ティムール・ヴェルメシュのレビュー一覧
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面白かったが、それだけだろうか
面白かったが、それだけではない。
この物語での(主義、思想の面はともかく)彼の行動の面では
大きな問題となるようなことは行っていない。
彼がヒトラーとなったとき
誰がヒトラーを生み出したことになるのだろうか。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ難民、政治家、ドイツのテレビクルー、ジャーナリストなど、様々な立場の人間の視点で描かれているところが面白かった。
難民を被害者や弱者に仕立て上げ、遠く離れた所からドラマを見るように傍観する、全てのふつうの人たちに向けた痛烈なメッセージを感じた。
ドラマを仕立て上げるのはメディアだとしても、それ望んでいるのは世間なのだから。
難民もこの小説では単なる被害者として描かれてはいない。この小説に出てくるどの立場の人間も、究極的に最終的には自分のことしか考えていない。
それがすなわち自分も含めて人間の本質なのだと思う。読んでる間中何度も「どうしょうもないじゃん」「そうするしかないよね」と脱力して -
Posted by ブクログ
ともかく第二次大戦のほとんど全ての問題をヒトラー及びナチスに負わせているわけだ。ムッソリーニ及びイタリアは、途中で降伏して、内部告発で減免されたかのようで。
そんなこんなだから、まぁナチスのネタとヒトラーのネタはざっくりおいしいネタということで、いくら悪事を働かせても大丈夫。従軍慰安婦問題とかにも通じるものがあるねぇ。
でも今回はヒトラーのちょっといいところも探してみようネタなんであって、そりゃアンチとして再評価があっても良い頃だよね。もはや戦後ではないというか。
まぁ多分に美化されてるところもあるんだろうけど、この自信というか、引っ張っていく力は参考になる面もあるんではないか。ヒトラーが成り -
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Posted by ブクログ
ヒトラーが現代に現れたらどうなるのか?フィクションながら非常にリアリティのある風刺小説。ヒトラーをどこまで笑いものにできるのか?著者にとってはいわば挑戦的な主題だったと思うが、個人的にはよく出来た作品だと思った。攻めた表現描写も見受けられるものの、「2度と繰り返してはならない歴史」が現代社会に起こりうる予感を抱かせ、今日の社会情勢にも通づることからその危険性に対して警鐘を鳴らす。読み込めば読み込むほど
一方で多くの批判もなされているように、批判検証の余地もあるように感じる。ヒトラーに少し人間味があるような描写だったり、ポップすぎる振る舞いには多少違和感も。 -
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Posted by ブクログ
もしヒトラーが現代のドイツに蘇ったとしたら、、という設定の仮想小説。復活後戸惑いながら日常生活をしているヒトラーが、ひょんな流れからテレビ番組のディレクターの目に止まり、お笑い芸人としてデビューすることに。その過激な発言が(本人の意図とは別に)ブラックジョークとして視聴者に受け、国民的人気を得る。マスコミも味方につけ、ふたたび政治家として一歩を踏み出そうとするところで小説は終わる。
著者によるとドイツではヒトラーをコメディの題材にすることは大タブーであり、本書も多大な批判にさらされながら刊行されたそうだ。作品中でも、お笑い芸人として人気を得たヒトラーに対し、「お前がしているのは芸ではなく人種差 -
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Posted by ブクログ
2012年にドイツ出張に行ったとき、フランクフルト空港駅の本屋に山積みされていて気になっていた本。
2011年8月、突然路地裏で目を覚ましたアドルフ・ヒトラーは、キオスクに置かれた新聞を見て驚愕する。ものまね芸人と誤解されつつテレビに出たところ、たった1回でネットで話題となり、人気者になってしまうのだが…。
筒井康隆か小松左京か半村良か、他の作家にでもありそうだが、なんだか読んだことのあるプロットをベースに、軟弱化した現代の生活を斬るというストーリー(少なくとも上巻は)。過去に読んだ戦国武将だかが復活する話だと、周りの人間が主人公だが、本作はヒトラー自身が主人公である。
しかしこのヒトラ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ真剣に国と国民のことを考えるヒトラーと、彼の言動をギャグだと受け取る現代ドイツ人。というすれ違いギャグのコメディ。
上巻は芸人としての第一歩を踏み出したところで終章。
独裁者を作るのは行き過ぎた愛国心だというのをどこかで読んだが、この作品のヒトラーはまさにそんな感じ。なんでそんなポジティブに前進できるの。
結構失礼なことも言うが、言い方と彼の態度が言われる側を笑わせる結果になっている。
ユダヤについては、「ユダヤの陰謀!」と彼が考えることはあっても、ユダヤをあからさまに罵倒・差別する言動はない。
後ろに結構な数の注釈が乗っている。
一緒に仲間がタイムスリップしてきてないかなあ、 -