林啓恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先に映画をアマプラで観て、あまりに良すぎて原作も読みました。他の方も仰ってますが私は映画が先で良かったかな。
原作小説はとにかく登場人物が多いし政治や人物のバックボーンも細かく描かれてるので飲み込むのに時間がかかります。
それでもややこしさとか取っ付きにくさはあまり無くて、若い主人公2人を中心にフランクな会話が多くてメールのやり取りも読めるので意外と読み進めるのには苦労しなかったです。
映画はほんとに優秀な(原作の)エッセンシャル版という感じで、これだけでも十分だけど作品やキャラクターへの解像度を上げたいなら原作も絶対読んでほしい!
個人的には映画でアレックスが母にカミングアウトするシーン -
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Posted by ブクログ
ネタバレ被害者のその後を描いた作品(ルームとか、棺の女とか)が好きで結構読んでるのですが、少し毛色が違って、被害者の娘さんのお話。ややオオカミに育てられた子ども系の要素あり。
ヘレンがリアリティがあって、本当に存在するこんな背景を持つ人かと思うほど。両親に対する冷静な評価と、拭いきれないこもごもが丁寧に描かれていて、キリキリしながら読みました。
父親が母親を(逆も同じだけど)軽んじている家庭で子どもが育つことの怖さがさらっと描かれていてゾワっとしました。それでも幼いヘレンが良いと思うことをしようとする逃走の場面がとても良い。クライマックスよりも心に残る。
それにしてもこれは、もはや犬小説。。自然と -
Posted by ブクログ
ロマンス小説か。BLか。と読み出せば、ロマンス小説だしBLなんだけど、アメリカ大統領の息子アレックスとイギリスのヘンリー王子のロマンスに並行して大統領選挙が絡んでくる。物語はアレックス目線で進んで行くので大統領選挙側からして、息子とイギリス王子の恋愛なんて、ちょっと待ったどころの話ではない。この2つの事象が絡み合って物語が進んでいく中で、肌の色や国籍、性別やパワハラ問題なんかもさらっと絡んでくる。二人の甘くて苦いだけではないところが面白くてどんどんページをめくってしまう。そしてそんな一筋縄では行かない恋をサポートする周りの人々がとても魅力的で楽しい。いや、クレイジー。予告動画が出ているが、映画
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Posted by ブクログ
ウルトラハッピーレズビアンロマンス小説!!!!!
650ページ越えを感じさせないぐいぐい読ませる筆力、時代を的確に捉える描写、そして魅力的なキャラクター!!
最高でした……!!!!!!!
作者誰!?と思ったら『赤と白とロイヤルブルー』の人!?
貴方でしたか!!!!!!
ロマンス描写が(私にとっては)大分濃厚で途中お腹いっぱいになりかけたが、レズビアンロマンス小説がまだまだ少ない世界なのだから、これくらいやるのは当然っしょ!?という姿勢がほんとに推せる……。
好きなシーンは色々あって決められない!!
でも敢えて挙げるならやっぱりオーガストが恋に落ちた瞬間かな。
とてもとてもロマンチックで天を仰 -
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Posted by ブクログ
イギリス王室や日本の皇室での出来事を思うと、全くの“ファンタジー”というわけでもないかなと思える作品。
イギリス王子の皇室離脱や、好きな人と結婚したはずなのになぜか最後まで国民の理解を得られなかった日本のプリンセス…。でもしっかりとどちらも自分の思うままにできたという部分で、このお話もファンタジーではないと思った。
というか、この作品は2016年にトランプが当選しなかった場合のwhatif的に見ることができるほど、背景は現実的。作中で語られる映画や音楽も実際にあるものだし、2人のダンスシーンで描写されてるエルトン・ジョンの「Your Song」は思わずかけながら読んでしまった!
正直、私は -
Posted by ブクログ
挿入話のアンデルセン童話「沼の王の娘」は、アンデルセンらしく一癖も二癖も読みようによって変わる、およそ“童話”らしくない物語。
その物語を副旋律として作家は現代の問題点を「束縛という最強の暴力の中から生まれた娘」の話を創作した。
ネイティブアメリカンのような生活を描き、あたかもアイデンティティの相違を理由としているように見えても、実は一人の男のエゴから生まれた悲劇であることを描き忘れてはいない。
生まれた娘は、与えられた環境の中でしか判断できないことから当然に善悪の理解は世間と相違する。前半の「ふりかえり」は、そういった意味からとても重要な悲劇の描写。
物語の後半に入り、大切な家族を持ったこ -
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Posted by ブクログ
初の女性アメリカ合衆国大統領の息子と、イギリス王室の王子。不仲だったはずの二人が国の為に親交を深めるところから始まるラブロマンス。
ビッグカップルによるスーパーハッピーエンドで頭を空っぽにして楽しめる。けど決して中身がないわけじゃなく、ビッグカップルで各々の立場があるからこそ、各々の人生やルーツについての描写と解釈があり、周囲の影響因子についても楽しむことができた。勿論、国のしがらみがあり、政治の陰謀と駆け引きもあり...。
そして万国共通、母は強し。
それにしても小さい頃に王子様とお姫様のラブロマンスにときめいた自分が、王子様(みたいなもの)と王子様のラブロマンスにこんなにときめく日が来よ -