ティムール・ヴェルメシュのレビュー一覧

  • 帰ってきたヒトラー 上

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    訳者があとがきで書いているように、研究書ではないので長い注を書けず、と。

    そのおかげで、彼がブレイクするきっかけとなった芸人がトルコ系であるということも途中まで気づかず。

    最後に、ヒトラーが恋心をいだく看護婦は、もしかしたらユダヤ系を示唆する名前なのだろうか。

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    2018年03月10日
  • 帰ってきたヒトラー 上

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    テーマは、ポピュリズムの危うさ。

    現代にヒトラーが生まれ変わっても、同じように熱狂を受けてのし上がってしまう恐怖。

    しかし、トランプやBRIXITなど、
    常に人々は変化を求めていて、
    間違った選択や危険な選択をする可能性は高い。このヒトラーが持ち上げられていく様を誰が笑えるのか。

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    2017年11月14日
  • 帰ってきたヒトラー 上

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    ヒトラーが2011年のドイツに、どういうわけかよみがえる。
    人々は最初当惑しながらも、そういう芸風のコメディアンだろうと「善意に」捉えていく。
    70年近くのブランクがあって、突然やってきたヒトラー自身も、現代社会に大いに戸惑っているのだが、実は読んでいる自分自身も相当戸惑った。

    抱腹絶倒のコメディ、らしいのだが、ドイツの状況がよく理解できていないため、今一つ乗り切れない。
    翻訳者の森内さんが苦心に苦心を重ねたヒトラーのモノローグも、ああ、きっとそんな風な言葉遣いになるんだろうな、と思うばかり。
    そのミミクリーを楽しめるほど、こちらが成熟していないというか。

    それでも、途中で読みやめようとは

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    2017年10月08日
  • 帰ってきたヒトラー 上

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    映画を先に観て面白かったし、原作だと結末などが違うと聞いたので読んでいます。

    現代に蘇ったヒトラーが文明の利器に翻弄されてるさまはなんだかかわいらしくみえて笑えます。
    ですが、やはりヒトラーはヒトラーですから思想が相容れないというか恐ろしいところがある。
    暴走運転は良くない、など真っ当にいいことも言ったりするのですが、どうも戦争や民族のこととなるとやはり怖い。

    なので小説として面白いは面白いのですが、面白いと言ってしまっていいのか困ります。
    あと、私にもっとドイツの戦争時代と現代の知識があればさらに楽しめるんだろうなと思って自分の知識不足が悔やまれます…。

    なんにせよ下巻も楽しみです。

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    2017年06月08日
  • 帰ってきたヒトラー 上

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    まずはとにかく、なんと言ってもおもしろい。とくにヒトラーが眼を醒ましたあと、現代の社会に順応するまでのくだりはまるでアンジャッシュのすれ違いコントを見ているようで、腹が捩れるかと思ったほど。「マインスイーパー」にハマるなど、ときどきどうしようもなくお茶目な部分が垣間見えて、そこがまたすごくおもしろい。ただ、本作は単純なコメディではない。元来が政治家を扱っているだけあって、やはり全体的に諷刺の雰囲気が流れている。ヒトラーの演説内容にしても、今日では的外れだったり、またいかにも「ヒトラー的」だったりする、差別的言辞に満ちたものももちろんすくなくないのであるが、しかし、現代になってもちっとも古びてい

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    2017年01月28日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    うわべだけのポリティカル・コレクトネスで、本書も読まないままにタイトルと、それが持つイメージだけで追いやってはいけないだけの内容がある。
    今の世界を覆っている(と我々が思っている)民主主義なるものは、「ヒトラー」が持つ世界観とその世界観からの再解釈を拒否できる自浄作用を持っているだろうか。

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    2018年10月19日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    上巻ではコメディーキャラクターとして物語の中で登場していた、ヒトラーが徐々に大きな影響を持ち世間を巻き込んでいく。

    ここまでヒトラーにスポットを当てて現代におりまぜ、物語として成り立たせるには大変なヒトラーへの関心、歴史的な立ち位置、現代について知識がなければ描くことはできないだろう。
    読めば歴史の授業だけでは感じられないヒトラー感を得ることができると思う。

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    2024年05月26日
  • 帰ってきたヒトラー 上

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    ヒトラーが現代に蘇ったファンタジー。いろいろとユーモアたっぷりで、史実を知っていたらより楽しめるのだろう。パターンが同じ感じになってきて、下巻の途中でやめている。

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    2024年03月11日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    ピンチを乗り越え先行きは明るい、総統たちの戦いはこれからだ!
    なんて凄く前向きな終わり方…なのに、と言うかだからこそ、と言うか後味は悪い…!
    ドイツ史をちゃんと分かってたらもっと面白く読めるんだろうな

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    2024年02月12日
  • 帰ってきたヒトラー 上

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    2011年の世界の、ドイツの常識を1945年のナチスドイツの常識で解釈しようとすることによって起こる齟齬、みたいな下りが繰り返されるのだけど、自分の世界史や2010年頃のドイツに対する知識が足りないせいで面白さが分かりきれていないのが何とももどかしい。
    現代に復活したヒトラーの奮闘ぶりに思わずソートー頑張れ!なんて無邪気に思ってしまうので、ナチズムとかホロコーストとか改めて調べてバランスを取らないと

