安達千夏のレビュー一覧

  • モルヒネ

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    ただただ、
    泣きながら読んだことを覚えている。

    モルヒネという言葉が
    鎮痛薬であることは分かっていて読んだ記憶もある。

    また読んでみようかな。
    泣きたいわけじゃないけれど、
    あの時の私と、今の私は
    痛みの感度が随分と変わった気がする。

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    2025年02月18日
  • モルヒネ

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    読んだのは3度目ですが、やっぱり好きですこの小説。
    ただ3度読んでも、恋愛小説といえるほど恋愛が主題になっているとは思えない(笑)

    どちらかといえば、尊厳死や安楽死について考えさせられる話だと認識しています。
    わたしもあんな風に、毅然とした態度で人を看取ることができればと思うけど、きっと愛する人にはどんな形でも長生きしてほしいと延命措置を望むのだろうなあと毎回考えてしまう。

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    2014年10月27日
  • かれん

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    地球儀をぐるぐるまわして、ボーっと眺めたくなる、そんな小説。

    人はみんな、現実と幻想のあわいで生きてる

    そうだなぁ・・・と思った。

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    2012年02月16日
  • 見憶えのある場所

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    これはすごい。なぜこれが芥川賞候補にも上がらなかったのか不思議なくらいだ。

     結婚することで総合職エリートの道を絶たれ、子どもを産むことで会社を辞めた母に育てられた娘の物語。見憶えのある場所とは虐待を受け、ことあるたびに「あなたを産まなければよかった」という叫びが染み付いた家だ。
     こう書くとどろどろした親子の物語になってしまうけれど、その特異な文体が淡々と冷静に語る世界はだからものすごくリアルで、テレビドラマでは到底描ききれない、ちゃんとした劇団の舞台でならあり得るかなと思った。

     内容より文章の一つ一つがすごいのだ。どこを切っても深い。

        自ら母親となることでふたたび菜穂子の子

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    2011年05月09日
  • あなたがほしい je te veux

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    とても好きな作品。

    カナにとっての「家」の意味。
    ただの箱、と切り捨てていても。
    自分には到底手にはできないもの。

    「私には二人もいる」
    終わり方もすき。

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    2009年12月14日
  • あなたがほしい je te veux

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    バイセクシャルな女性が、ほんとうにほしいと思う人と、ほんとうに大切にしたいと思う人を実感していく過程を描いています。
    私自身は女性とのセックスには興味がない、というのと、歳をとったからなのかセックスそのものの悦楽というのは20代でおいてきたような感じがするので、官能の相手(ほしい相手)と心の相手(大切な相手)が一人の人であって、そういう人と溶け合うような人がほしい、と思ったりしました。

    抱きしめるだけでもいい、キスするだけでもいい、髪に触れていとおしさを感じる。それだけで充分、官能的だと感じる。そして自然の空気の流れのように抱き合うことになるならば、男女のどちらかが支配的になるようなセックス

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    2009年10月04日
  • モルヒネ

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    ネタバレ

    切なかった。
    姉が死んだ真紀の気持ち、婚約者に無意識的なのか他の男性に執着されている長瀬の気持ち、かつての恋人に会いに来たが最終的には1人を選んだヒデの気持ち。

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    2024年01月13日
  • モルヒネ

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    ネタバレ

    決して明るい本ではないが、感情移入できた。
    ヒデが何故現れたのか、きっとこれが全てではないんだろうけど、32になるまで死ねないように、邪魔された。
    伏線に気づかず、、悔しいけど衝撃泣いた

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    2021年06月17日
  • モルヒネ

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    評価が分かれるタイプの本ですが、私は好きです。

    自分の心の暗い部分に引きづられながら、人生を謳歌することも能動的に死ぬこともできない毎日を送っている人は実は少なく無いのでは無いでしょうか。

    そんな人にとっては良い本だと思います。

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    2020年06月09日
  • モルヒネ

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    昔から気になってた本で、、やっと読んだ。
    想像していた内容とは感じが違った。
    最初のうちは、なんか分かるって思てたけど読むうちに分からなくなり‥
    難しかった。
    ちょっとダークな感じ。

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    2019年09月26日
  • モルヒネ

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    死について考えさせられる小説。
    所々の比喩や、真紀とヒデの会話のやり取りの描き方が
    上手いなと感じた。

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    2018年06月26日
  • あなたがほしい je te veux

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    始まりを思わせるラストが、雰囲気とともにとても印象的で、いい終わりでした。
    斜に見がちの主人公が、とても臆病で繊細な思考が好きです。

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    2015年11月29日
  • モルヒネ

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    「うずくまって泣きました。。。」
    というポップに惹かれて衝動買い。
    でも読んだあと「違う」と思った。

    なんだろ…
    うずくまって泣く、というような外的な行動には昇華されないと思うんだけど。
    もっと内的な「痛み」のイメージ。
    一人で心の中で感じて、耐える、痛み。


