ティムール・ヴェルメシュのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ヒトラーが2011年のドイツに、どういうわけかよみがえる。
人々は最初当惑しながらも、そういう芸風のコメディアンだろうと「善意に」捉えていく。
70年近くのブランクがあって、突然やってきたヒトラー自身も、現代社会に大いに戸惑っているのだが、実は読んでいる自分自身も相当戸惑った。
抱腹絶倒のコメディ、らしいのだが、ドイツの状況がよく理解できていないため、今一つ乗り切れない。
翻訳者の森内さんが苦心に苦心を重ねたヒトラーのモノローグも、ああ、きっとそんな風な言葉遣いになるんだろうな、と思うばかり。
そのミミクリーを楽しめるほど、こちらが成熟していないというか。
それでも、途中で読みやめようとは -
Posted by ブクログ
映画を先に観て面白かったし、原作だと結末などが違うと聞いたので読んでいます。
現代に蘇ったヒトラーが文明の利器に翻弄されてるさまはなんだかかわいらしくみえて笑えます。
ですが、やはりヒトラーはヒトラーですから思想が相容れないというか恐ろしいところがある。
暴走運転は良くない、など真っ当にいいことも言ったりするのですが、どうも戦争や民族のこととなるとやはり怖い。
なので小説として面白いは面白いのですが、面白いと言ってしまっていいのか困ります。
あと、私にもっとドイツの戦争時代と現代の知識があればさらに楽しめるんだろうなと思って自分の知識不足が悔やまれます…。
なんにせよ下巻も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
まずはとにかく、なんと言ってもおもしろい。とくにヒトラーが眼を醒ましたあと、現代の社会に順応するまでのくだりはまるでアンジャッシュのすれ違いコントを見ているようで、腹が捩れるかと思ったほど。「マインスイーパー」にハマるなど、ときどきどうしようもなくお茶目な部分が垣間見えて、そこがまたすごくおもしろい。ただ、本作は単純なコメディではない。元来が政治家を扱っているだけあって、やはり全体的に諷刺の雰囲気が流れている。ヒトラーの演説内容にしても、今日では的外れだったり、またいかにも「ヒトラー的」だったりする、差別的言辞に満ちたものももちろんすくなくないのであるが、しかし、現代になってもちっとも古びてい
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Posted by ブクログ
ネタバレヒトラーが現代のドイツにタイムスリップし、ヒトラーそっくり芸人としてテレビに出て大受けするのがあらすじ。ヒトラーを一人称として物語が進行するため「ヒトラーがどのように世界を見てたのか」というところが読み応えがあるポイント。
「おそらくドイツ人ならもっと楽しめるんだろうな。。。」と思える、よくわからない描写が多かったりして楽しめないところが多かった。
ずっとトルコ人女性が多いという描写があって何のことを言ってるんだろうと思ったら、目元を黒くするヘビメタ風メイクをしている女性のことを言っているのか、とか。
ヒトラーの抱く感想には、結構共感するところもあるのだが、所々全く共感できないポイントがあ -
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Posted by ブクログ
第二次大戦当時、自殺したとされたヒトラーが70年後の現代に蘇り、当初は本人似のコメディアンとして認知されるものの、メディアを通じて次第に人気が出て行って…という話。
読んでて面白いのに、読みすすめていく内にとんでもなく不安になる不思議な小説。
その不安は①そもそもヒトラーの話を面白おかしく読んでしまってる自分がいるけどいいのだろうか?②ドイツやイスラエルの読者はこれ読んでどんな気持ちになるんだろ?③これはヒトラーの事例だけど、似たような状況が知らぬ間に起こり得るってことだよね?、といった具合に様々な思いが入り混じって押し寄せてきます。
巻末のニューヨークタイムズの書評やイスラエルでの版権を獲得 -
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