高橋和巳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アダルトチルドレンが抱えがちである「私は人とは違う」という感覚を「異邦人」というワンフレーズに要約しており、ドンピシャな言葉選びに驚嘆した。
多くの具体的なエピソードが述べられており、読み進められなくなるほど苦しい話もあった。
周囲と同様に振る舞うことはできても、その行為の本質が分からず、他者と感情が共有できない。
まさに海外に出かけた際に現地人へ抱く感覚と似ている。異国人としての浮遊感。生きる世界が違うのだから仕方がないという諦念。
被虐待児は離人感を抱きやすいというが、今を生きていなければ、人生から時間的一貫性が失われてしまう。私には過去や思い出がない。他者と何の感情も共有していなかったから。
もしかすると、私はもう誰かと感情を共有する生き方はできないんじゃないかと思う。
けれどそんな中でも、自分という存在を知りたいという欲はまだある。
知るということは、離れるということ。
私という存在を俯瞰して捉え、ただそこに「在る」何かを受容できるようになれば、消えそうな自我の輪郭が見えてくるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
臨床心理士への転職を迷っていること、人の感情を分析することに興味があり読み始めた。
まず、心の動きは理論的、科学的なものであることがわかった。感情の移ろいや需要に段階がある。これを知っていると、人の話を落ち着いて聴けることがわかった。
そして担当カウンセラー(看護師資格保持者)が「カウンセラーと看護師は180度頭の使い方が違うんだよ。」の意味もわかった。
看護師は、その場で感情失禁した方に傾聴と共感を行うと習う。カウンセラーはとにかく黙って聴き、最後に質問と評価を行う。本当は看護師もその場で対応するだけじゃなくて心の変化を追った方がいいけど、担当が変わるし他業務が…ってなってしまう。
傾聴の目的が違うのかもなと。看護師への訴えは入院生活中の鬱憤を聞いてほしい、もしくは質問とか。なのでこのスタイルでよき?
カウンセラーへの訴えは問題への解決。
私はカウンセラーに鏡になってもらい、時々こうなんだね、と言われ腑に落ちたことがたくさんあった。たくさんの言葉を見つけた。言葉を見つけた時の爽快感は凄くて、人生の軸や悩んだ時の助言になってる。
ずっともやもやしてたことを、解説してくれた本だった。
感情が言葉に翻訳される時社会的に妥当なものになりそこに含みきれないものは残される。
本当に言いたいことは言葉を超えた感情の中にある。
つまり、言葉でどうにか言い換えてるだけで、本当にしっくりくるものを伝えるのは難しいってことだな、翻訳エラーもありそうやし。その感情をどれだけ引き出せるか。あと、関係ないけど言葉じゃ伝わらないことをわかって芸術家達は言葉以外で世界や感情をみせてくれてるんだろうな。
言葉1つで人生が変わるくらい大切なものだから、それが伝えれるような人になりたい。
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Posted by ブクログ
この本に出会えてよかった。
読む前と読んだ後で、確実に見える世界が変わる。
これまで河合隼雄先生の本を読んでもわからなかったカウンセリングの核心部分が、ロジカルに解明されているのが、本書の大きな魅力です。
これまでコーチングやファシリテーション、コミュニケーションや心理学の本は数多く読んできたつもりですが、そのどれとも違う極意が書かれています。
「聴く技術」を4つのステップに分けて考え、「感情の流れ6段階」とこれに併走する「葛藤の3段階」が解説されている点が素晴らしい。
仕事で人の話を聞く機会が多いのですが、感情の流れを知ることにより、もっとゆとりを持った傾聴ができるような気がします。
また、私自身、理想の自分と現実の自分のギャップに苦しむことがよくあるが、感情のメタ認知が進み、生きづらい時代に新しい海図を手にしたような清々しさ。
平板なコミュニケーションに、時間軸という新たな次元を得た感じ。より豊かなコミュニケーションの道が開けた、そんな印象です。 -
Posted by ブクログ
人の心に近付くほどに深く「聴く」技術やその考えを書いている本書。
ポイントは
1.黙って聴く
2.賛成して聴く
・賛成できないときは悩みを4つに分ける(『人が怖い』『自分を責める』『人とうまく付き合えない』『死ぬのが怖い』)
・応援ではなく賛成
3. 感情を聴く
・感情の階層(不安ー抑うつー怒りー恐怖ー悲しみー喜び)のどの段階かみる
4.葛藤を聴く
・葛藤とは「そうすべき」と「こうしたい」の対立
しかし本書に出てくる例は中々に壮絶で、容易にできるとは思えない。
いいなと思った覚書
・イヤイヤ期は生まれて初めての自己主張。拒絶も選択できるとわかったうえでの、主体的な選択ができるようになる。
・言葉には相反する2つが同時に含まれている
・黙って聴くには「支持、承認の口を挟まない」「復唱・繰り返し・要約しない」「明確化しない」「要点を指摘しない」
・聴き手が口を挟むと話し手が聴き手に影響される
・恐怖の段階に入ると、生き方を変えようとする。それはさながら命綱を放すようなもの。しかし足元に谷はない
・子供には「今日、どうだった?」とだけ聴く。返事がなくてもよい。それが認めるという事。子供の心は変化しやすい
・話す内容に賛成も反対もしない。ただ辛そうな気持ちを聴いたよ。と合いの手を入れる
・怒りは葛藤の『規範』を破壊する力。
・葛藤には「抑うつと不安」「怒りの表出」「悲しみと諦め」ステージがある。特に悲しみと諦めでは葛藤が崩壊し、規範と願望の両側を語りつくし、よくわからなくなる。そうすると、ま、いっかとなる -
Posted by ブクログ
①人は自分を語ることによって、新しい言葉や文脈を見つけ、生き方を変えていく。
②話し手を楽にする聴き方を傾聴と呼び、賛成して聴く、黙って聴く、世界を代表して聴くという三つが大事。
③賛成して聴くとは、賛成と反対の二つの気持ちを同時に持って傾聴すること。
④聴く技術には4つのステップがあり、黙って聴く→賛成して聴く→感情を聴く→葛藤を聴くの4ステップ
⑤人が悩む時には必ず、こうしたい、こうすべきだけれど、そうできないので悩み苦しむという構造になっている。
⑥人の悩み四つに分類される。人が恐い、自分を責める、人とうまく付き合えない、死ぬのが恐い。
⑦感情の6個の階層。不安と頑張り、抑うつ、怒り、恐怖、悲しみと諦め、喜び。
⑧葛藤は自分の生きる規範と現実の感情がぶつかり合う時に生まれる。
9️⃣心の動きはとても論理的。