆くさくなるまで放っておくことにしている。」
「~もし、孔子や孟子が軍勢をひきいて攻めてきたらどうするか。その江戸時代の儒者は答えた。孔子や孟子の教えで戦う、と。気骨のある奴はいることはいたんだ。真の学問とはおそらくそういうものを意味するに違いない。」
「しかし、ずりむけた背中の皮をひきずりながらぞろぞろと救護所に歩いて行った罹災者も、ヨードチンキを爛れた肉塊のようになっている赤児にぬっていた医者も、みな無言だった。君も覚えているはずだ。都会全体が、焼けおちる家屋のたてる物理的な物音以外には、全くの沈黙の世界だったろ。人々には、眼前に起っている情景が信じられなかった。どんな判断も、どんな価値基準も、その現実を裁断することはできなかったからだ。意義づけは、いつも後からやってくる。」
「~愛なんてものはつまり、人間が生きていくのに一番楽な態度であってね。~性懲りもなくそんなことに興味を持つのも要するに彼女たちが怠け者だからだ」
「~人間なんて皆が皆救われようのないエゴイストなんだわ。だから、だからこそ、わたしは自分を捨てて泉みたいに清純に敬虔になって、だれかに奉仕したいと思うのよ。」
「言ったな。~この世の中にはそんな馬鹿げた愛なんてものは絶対ありえず、自分に忠実になれば、それはただちに他人さまへの裏切りになるのがオチだ。虚無にでもならん限り、~それにしてもおれたちは何故こういつまでも阿呆で、無邪気なんかな。」
「権力という奴は、なにも般若面をかぶって、居丈高に棍棒をふりあげてばかりいるとは限らない。じわじわと六年も七年もかかって、集団をばらばらにしておき、一人一人の首を真綿でしめあげていくんだ。~成功すれば英雄だが失敗すれば重犯罪人だからね。~互いに憎しみ合うようになったのも無理はないんだ。」 -
Posted by ブクログ
同じ著者の別のタイトル(子は親を救うために「心の病」になる)の本が気になっていたんだけど手に入れられなくて、こちらの本を選びました。
カバーに表記されてる
「親から虐待を受けた子は、計り知れない心の傷を負う。多くの場合死ぬまで苦しみ続け、最悪の場合、自殺してしまうこともある。どのように親と決別し、自分の人生を歩んでいったらよいのか。…精神科医が指南する親との別れ方」
という文言に興味をそそられたのも、手に取った理由かも。
なんだか教科書を読んでいるようでした。
もう少し読み応えがあると思っていただけに、ちょっと味気ない感じ。
でも新書だから仕方のないことかもしれないよね。。
印象に残ったのは、「脱抑制型対人交流障害」の子がとる行動について。
幼少期に虐待を受けた子が大人(親や養育者)に助けを求めない、近づかないっていう行動をとるのは、想像しやすいし理解もしやすいけど、逆に見知らぬ人にも馴れ馴れしい(人懐っこいレベルではないくらい極端なもの)態度をとる場合もあるっていうのは知りませんでした…でも言われてみれば確かにね、身を守るためにはそうならざるを得ないのかもしれない。。
自分の人生を歩むためには、小学生の頃に親の人生観を学んで引き継ぐことがはじめの一歩になるらしい。
けど、虐待で人生観そのものを学ぶことも引き継ぐこともできなかったり、虐待されてなかったとしても極端な人生観の親御さんの元に生まれた場合とかは大変(大変って書くことの軽さ、でも適切な表現を見つけられない)
あと、子どもの行動の一つ一つが、虐待によるものなのか、それとも発達障害から来るものなのか、見極められる、見極められなかったとしても見極めようと苦心している大人っているのかな?
小学校の先生にその辺りを期待したいと思うけど…
なかなか難しいですよね。
ほんとは大人みんながこういう考えに触れておいた方がいいんだと思う、けどそうもいかないだろうし…難しい。
どの子もみんな幸せになって欲しいよね。。 -
Posted by ブクログ
題名に衝撃を受け手に取ってみました。
内容は少し難しくて、わかるような、わからないような部分もあったけど、涙が出るところもありました。
私自身、親との関係があまり良くなかったので息子とはいい関係を築きたいという気持ちが強いけど、だからこそ、自分の考え方や言動が、知らず知らずのうちに息子に影響してしまうことへの怖さも感じました。
母親のようにはなりたくないと思いながら生きてきたけど、自分が母親になって母と同じようなことをしているなと思うことが増えました。
影響を与えたくないと思っていても、親子である以上、きっと何かしら与えてしまうんだろうなと思いました。
今はまだ息子が3歳だから、理解しきれない部分も多かったのかもしれない。
息子が思春期になった頃にもう一度読んだら、今とはまた全然違う感じ方をしそう。
その頃にまた読み返してみたいと思いました。
親である自分の考え方や言動が、知らず知らずのうちに子どもに影響してしまうことへの怖さを感じた。
自分の影響を与えたくないと思っていても、親子である以上、きっと何かしら与えてしまうんだろうなと思う。
内容は少し難しくて、わかるような、わからないような部分もあったけれど、読んでいて涙が出るところもあった。
頭ではうまく説明できなくても、心には引っかかるものがあったんだと思う。
今はまだ息子が3歳だから、理解しきれない部分も多いのかもしれない。
息子が思春期になった頃にまた読んだら、感じ方が全然違いそう。
そのときにもう一度読みたい。 -
Posted by ブクログ
逆説的タイトルに興味を覚えて購入。これまでに感じることのなかった視点に好奇心を覚えた。親が子に期待するのは自分が求めて得られなかった生き方である、との言葉はそのとおりだと思ったし、自身への戒めのようにも感じられた。
他にも問題は解決できる場合にだけ発生する、という言葉は理解し難いが、自身の境遇を映す面もあったように思える。そもそも最初から解決できない問題は問題にすらならない、という意見だ。何かに満足できないと感じるのは満足の状態を明らかに知っているか、まだ知らないがどこかで感じ、予測しているときだけあである。
子どもへの理解を促進したくて読んだつもりだったが、自身の問題を突きつけられるように感じた本だった。
最後の章である宇宙期なるものは少し理解しづらく、興味を得にくかった。 -
Posted by ブクログ
大学に入って直ぐに大学の生協で入手したのだと思う。
立て看にマルクス文字が踊り、学生運動の余韻が微かに残る時代。折原浩の東大闘争の本を読み、次いで本書を手にした。
副題の「わが内なる告発」というのが痛々しい。
京都大学の助教授時代、学生運動の問題提起を真正面から受け止めた。
そして、痛烈なる自己告発の果てに得られるのは自己解体。
その真摯な姿勢に襟を正さずにはいられない。
しかし、それ以外の道行はなかったのかと暗然とした気にさせてもくれる。
そして、癌に侵される。癌の進行と共に、肉体的にも解体してしまう。
何という激しい生涯。
自己の文学的才能に匹敵する者は三島由紀夫しか居ないと三島をライバル視した高橋は、三島よりも6つも若くして死んでしまった。
彼の「邪宗門」は、来るべきオウム真理教の出現を予言した傑作だ。