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川端康成、中原中也、尹東柱――京都と縁のある文学を題材に、不思議な出会いに翻弄される人々を描く。不良少年の東柱、彼の名前の由来は戦時中独立運動の疑いで投獄された尹東柱だった……。(「東柱と東柱」) 大学生の秀文は、曾祖父と笑顔で写真に写る謎の女性の姪孫を訪ねた……。(「『土曜日』のフランソア喫茶室」) 第8回京都本大賞受賞の著者が紡ぐ、新たな京都ミステリ4編。
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Posted by ブクログ
京都、出町柳、百万遍付近に住んでいたのに、同志社大学とゆかりのある尹東柱、川端康成の『古都』と祇園祭の「七度まいり」、中原中也とスペイン窓、幸神社、フランソア喫茶室と新聞『土曜日』のエピソードは全然知らなかったので、大変勉強になった。
同じ名前を持つふたりの青年と少女 産まれてすぐに生き別れとなったふたごの姉妹 孤独な少年と近所の「おねえさん」 戦争中の大部屋女優と俳優 京都を舞台に すれ違いながらも時を超えて結びつく思いと出会いを描いた4作 ミステリというより人情寄りか
フィクションなのであるが、まるで実際にあったことのように感じた。京都という街には今も昔も特別な空気が流れる。ということをうまく表現している。どれもよかった。
所謂「ジャケ買い」だったが、それを詫びたくなる作品だった。 「東柱と東柱」 1番良かった。史実と創作のバランスが絶妙な塩梅。 何とも言えない読後感。 「京都が愛した姉妹」 都合良すぎる展開にやや閉口。前編が良かっただけに少し残念。 「スペイン窓の少女」 切ない展開だが、オチはちょっと纏まり過ぎ...続きを読むな気がする。 もう少し距離を置いた関係でも良かったのでは。 「「土曜日」のフランソア喫茶店」 一番スリリングな展開で一番ミステリー風味。 ややアクロバッチックな仕掛けだが、すがすがしい読後感。 装丁も含め素晴らしい1冊。
京都を舞台に、文学をテーマにした4編の短編集。有名どころでは、川端康成「雪国」、中原中也。中也が一時住んだ、「スペイン風の窓」と呼んだ窓がある大正時代の家が、今でも京都に残っているらしい。その昔、京都で学生時代を過ごしたが、当時、その家のことは、全然知らなかった。そして、戦時中に同志社大学で学んだと...続きを読むいう韓国人の詩人、尹東柱(ユンドンジュ)、文学ではないが、戦前の京都で発行されていたという反ファシズム紙「土曜日」のことは、今回初めて知った。昭和初期からあるというフランソワ喫茶室には、今度、是非行ってみたい。
京都 大好きな京都が舞台になっている しかし 普段手に取らぬミステリ系小説 それでも 文学×京都 なんと素晴らしい組み合わせ 思わず手が伸びる 昔と今と 不思議な巡り合わせ 繋がる事実 がっつりミステリでないところが またゆるっと読みやすかった
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