辻信一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ゆっくり」でいいんだよ
著:辻 信一
ちくまプリマー新書 043
スローライフの入門書
かならずしも、スローがいいとはおもえませんが、たまには見方を変えてみるのもいいかと思います
あせらないで、ゆっくりというのも、いいかも
でも、ゆっくりと手を渡されても、どうしたらいいのかを考えてしまう
気になったのは以下です
・時間というものは、ありすぎても、困るし、少なすぎても困る
つまり、ひまをもてあますのも困るし、忙しすぎて時間が足りないのも困る
・ビジネスということばは、ビジー、つまり、忙しいということばからきている
・時計であらわされる時間というのは、地球のすみずみにまで広がった巨大なシステム
一度それに組み込まれてしまったら、そう簡単にそこから抜け出ることはできない
・時間とは節約すればするほど、どんどん速くなっていく、すると人々は、ますます必死になって時間を節約するようになるのだった
・もう社会全体が今のスピードを基準にして動いている以上、そこからひとりだけ、抜け出すことはむずかしい
後戻りどころか、そこにじっととどまっていることさえ、むずかしい
・持続可能な経済:破滅に向かって進んでいるデタラメな経済の代わりに、豊かな自然を保ち、人類の生存を続けていけるまともな経済をつくらなきゃいけない、ということ
・急速に進む生物種の絶滅という事態もまた、経済時間が引き起こすものだ。
ひとつ、またひとつと生物の種が絶滅していく
・愛はゆっくり 人は愛なしに生きていけない
・チャウセスクの子ども収容所で、子どもたちの大量の死の原因は、愛がなかったからと結論した
ルーマニアの子ども収容所はひとつの実験だったとみることもできる
工場でモノを生産するように、人をつくることはできない
それは人間というものが愛なしには生きていけない生きだから
・愛とは相手のために時間をむだにすること
・愛はスロー、つまり、ゆっくりとしたものなのだ
時間がかかる、だから時にはめんどうくさい
でもだからこそ、愛は愛なのだ
・人生は競争だ
社会は競争によって進歩し、発展し、豊かになる
というのも、人間が考え出した、競争物語というつくり話にすぎない
・なぜ生きづらいのか、それは人間が人間らしく生きることが難しくなっているから
人間が人間らしく生きるための時間がもうあまり残っていないのだ
・人生には、はぶけないし、はぶいてはいけない時間がある
その時間を守るためには、人にのろまといわれたり、スローとばかにされたりするのを恐れないこと
愛はゆっくりでいい
・スローライフの入口、それは歩くこと、それもできればゆっくり、じっくり歩くこと
目的地へとのびるまっすぐな道をはずれて寄り道をしたり、遠回りしたり、道草を食ったりすること
・そもそも、「ムダ」とは何か
それは、「役にたたない」、「利益がない」ということ
では、「役にたつこと」とは何か
ある目的を達成するために必要なこと
・がんばらないで、ゆっくり ゆっくり歩けば、遠くまで行ける
・急がない、がんばらない
日本ほど、人々が互いを急かせ、自分を急がせている社会もめずらしい
いまでは、もう、なにをさがしているのか、わからなくなっている
ぼくたちは自分は人にも、がんばれ、というけど、なんのために、なにを、どう、がんばるのか
もう誰にもわからなくなっているんだ
目次 * Contents
第1部 時間がない―ファストライフの秘密
第1章 きみと時間の関係
第2章 時間ドロボーは誰だ!?
第3章 時間戦争
第4章 愛はゆっくり
第2部 時間のくにへ帰ろう―スローライフへのカギ
第1章 ナマケモノになる
第2章 食いしん坊宣言
第3章 たのしい引き算
第4章 幸せはお金じゃ買えない
第5章 遊ぼう、外にとび出そう!
第6章 カナダの少女セヴァンの旅
第7章 がんばらないで、ゆっくりと
終わりに ハチドリのひとしずく
ISBN:9784480687456
出版社:筑摩書房
判型:新書
ページ数:176ページ
定価:780円(本体)
発売日:2006年09月10日初版1刷
発売日:2020年07月15日初版8刷 -
Posted by ブクログ
ネタバレ川口さんが、体調を崩して、複合汚染を、読み、本当に美しいものを求め自然農を始めた経緯、母の反対や、数年間の収穫ができない期間を乗り越えて、工夫を重ねて今の、耕さない、持ち込まず持ち出さない、草や虫を敵としないという自然農にたどり着いた経緯、それを広める赤目自然農園という形について、わかった。
作物が幼い時に、他に負けるといけないが、いろんな草や生き物の中で育つ方がいい。48→人もこどもも一緒。
水田に米だけではダメ。地球に人だけではダメなように。多様な生物が同時に生きて生かし合いになる。51→そのなかで、負けない力を育んであげる、少し手を貸してやるということか。
川口さんは、世の中を変えようとか、自然農でなきゃダメと言ったことは話したことがない。人の生き方は変えられないから。自然農はひとつの答えを示しているが、教育、医療、政治、宗教、芸術など、それぞれの分野で役割分担をし、総合的に学んで研鑽し合うことが大切。122→看護師という自分に与えられた役割を全うしきれていないのに農に進んでいいのだろうか。両方をかけ合わせてやりたい。
ところで、農薬を使っている人に、ぼくから苦情はいいません。相手を「正しさ」で批判すると、相手の立場がなくなって、さらに対立、争いになっていく。求めていない人に、一方的ではダメ。自分が対立的にならないように振る舞う。118→非暴力不服従のような強さを感じた。意見を主張しがちだから気をつけよう。
村の役割に参加しないこと、農薬を使わないことに関して、怒られても、自分のやろうとしていることを説明しない。僕のことであってその人のことではないから。そうすると、さらに反発されて、自然農ができなくなる。聞きっぱなしにすると、「いいすぎたかなぁ」と、思われて、収まっていく場合が多い。双方に言い分があるが、ぼくはいってはいかない。常識はずれのぼくがわがままを言っていることになっているので、相手の言い分を聞くに徹する。120→こういう覚悟がいるのね。虫を敵としない、人も敵としない!かっこいい。
医者は、心にも、精神にも、生き方にも、価値観にも、人生観にも、食生活にも働きかけ、導くことを怠ってはなりません。そのうえで、体に働きかけるのが仕事。137→人としてぶつかっていく覚悟が必要。こらが東洋医学の考え方が?