    私はカタい文体とか白黒はっきりするものが好きだから
    こういう叙情的でふわふわした文章は苦手なんだけど
    これはすごくよかった。
    「死」の暗さと恋愛のせつなさが重なって、
    どうしようもない思いにかられる。
    かなりの変化球だけど、
    やっぱり「恋愛小説」だと思った。私は。


    『モルヒネ』。
    タイトルがいいね。
    この言葉の持つ重い印象とか苦

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    2013年03月31日
  • 見憶えのある場所

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    ネタバレ

    シングルマザー。

    決して労働条件の良いとは言えない職場で
    理不尽なことにも耐え仕事をしながら娘の千草を育てるゆり子。

    母である菜穂子は、過去の栄光に縛り付けられ
    これから飛び立っていく子供たちに嫉妬し、幼かったゆり子に暴力や嫌味は日常茶飯事だった。

    家にしがみつく母と、それを捨てていった家族。

    子供の頃、親っていうのは絶大なる存在だけど
    親はそれを都合のいいように利用したらいけないよね。

    たとえ親子であっても別の人間であるんだ。
    自分が受けてきたことを、無意識の中で子供にしてしまうのは怖いよね。

    ゆり子が今も狂う母にたいしてやけに冷静で、千草に自分なりの愛情を注いでやれるようになる

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    2013年02月22日
  • モルヒネ

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    無音がよく似合う。
    この本を読んだ人はちょっと不思議に思うかもしれないが俺にはこの本を読んでいて常に無音を感じ続けた。それは真紀の心なのかもしれないと感じた。どこか音のない世界にただいるだけのために生きていく真紀。その世界に唯一存在を感じることができたヒデとの間にいろいろな想いが伝わってきた。
    完全に俺の感性だけどなwでも、二人の関係性にちょっと惹かれたりもする。ただそれでも俺は長瀬のようにしかなれないと思う。そんな中で読者としてみるとどこか不思議な魅力があったりして。
    個人的には難しい話だと思うしちょっと読みにくいかも?ただ考えさせられることもがかなりあった。どこか共感できないところもなぜか

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    2012年12月05日
  • モルヒネ

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    在宅医療の医師、真紀の前に、もと恋人が7年ぶりに現れる話。
    しかし、その元恋人は余命3ヶ月の末期癌であった。

    末期癌患者の疼痛緩和で使われる「モルヒネ」を話の軸としてストーリーが展開し、愛と、残りの命を考える作品でした。

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    2012年05月04日
  • かれん

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    何故か弱いんだ、この人の文章は。
    悲しくも何ともないくだりで、いつも涙ぐんでしまう。

    何故だろう。

    もちろん胸を締め付けられるような清冽な痛み漂う文章も、この人の持ち味なんだけど。

    この人の紡ぐ言葉に、織りなす世界に、私の涙腺を刺激する何かが潜んでいるらしい。

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    2012年03月04日
  • マキリ

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    ネタバレ

    安達千夏は少し腕を上げた。

    これは、生きることに不自由さや怒りを感じる女の話だ。古事記や八犬伝や即身仏というモチーフを絡めながら、男の視点に立って描かれていく。古事記も結局は男の視点に立っていたように。
    身勝手を身勝手とも思わない男の一般論に対して、女として生きることの不自由さはしばしば隠されている。男女共に、鈍感になっているのか、気付かない振りをしているのか。いずれにせよ、安達千夏は竜子に、私は生きているのだ、と言わせる。騎寅の論理、イザナキの論理。それに竜子は反旗を翻す。男の論理で形作られたこの世界そのものに、魔斬りを向けるのだ。
    愛など信じない。否、そんなものは初めから存在してはいない

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    2011年05月14日
  • マキリ

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     目覚めたときに自分が死体だと思うという異色の展開です。

     こういうありえない設定を読ませてしまう力量、やはりタダモノではないと思われます。なぜヤング向けの作品と違うのかと考えてみますと、イザナミ、イザナギの話とか、即身仏の話とか戦争体験とか使われる素材が違うのですねえ。



     マキリというのはマタギとかが使う大きめのナイフです。目覚めた男は血まみれですが、どこも怪我をしていません。連続ナイフ傷害事件の犯人に襲われて、その犯人を殺してしまったようです。自分の目には死体にしか見えない体は、他人には普通に見えるらしく、男は地震の被害にあった故郷、山形に戻ります。そこには昔の恋人が鍛冶屋の父親と

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    2011年01月24日
  • マキリ

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    導入部からの連綿とつづくミステリアスな流れに引き込まれついには一気読み。

    最後の一ページ、これを描きたいがために作者は描き続けてきたのだなと同じ女性として納得。

    ホラー恋愛小説というか、民俗学的な小説でもありました。

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    2010年11月15日