高橋和巳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子の苦しみは親から受け継いだ苦しみである。だから、親の苦しみでもある。
この言葉は目から鱗だった。
なんとなく、母親と娘の複雑で歪な関係性は、業のような、輪廻していく連続性があると肌感覚で感じていた。そしてそれは生育環境による価値観に由来するものだと思っていた。けれども、この本を読んで、育児の過程に抱えられた親自身の人間としての矛盾が子供に影響していたということがわかり、納得した。とても良い本だと思う。
ただ、親子の複雑性は主に問題を抱えた母親と子供の関係の中で形成されているように書かれているが、母親の状態をつくった“父親”にもメンションするべきだという視点の必要性は投げかけておきたい。
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Posted by ブクログ
この本に出会えてよかった。
読む前と読んだ後で、確実に見える世界が変わる。
これまで河合隼雄先生の本を読んでもわからなかったカウンセリングの核心部分が、ロジカルに解明されているのが、本書の大きな魅力です。
これまでコーチングやファシリテーション、コミュニケーションや心理学の本は数多く読んできたつもりですが、そのどれとも違う極意が書かれています。
「聴く技術」を4つのステップに分けて考え、「感情の流れ6段階」とこれに併走する「葛藤の3段階」が解説されている点が素晴らしい。
仕事で人の話を聞く機会が多いのですが、感情の流れを知ることにより、もっとゆとりを持った傾聴ができるような気がします。
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Posted by ブクログ
人の心に近付くほどに深く「聴く」技術やその考えを書いている本書。
ポイントは
1.黙って聴く
2.賛成して聴く
・賛成できないときは悩みを4つに分ける(『人が怖い』『自分を責める』『人とうまく付き合えない』『死ぬのが怖い』)
・応援ではなく賛成
3. 感情を聴く
・感情の階層(不安ー抑うつー怒りー恐怖ー悲しみー喜び)のどの段階かみる
4.葛藤を聴く
・葛藤とは「そうすべき」と「こうしたい」の対立
しかし本書に出てくる例は中々に壮絶で、容易にできるとは思えない。
いいなと思った覚書
・イヤイヤ期は生まれて初めての自己主張。拒絶も選択できるとわかったうえでの、主体的な選択が -
Posted by ブクログ
①人は自分を語ることによって、新しい言葉や文脈を見つけ、生き方を変えていく。
②話し手を楽にする聴き方を傾聴と呼び、賛成して聴く、黙って聴く、世界を代表して聴くという三つが大事。
③賛成して聴くとは、賛成と反対の二つの気持ちを同時に持って傾聴すること。
④聴く技術には4つのステップがあり、黙って聴く→賛成して聴く→感情を聴く→葛藤を聴くの4ステップ
⑤人が悩む時には必ず、こうしたい、こうすべきだけれど、そうできないので悩み苦しむという構造になっている。
⑥人の悩み四つに分類される。人が恐い、自分を責める、人とうまく付き合えない、死ぬのが恐い。
⑦感情の6個の階層。不安と頑張り、抑 -
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『自分の腐った臓腑をつかみだして投げつけるように、一切の矛盾を極限化し、人に目をそむけさせながら、人の志とはいかなるものか、精神とは何かをあかるみに出して破滅させてみせよう。
すべての思想は極限までにおしすすめれば必ず、その思想を実践する人間に破滅をもたらす。革命を説きながら破滅しないですんでいる、すべての人間はハッタリだ。現代は組織の時代だとはいえ、一個の人間の阿修羅の憤激が、どれだけのことを為しうるか、組織ボケしている人間たちに示さねばならぬ。
平和に馴れ、無一物でありながら、あたかも巨万の富を抱き得ているかのように錯覚し、何かを守らねばならないかのように錯覚している人間たちの精神を根 -
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2歳までに母親に、「安心」と「甘え方」を教えてもらったかどうか、で子供の人生の生き方が決まってしまう。
最初から最後まで、訳のわからない涙が溢れ出てきて止まらなかった。
いつまでも解けない母と子の問題が、母親のタイプ別に事例を交えて、とても分かりやすく1冊にまとめられていると思う。
「愛着障害」=「母子間に愛着関係が成立しなかったこと」
母親の3つのタイプ
●Aタイプ(正常成人の母親)
<愛着障害なし 愛着関係を作る能力◎>
母親は親としての責任を持ち、この気持ちを理解し、共感的に応答し、十分に甘えさせることができる。
子どもは、失敗しても安心して積極的に公園で遊び回る。
(例 -
Posted by ブクログ
ボウルビィの愛着理論がこの本ベースになっている。幼少期に特定の養育者、多くは母親だが、その人物と親密な関係を維持し、感情を共有し、基本的な欲求を満たしてもらうことで、「この世は生きるに値する」という世界への感覚を獲得する。それが愛着理論である。
著者のオリジナルな点は、愛着関係において子どもだけでなく母親の要素にも注目した点である。考えてみれば当たり前だが、世の中には他人の気持ちを察することが苦手な人、他者を無自覚に操作してしまう人などもいる。当然そういった人も母親になることがあるだろう。
その場合に、子どもは幼少期に獲得すべき愛着を得られなかったり、あるいは親に反発することで社会に出てい -
Posted by ブクログ
カウンセリングへ行ったら置いてあったので買ってきた。
たまに、子どもを虐待させて死なせる事件があると、その母親はきっと知能障害かなんかがあるんだろうな、私も何かが違っていたら、この子みたいに夕方のニュースになってたのかな、と思う。
普通の人は許せない、だとか胸が痛む、だとか言うみたい。そしてそういったケースが見逃されたのが残念だとかなんとか言って忘れ去る。
219ページに、「子どもを虐待させて死なせてしまう母親は、子との間に愛着関係を持っていないDタイプ(人間理解に障害のあるタイプ)の母親」とあって、やっぱりそうだったんだなと思った。
私が今日まで生き延びたのは、比較的経済的に恵まれている家 -
Posted by ブクログ
カウンセリングするとき、カウンセラーになるときの
技術が述べられている。
私自身、会社でリーダーをしていると、部下の気持ちを理解すると際、聴く技術がいかに必要か感じる。
私が本書で気づいたことは、
相手が自分で自分の気持ち・感情の言葉を見つける。
聴くとはその手助けすること。
相手の感情にはいくつかのステップがある。
黙って聴くこと、賛成して聴くことは、とても難しい。
だから、上記のことを念頭におくと、ぶれずに聴くことができるかもしれないと思った。
こういう意識で日々生活すると、周りの人間・リーダー・上司が聴くことを疎かにして、相手の気持ちを「さばいている」のを感じることがある。
ゲン