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    2024年02月06日
  • 帰ってきたヒトラー 上

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    現代にヒトラーが降臨。
    茶化してよいのか、笑って良いのか。史実すらも信用ならないヒトラー像。
    コミカルな展開に導かれるがまま上巻終了。
    帰ってきたヒトラーはインターネットの世界に足を踏み入れることに…。

    下巻へ。

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    2023年02月25日
  • 帰ってきたヒトラー 上

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    現代にひょっこり現れたヒットラー。何かのパフォーマンスと思う人々の勘違いをそのままにテレビの寵児になっていく。その演説内容は意外と府に落ちるところもあって、噛み合わない会話が機能している面白さ。ただドイツの歴史にもう少し詳しければもっと楽しめただろう。

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    2022年05月12日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    原題 ER IST WIEDER DA

    けだし、ヒトラーは難しい。

    ドイツの崩壊を目の当たりにしながら、なにひとつぶれずに「彼はまた戻ってきた」というのは…反省はあっても後悔はなく、迷いもなく決断し行動力も1945年そのままに。

    彼の言動を現在の人たちがいいように勘違いして物語が転がっていく。なんとか〝1st〟ではなく〝only〟を叫び、人々が彼を求めた1935年もかくあるかのように…?

    という危険が最後までつきまとう。同じことは起こり得るのか?という不安も。

    肝心な部分が曖昧なままなのは意図的なのか。茶化される日は来てほしくない。

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    2021年12月12日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    下巻は、上巻ほど突飛な展開はない。想像できる範囲のものである。ヒトラーが現代においても大きな力を持ったとしたら、どのような国へ変わっていくのか。なんとなくそのような淡い期待のようなものを抱いてしまった。黒い歴史を作り上げた過去のヒトラーと、現代をユーモアに生き人々を魅了していくヒトラー。常にそのどちらにも視点を移しながら読み進めていく、新しい読書体験だった。

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    2021年05月28日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    ネタバレ

    ヒトラーが現代のドイツにタイムスリップし、ヒトラーそっくり芸人としてテレビに出て大受けするのがあらすじ。ヒトラーを一人称として物語が進行するため「ヒトラーがどのように世界を見てたのか」というところが読み応えがあるポイント。

    「おそらくドイツ人ならもっと楽しめるんだろうな。。。」と思える、よくわからない描写が多かったりして楽しめないところが多かった。
    ずっとトルコ人女性が多いという描写があって何のことを言ってるんだろうと思ったら、目元を黒くするヘビメタ風メイクをしている女性のことを言っているのか、とか。

    ヒトラーの抱く感想には、結構共感するところもあるのだが、所々全く共感できないポイントがあ

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    2020年08月23日
  • 空腹ねずみと満腹ねずみ 下

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    近未来、アフリカからドイツまでの難民の行進。盛り込み過ぎのおぞましい結末。シニカルさとコミカルさをないまぜにしたスラップスティック。

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    2020年07月26日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    自殺する直前のヒトラーが現代にタイムスリップしたら...というお話

    誰もが悪人として知っているヒトラーが、その信念と思考力を現代社会で発揮したら、行うであろう思考と
    戦時の状態を引きずったヒトラーと現代の市井の人々のギャップとすれ違いが面白い!

    ただし、100%理解をするにはトルコ移民などの現代のドイツの問題と、ナチスの知識を持っていた方がよいと思う。
    時々?となる箇所がある

    映画も観たが、こちらの方がコミカルに書かれていてメッセージが分かりやすいのでこっちから入るのもオススメかもです。

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    2020年06月14日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    第二次大戦当時、自殺したとされたヒトラーが70年後の現代に蘇り、当初は本人似のコメディアンとして認知されるものの、メディアを通じて次第に人気が出て行って…という話。
    読んでて面白いのに、読みすすめていく内にとんでもなく不安になる不思議な小説。
    その不安は①そもそもヒトラーの話を面白おかしく読んでしまってる自分がいるけどいいのだろうか?②ドイツやイスラエルの読者はこれ読んでどんな気持ちになるんだろ?③これはヒトラーの事例だけど、似たような状況が知らぬ間に起こり得るってことだよね?、といった具合に様々な思いが入り混じって押し寄せてきます。
    巻末のニューヨークタイムズの書評やイスラエルでの版権を獲得

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    2019年03月21日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    ネタバレ

     終わり方が打ち切り漫画みたいだった。続刊ありますと言われたら信じるくらいアッサリ。
     実際彼がしたことはそんなにないし、周囲の人間に影響を与えた程度で、国民にどれほど人気になったのかもよく分からなかった。
     もう一度総統になるのは現実の風潮が許さないだろうし、人気芸人の頂点に立って終わるのは本人が満足しないだろうし、この終わり方が妥当なのか?
     前編ほど面白くなかった。

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    2018年06月10日
  • 帰ってきたヒトラー 下

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    上巻ほどの楽しい読後感はない。変わらぬブラックユーモアなのだが、どこかで「ホントに良いの?」「この小説が許されるドイツ国内外の環境とは?」など余計なことを考えてしまう。ちなみに「ひぐ本棚」のカテゴリでは「娯楽」でなく「教養」にした。

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    2018年06月02日