マックス・ウェーバーのレビュー一覧
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「生活が厳しいものとなったのは」競争に負けずに更に冨を増やそうとする人々が、消費するのではなく、利益を増やすことを望んだからであり、昔ながらの生活様式を守ろうとする人々は、節約しなければならなくなったからである。
自己確信を獲得するための優れた手段として、職業労働に休み無く従事することが教え込まれたのである。
カルヴァン派>常に、自分が選ばれているか、それとも神に見捨てられているかという二者択一の問いの前に立ちながら、みずからを絶えず吟味しつづけることで、救いを作り出す。
規律>世俗的な職業労働についての思想においても採用
「人はどのようにして自己を知りうるだろうか。観察によってではな -
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近代資本主義を支える心理的原動力となったものは何だったのか?その答えの一つとしてヴェーバーはプロテスタンティズムの禁欲的精神があったと考えた。禁欲とは修行僧にみられるような絶食・座禅といった修行ではなく目的のために他の欲望を一切拝するというものである。そういった精神はルターの提示した天職義務の教義と融合しつつ発展していき、こうしたカルヴァニズムが社会に浸透していった結果、意図せずして産業経営合理的な資本主義を発展させることになった。非常に逆説的ではあるが、近代資本主義というのは、マモニズムへの嫌悪、すなわち、金儲けすることを目的とした重商主義的精神からは決して生まれる事はなかったのだと、そう
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◯ 宗教改革のもたらしたもの、とくにルターの業績のうちで後世に最大の影響をもたらしたものの一つが、世俗の職業生活にこのような道徳的な性格をあたえたことである(150p)
◯ 神から目に見える形で祝福を与えられているという意識をもって、営利活動に従事することができたし、そうすべきだったのである。(480p)
◯ かつては修道院の小さな房のうちで行われていた禁欲が、現世の職業生活のうちに持ち込まれ、世俗内的な倫理を支配するようになった。(492p)
★各所で名著として紹介されている本書だが、私には難しすぎた。カルヴァン派、敬虔派、ルター派など、キリスト教の宗派に関する知識が必要だし、文章も難 -
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過去に何度か挫折したが、今回やっと全てを読み通すことができた。資本主義社会を知るために、『資本論』と並行して本書を読み進めたが、高校世界史、倫理に記載されないキリスト教の宗派が次々と登場し、途中で投げ出したくなったが、そこは耐え忍んだ。とはいえ最後まで読み通せたものの、全体的に理解できたかいうと正直自信はない。ただし、自分にはあまり馴染みのない「宗教」という概念が、他国では社会全体、個人を根本的に変化させるほどの力があることが伝わってきた。キリスト教圏と日本で、仕事、職業の向き合い方が根本的に異なることがわかってきた。今後もおそらく読み返すだろうが、次に読むときには、キリスト教の歴史を詳細に
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プロテスタンティズムの「禁欲倫理」から、近代資本主義が生まれたとする。
宗教と労働、資本主義の関係性を解説した書籍。
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ドイツでは、経済的に発達した地方でプロテスタンティズムが信仰された。
プロテスタンティズムとその信徒の特徴は以下。
・私的な生活から公的な領域まで、広く信徒の生活を規制する。
・教育熱心で、高等教育を受ける人の比率が高い。
・近代資本主義との親和性が高い。信者の大多数が商人層の出身であり、傑出した実業家も誕生している。
ベンジャミン・フランクリンは「正直であること/勤勉であることは、信用を築く上で有益だから、美徳である」とした。
こうした功利主義的な「 -
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ウェーバーによる1919年1月の講演。時は第一次大戦直後。ドイツは敗戦、革命、飢餓の混迷の只中にあった。解説によると、ウェーバーは愛国的な人物であったらしいが、この時代背景を考えると本当に気合のこもった講演である。講演ゆえに、勢いに任せたような面白さもある。
学問と政策の違いが説かれ、学問は主観的な価値判断から自由でなければならず、教師は政治的立場を生徒に押し付けてはならないとされる。一方、この講演は学問と言うより政策の口調で語られている。しかし学問はそれ自身が知るに値するものかどうかという前提については答えることができない、と言うのだから、学問の意義を語るには政治の言葉を用いるしかないのは -
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語り口からM.ウェーバーという人間に親しみを感じられた。こんなに熱い人だったのか!と。
翻訳者は読みやすさをかなり考えたというからその努力のたまものだろうか。本当に大学で彼の講義を受けてるみたいな気分になった。
☆学問は工場で何かを作るときみたいにただ決められた製法にしたがって進められるものではないよ。作業と情熱が合体した時に生まれる。でも、その思い付きが降ってくるのは予期しないときだったりもする。
☆政治家の街宣は批判を受けるけど大学の講義室は基本的に傾聴者のみが集まるし力関係もあるからなおのこと教師は自分を律しなければならない。
☆教師の一番大事な仕事は生徒に「都合の悪いこと」を認めさせる -
Posted by ブクログ
『職業としての政治』がよかったので読んでみたのだが、コチラは馴染めなかった。おそらく書物としての価値はあるのだろうけど、例示があまりにも宗教に偏りすぎていて、どうにも理解しづらい。内容も、いわんとしていることはなんとなくわかるのだけれど、ただ一概に正しいとはいえない気もする。たとえば、学問と政治を分離せよというが、もちろんそれは間違った主張であるとまではいえないけれど、ある事柄を教授するという時点で完全に中立ではないのであって、それは見方によっては政治的なのだから、もうちょっと具体的に述べてくれないと、たんなる空理空論に終わってしまう。『政治』のほうは当事者ではないから反論も思い浮かばなかった