高橋和巳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『自分の腐った臓腑をつかみだして投げつけるように、一切の矛盾を極限化し、人に目をそむけさせながら、人の志とはいかなるものか、精神とは何かをあかるみに出して破滅させてみせよう。
すべての思想は極限までにおしすすめれば必ず、その思想を実践する人間に破滅をもたらす。革命を説きながら破滅しないですんでいる、すべての人間はハッタリだ。現代は組織の時代だとはいえ、一個の人間の阿修羅の憤激が、どれだけのことを為しうるか、組織ボケしている人間たちに示さねばならぬ。
平和に馴れ、無一物でありながら、あたかも巨万の富を抱き得ているかのように錯覚し、何かを守らねばならないかのように錯覚している人間たちの精神を根 -
Posted by ブクログ
2歳までに母親に、「安心」と「甘え方」を教えてもらったかどうか、で子供の人生の生き方が決まってしまう。
最初から最後まで、訳のわからない涙が溢れ出てきて止まらなかった。
いつまでも解けない母と子の問題が、母親のタイプ別に事例を交えて、とても分かりやすく1冊にまとめられていると思う。
「愛着障害」=「母子間に愛着関係が成立しなかったこと」
母親の3つのタイプ
●Aタイプ(正常成人の母親)
<愛着障害なし 愛着関係を作る能力◎>
母親は親としての責任を持ち、この気持ちを理解し、共感的に応答し、十分に甘えさせることができる。
子どもは、失敗しても安心して積極的に公園で遊び回る。
(例 -
Posted by ブクログ
ボウルビィの愛着理論がこの本ベースになっている。幼少期に特定の養育者、多くは母親だが、その人物と親密な関係を維持し、感情を共有し、基本的な欲求を満たしてもらうことで、「この世は生きるに値する」という世界への感覚を獲得する。それが愛着理論である。
著者のオリジナルな点は、愛着関係において子どもだけでなく母親の要素にも注目した点である。考えてみれば当たり前だが、世の中には他人の気持ちを察することが苦手な人、他者を無自覚に操作してしまう人などもいる。当然そういった人も母親になることがあるだろう。
その場合に、子どもは幼少期に獲得すべき愛着を得られなかったり、あるいは親に反発することで社会に出てい -
Posted by ブクログ
カウンセリングへ行ったら置いてあったので買ってきた。
たまに、子どもを虐待させて死なせる事件があると、その母親はきっと知能障害かなんかがあるんだろうな、私も何かが違っていたら、この子みたいに夕方のニュースになってたのかな、と思う。
普通の人は許せない、だとか胸が痛む、だとか言うみたい。そしてそういったケースが見逃されたのが残念だとかなんとか言って忘れ去る。
219ページに、「子どもを虐待させて死なせてしまう母親は、子との間に愛着関係を持っていないDタイプ(人間理解に障害のあるタイプ)の母親」とあって、やっぱりそうだったんだなと思った。
私が今日まで生き延びたのは、比較的経済的に恵まれている家 -
Posted by ブクログ
夢中になって読んだ。
こんなにも迫力のある文章があるものかと。
ただそれだけでよかった。
理想と現実のせめぎ合い、平穏を突き破ろうとする人間の業、華々しい人間劇の中でうろたえ、怒り、諦める名もない人ら。善人も悪人もないもんやなと思った。
正義は諸刃の剣となり、振り翳せはそれだけ自らが傷つく。当たり前のことやがそんな悲劇に突入してゆく主人公は、かつて大王の名の下に、命を果たせなかった名残りを心に抱える。
曖昧な妹とぞの嫂である妻、そして情人との関係を書けていないと、解説は指摘するが、かけてなくていいんだと私は思う。
その曖昧さが、主人公の人間らしさを表している。 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて購入。
発達心理学の本が読みたいと思っていたが、それとは全然関係なく買ってみたら発達心理学について書かれた本だったので、買うべくして買ったんだなと思う。
普通の家庭で育った人と虐待されて育った人のそれぞれの発達段階での行動や感じ方を比較して何故そう言った結果になるのかを「心の法則」としてまとめている。
そして自分を不幸にしてしまう「心の必然性」に気がつけば、それを変えられると説いている。
自分のこれまでの状況と今を読みながら思い返して何度か泣いた。
「安心」について触れているが、自分にはその安心がどの段階でどう言った環境や親の対応だったから無かったのかを理解しやすくなった -
Posted by ブクログ
精神科医である高橋和巳氏による、「心の成長」の解説書、といえると思います。
心の成長には、母親(主な養育者)との結びつきが大切であるがゆえに、タイトルの前半が「親は選べない」となっているのだと思いますが、その結びつきがうまくいかなくても、適切なフォローがあれば、心は健全に成長し得るという意味で、タイトルの後半は「人生は選べる」となっているのだと思います。
とても丁寧で優しさにあふれた本ですし(誤植はちょいちょいありますが(苦笑))、人とつながるための3つの心の考え方や、「葛藤」との向き合い方などは、心が健全に成長している人であっても、心を理解する分解能を上げるために役立つものだと思います。 -
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 聴いてもらうと楽になるのはなぜか~人が話すのは、自分を支えてもらいたいから
第2章 黙って聴く~終わるまでただ黙って聴いてもらうと、安心が広がる
第3章 賛成して聴く~悩みの本質を知れば、心から賛成して聴ける
第4章 感情を聴く~深いレベルに流れる感情を聴くと、心がつながる
第5章 葛藤を聴く~人の悩みの源はすべて、心の葛藤
第6章 自分の心を聴く~自分を聴いて→自己理解すると、自己受容されて→悩みが消える
<内容>
カウンセリングの本。私も少しかじったが、最初の黙って聴くが難しい。講師の方には「あなたは”先生の鎧”を着ている」と指摘された。これはいまだに脱げな