生態系を甦らせるには、これ以上壊さないこと。損ねることから離れることり修復する必要性がないのが自然界。人が行う修復は、新たな問題を招く。164→大自然に委ね、つましく生きていきたい。
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Posted by ブクログ
現代の変化が大きく、速く、複雑な社会を生きていく上で、本当に大切にすべきものはとてもシンプルなものだと教えてくれる本です。著者の関係するシューマッハーカレッジの3H(head, heart, hand)の教育方針にも興味が湧きました。
本書内にはエレガントシンプリシティの概念の構成要素の説明、具体事例が沢山ありますが、シンプルに最終結言を引用します。
簡素で美しい人生を送るために、人間という存在が持つ、3Sの側面土(Soil)、魂(Soul)、社会(Society)を考える必要がある。
土は、環境や自然のあらゆる関係のメタファ。
魂は、人々の心の充足。友情や愛、共感など。
社会は、人間の尊厳、平等、公正に基づき形成されたもの。
心に残った言葉
住むときは地面に近いところに
考えるときはシンプルに
争いにおいては公平、寛大であれ
統治するときは支配しようとしないこと
働くときは自分が楽しめるように
家庭にあっては完全にそこにあれ
(老子)
巡礼の本当の意味とは執着、習慣、偏見から自由に生きることに他ならない。
巡礼者は太陽や雨、花や果実に感謝するのと同様、嵐や雪にも感謝する。
全ての偉大な思考は歩くことによって生まれる
(ニーチェ)
生は終わりのない旅だ。ゴールも目的地もない。
本当の学びは経験が感動を生むときに起こる。例えば自分自身を表現できた、学びが誰かの役に立つ、コミュニティの一部であることを認知するなど。
愛とは相手を批判なしに受け入れること。同じように愛とは自分自身をありのまま受け入れること。
小さな美徳の裏に大きな美徳が隠れていることを知るべきだ。 -
Posted by ブクログ
弱さについて考えることは、強さについて考えること。
大きいことが良いとは限らないし、小さいことが悪いとも限らない。
良いことがいつも良いとは限らないし、悪いことがいつも悪いとも限らない。
つまり、絶対的ではなく、相対的な価値だから。
世の中は適者共存。弱肉強食とは異なる。
適者と強者は混同してはいけない。
生き残ったものが強い。
ファーブルは虫たちについて学んだのではなく、虫たちから学んでいた。
人間は未熟で生まれる、弱位存在で生まれる。
それによって柔軟性を得ている。さまざな方向に適応し、変化が可能。本能よりも学習で自己発展をする。
また、弱いからこそ愛情をたくさん受けることが必要。それにより人間らしさ、を得る。
身体的弱さが、一方はコミュニケーション能力の発達という強さを獲得する。
遅れることによって進む。
弱くなることで強くなる。
遅れてもいいけど、何かを際立たせていくべき。
より大きく、より多く、より早く、という過剰な進歩。
必要なのは、ちょうどいい小ささ
ちょうどいい遅さ
優しさが発揮できる遅さ、か適正速度。
弱さについて考えることは、
同時に強さについて考えること。 -
Posted by ブクログ
経済大国と呼ばれる国は、みんな”スピード”が命!早く、早く、早く!もっとく早く、もっと安く、もっと大量に!・・・でも、そのスピードにあわせて生きていると、なんだか「自分がよければそれでいい」っていう考え方になってしまう気がします。みんなついていくことで精一杯になるから。ついていけないと、差別の対象になってしまうから。誰もが同じ速度で生きていけるはずがないのにね・・・。
ゆっくり生きていくということは、自分や周りの人達、動物、植物、地球を大切にできる暮らしに繋がるということに気がつけました^^
これからの生き方が問われている今だからこそ、読んでおきたい1冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
新生活に慣れず、イライラしてるときに手に取った本。
社会では効率性やスピードが要求され、いつも時間に追われてる私たち。
人間だけでなく、植物や動物だってそうだ。
植物や動物が本来持ってる個々の時間は無視され、人間が時間を操作している。
最近では、箱という建物の中で光を当ててレタスなんかを作るのが始まってるようだが、そんな野菜は食べたくない。
太陽の光をたっぷり浴びて野菜そのものが持つ時間をたっぷり使って育ったシャキシャキしたレタスを食べたい。
ここまでくると、何か 温かみというものの欠片さえ感じられないと思うのは私だけだろうか・・・。
科学技術が発達し便利になったのはいいが、それと引き換えに失ったものも大きいのではないだろうか。
便利なものができ、その分自由な時間ができたと思ったら、そこで待っていたのは自由な時間などではなく、時間に追われる自分。
ゆっくりでいいんだよ。
ほんの少しだけゆっくり生きていければいいと思う。
マイペースに。ナマケモノみたいに。