川又千秋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SFは普段あまり読まないけど、下北の古本屋でタイトルに惹かれて購入。
かなり衝撃的だった。面白かった。
言葉をこんなふうに使うという発想。
実在したらゾクゾクする。
SFだからなのかストーリーがメイン。
もっとストーリーどうこうというより、状況や文章のアンニュイな深さ、抽象的な表現の幅、みたいなものを感じる文章の方が好きだから、物語が佳境に差し掛かっていくほど、読者をコントロールさせているような感覚になるけど、
それでも所々にある状況を説明する文章がグサッと刺さったりして、読んでいてなかなか面白かった。
言葉の可能性を感じさせる物語は、本を読むってまだまだ新しい発見をくれるなぁと改めて思った。 -
Posted by ブクログ
出版社からもわかるように、SF。
ふだんはあんまりSFって読まないんだけど&川又千秋って初めて読むけど、けっこうおもしろかったです。
フランスの若き詩人が書いた、禁断の詩。それを読んだ人びとは次々に精神を犯され、死んでいく…。
…と、ぶっちゃけ、初めは、SFっていうより、サスペンス?って感じなんだけど、読み終わってみると、「これはSF以外の何ものでもない」って感じ。
終盤も、SFにはよくある手法なのに(←きっと。たぶん。あたしの少ないSF読書体験からすれば)、切ない感じでまとまってて、すごく好みです。
そして、問題の詩。
死ぬのを覚悟で、ちょっと読んでみたい…かも。
あるいは、他の2つの詩を。
実は詩は3つあって、1コめの「異界」、2コめの「鏡」、3コめの「時の黄金」。どれもすべて、言葉で、異界・鏡・時間そのものを「つくり出す」、らしい。
たとえば、人が死んじゃう3つめの詩について、その詩をつくりだした若き詩人はこう言ってます ↓↓↓
「僕が書こうとしているのは、時間の幻影じゃありません。時間、そのものです。この世界をからめとっている”時”そのものを、文字に写し取ることができるんです。言葉によって、別な時間を作り出せるんです。」(p.129)
いやいやいや、全然、想像もつかないから。
んでも、だからこそ、すんごく興味が湧きます。
とくに、あたし好みなのは、「鏡」。
ページの振り方が洒落てるとこも好きだし、興味あるけど、文字を読んでいるだけ、もっと言えば、紙に印刷された黒いインクを見ているだけなのに、「鏡が見える」、「自分が映って見える」って。。。
…体験してみたい、かも。
ただ、1コだけ気になるとすれば、3つの詩はどれも、もともとフランス語なんだけど(←そういう設定)、日本語訳でも、同じ効果が現れる…ってところ。
言葉っていうものが魔力をもつとすれば、それは、その言語だから、だと思うんだけど、どうなんだろ?
翻訳っていうのは、どんなにうまい訳だなぁと思っても、あるいは、どんなに忠実に直訳したとしても、原文とは全くもって、似て非なるものだし。
訳でもおっけーなら、言語自体ではなくて、書かれた内容が魔力をもっているってことで、それは…、ふつーな気がする。
教条とか、思想とか、イデオロギーとかって、たぶん、そういうものだと思う。
内容が、魔力をもつもの。
たとえ何語で読もうとも、読んだ人が魅せられてしまうもの。
さて、で、最後にもうひとつ。
この小説では、フランスのシュールレアリスムが、欠かせない要素のひとつになっています(たぶん)。
あたしは芸術とか全然よくわかんないんだけど(たぶん中学生の方がよく知ってると思う)、そーゆーのがわかっていたら、おもしろさも倍増だったろうなぁと思います。
この前、江國香織の『日のあたる白い壁』を読んだときも思ったけど、教養って大事だなぁ…。 -
Posted by ブクログ
かの有名なドラゴンクエストを題材にした漫画です。
具体的にナンバリングのどれかを漫画にしたわけではなく、
あくまで世界観や設定がドラゴンクエストなだけですが、
全体的にかなりクオリティが高く、まとまった漫画だと思います。
整った綺麗な絵柄や鳥山先生の絵のモンスターともあんまり違和感のないモンスター達は藤原カムイ先生の画力がすごいところだと思います。
全体的にシリアスに話が進み、作中の時間も結構経つので
いかに冒険が大変なのか、大魔王への絶望感みたいなものも強かったです。
個人的にポロン覚醒の話が大好きで何度も読み返します。
最初から最後まで一気に読んで欲しい作品です。 -
Posted by ブクログ
SFはこれまで「アルジャーノンに花束を」ぐらいしか読んだことがないが、珍しく読んでみた。
結構恐い。SFとは分かっていても、本当にあり得ないことなんだろうか、と思ってしまう。普段から言葉の力は思い知っている訳で。
シュルレアリスムという言葉は聞いたことあるようなないような知識レベルだが、結局何が現実なのかは捉え方次第なんだろうな。
とはいえ文字や言葉は目の前にあるわけで、それを介する限り、現実はそう遠くないところにあるんだろう。
ちなみに構成が独特。起承転結という言葉を借りれば、起結承転という感じ。先に結論がある。このせいで先を読みたくなる。 -
Posted by ブクログ
現代から過去、未来と時間がすらりとわかっていく。登場人物も場所も、リレーのように変わっていく。とある文書が生まれて消えるまでの物語だが、その作品には人類の未来を左右する凶暴な力があるのだ。
特に中盤から後半を占める現代(少しさかのぼるが)日本編は、ある種企業小説的なタッチで進むけれど、登場人物がなにも知らずに爆弾をもてあそんでいるようで、むずむずする感じがしておもしろかった。
とってもおもしろく、はらはらしながら読んだけど、正直ラストがちょっと期待はずれ。まあ、それしかないだろうって終わり方ではあるんだけど、物語の必然と言うよりも、約束した長さになったからここで終わる、あるいは語るべきエピソードがつきたからここで終わる、という感じが少しだけした。
それにしても、まだまだおもしろい物語はたくさんあるんだなというのが実感。ずいぶん前に買かれた作品なのに。