大石直紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
南米チリ。チリに関して知っていることといえば・・・太平洋に面した細長い国。首都はサンチャゴ。
お恥ずかしいが、それくらいです。多くの人がチリについて知らないと思うのですが、いかがでしょう?
1973年9月11日。「サンチャゴに雨が降っています」というラジオからのアナウンサーの一報で始まった軍事クーデター。
どのくらいの人が、それも73年という一昔前にあったというクーデターを知っているのだろうか? もちろん私は小学生でしたが、知りもしなければ知ろうともしていませんでした。
それだけ南米というところは遠く、身近には感じなかったというわけです。
なので本書を読み、チリについてのことなどとても興味深く読めました。
大石氏はアジア、中東、北アフリカ、中南米を放浪し、その時の体験を元に書かれたデビュー作「パレスチナから来た少女」も秀作でした。
本書においてはサンチャゴを訪れた際、約20年ぶりの民主選挙に居合わせたという体験もされ、その時の体験などが核となっているんだそうです。
独裁化においての経験がないので、自由というものが本当に幸せなのかどうかははっきり言ってわかりません。
ある意味、政府によって決められたルールに則って生きていた方が幸せなんじゃないか?と思えることもあるからです。
ま、それはその政府が豊かであるというのが条件ではありますが。
読み物としても、幼馴染との対決や出生の秘密など、読み手を逃さないほどの面白さです。
ヒューマニティ溢れる作品を読むと、いろいろと考えさせられるし、胸が熱くなります。
そんな感動を是非、味わってください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画に比べて岩月さんの存在感が際立っていた。
ということはそれだけイタミンの存在感が薄れていたワケで
その辺りがちょっと残念だったかな。
今までの相棒の映画ノベライズは大概が映画と違う部分があったんだけど
この話はほぼ映画の筋書き通りだった。
違ってたのは映画ではイタミンとふたりだった逮捕劇が
ノベライズでは岩月さんひとりだったってくらいか。
映画を見たときに感じた特命係(特に神戸くん)登場の取ってつけた感が
若干薄れていたのは個人的には救いだった。
被害者の上司を勾留するときに渋滞の車の上を逃げ回るシーン、
映画の中ではなんでいきなりそうなるかが判り難かったんだけど
文章で読んでみて初めてこのシーンがこういうアクションシーンだったか、
また、(特に岩月さんの)メンタルの変化に関わる重要なシーンだったということを
ごく自然に理解できたというか納得できた。
映画を見てノベライズを読んで補完する醍醐味を
ここでもまた味わわせてもらった気がする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ筋を追う、という意味では
今までに読んだ相棒ノベライズの中でいちばん判り易く書かれていたと思う。
言い換えれば、ものすごく淡々と起こった出来事のみをなぞっていったような。
一応は神戸くん視点で話が進んでいるものの
彼の心の動きというようなものはあまり汲み取れなかったような気がする。
実際に映画を見てから2年ほど経つのだが
今回このノベライズを読むことは確認作業に近かったと思う。
ロープで滑り降りる右京さん、首にタトゥーがある男、
朝比奈圭子をエレベータから押し出したときの八重樫の表情、といった
映画での細かいディテールや映像は、読みながら目に浮かんできた。
(神戸くんのシャワーシーンがうやむやに書かれていたのにはちょっと笑った)
純粋に筋を追うのには、このくらい淡々とした筆致の方がいいのかも。
映画をDVDで見つつ補完する、という楽しみ方もありだと思った。
7年前の公安案件と籠城事件の解決まではほぼ映画と同じ流れなのだが
そのあとが映画とは大きく異なっている。
相棒自体がここで終わっていれば何の問題もない終わり方だが
今となってはその後の流れを知ってしまっているので(爆)
あの結末だと齟齬が生じるんだがどーすんだ?、と、いらぬ心配をしてしまう。
官房長の件に関しては本編season9のノベライズでフォローされてるけど
特命を離れた後の神戸くんの異動先がなくなっちゃう(笑)。 -
Posted by ブクログ
映画を観るまでは待とうと思っていたのに、我慢できず読んでしまった(苦笑)。劇場版1のノベライズに比べ、キャラクターの言動に違和感がなく、素直に楽しめた。お馴染みの人物たちが動き回っている映像が脳裏に浮かぶような、読みやすい文章で。また、大河内監察官が大活躍だったのがピルイーターファンとしては嬉しいかぎり。映画では結末が変わるとのことだけれど、かなり念入りに組まれていたように思われるノベライズ版をどう超えてくれるのか。今から映画館に行くのが楽しみだ。(その結果、大河内さんのおいしいシーンがすっぱり切られたりしないかどうかだけが、個人的に心配…。)