矢幡洋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今日発売の『週刊文春』の書評で取り上げられている。
この本を読んで矢幡さんのイメージが変わった。
自閉症の娘さんのために自分を「療育のための機械」と割り切るまでになるのは、普通できない。
心理の専門家なのだから、もっと同じ境遇の人に有用な情報を求めるのは、最後まで読めば愚の骨頂だとわかるはず。
矢幡さんのテレビでのイメージが180度変わった。
夫婦仲が不和になったことまで赤裸々に書かれているところが生々しい。
編集者の力と矢幡さんの勇気はかなり高い評価に値する。
彼のホームページでは、既に自分の体験と専門家の知識を融合した、同じ境遇の親子に有用な情報を提供している。 -
Posted by ブクログ
パーソナリティ障害について知りたくて読書。
パーソナリティ障害についてもっと学びたい。具体的には関わる必要がある人たちで該当者がいる時の対処法を学び、また周りで困っている人の少しでもフォローができればと思っている。その意味でも各対処法は、勉強になる。
犯罪へ発展する可能性もあり、専門医の治療が必要なのは、本書後半の境界性性格、妄想性性格の2件と思われるが、他の障害でも、もし一緒に仕事をするとなるとストレスになりそうだ。
目に見えない障害としてしっかりと専門医の治療を受けさせることが関わる人たちや会社などの組織にとっても最適で現実的だという認識がまだまだ希薄なんだと思う。
再読予定の本。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
うつ病、心身症、神経症などの「心の病気」から立ち直るにはどんな方法があるのか。
「トラウマ」のせいにしても問題は解決しない。
どのようなストレスを受けても、人間にはそれに抵抗する力があり、その力を伸ばすこともできる、という点に注目するほうが解決への近道。
現場を知り尽くした著者が、心理療法のさまざまな実践例、精神科医やカウンセラーの上手な使い方を紹介する。
[ 目次 ]
第1章 心の病気にはどんな種類のものがあるか
第2章 トラウマ理論をぶっとばせ
第3章 精神科医・カウンセラーの上手な使い方
第4章 心理療法はどんなことをやるのか
第5章 心の病気の治り方
[ POP ]
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Posted by ブクログ
著者は臨床心理士である。精神病に関しては知識を持っていると思われがちだが、自閉症に関しては全くの門外漢だった。そんな彼の幼い娘がどうも様子がおかしい。「彼女の個性なのだろう。これから少しずつ成長していくのだろう」と思っていたが、自閉症との診断を受ける。
それから手探りの療育が始まる。
高機能自閉症(アスペルガー症候群)についての本は何冊か読んだことがあるが、知的発達の遅れを伴う自閉症の本を読むのは初めて。
言葉によるコミュニケーションも難しく、自閉の世界に閉じこもる娘との間の壁に、何度もくじけそうになる。なんとか普通学級への登校が続けられるまでに療育が進んだのは、全てを娘に注いだ両親の愛情に -
Posted by ブクログ
これは、美談では、ない。
「みんな違ってみんないい」などと世間は障がいを持つ子供には言うが、その親には愚痴を言ったりすることは許されない雰囲気があるという。
どんな障がいがあろうとも自分の子は可愛いはずだ、愛せるはずだと。
でも実際は想像を絶する現状がある。たまには息抜きもしたいし、実際問題、育児に時間を圧倒的に取られる為仕事にも支障をきたす。
自分の子を愛せない親だっている。それが現実だ。
そんな事情を汲むこともせず親なら自分の子は可愛いはずだと押し付ける権利は一切ない。
自分の辛かった育児を思い出し読んでいて苦しくなる箇所もあるが、子供が成長するにつれ親も親になっていく、そして何より -
Posted by ブクログ
臨床心理士の矢幡洋氏の家族に起こった実話。ある意味専門家でもあった八幡氏が、一人娘のお嬢さんの異変にはっきり気づくのは小学校入学間際。そこから普通学級に入れるべく夫婦の凄まじいチャレンジの日々。文章は時にあまりに感傷的で、読みづらいときもあったが、そこは実話。小説の作家ではないから、深い哀しみや切なさ、苦悩につぶされそうになる自分たちを客観的に最小の文では表現できないのは致し方ない。研究書ともちがうこの本は、自閉症が療育によって、わずかながらでも着実に改善される様子を見て取れる非常に珍しい一冊になっている。同じ境遇の家族にも励ましになる一冊であろうと思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ臨床心理士の作者が自閉症の我が子と歩んだ数年を記録した一冊。
専門家である作者と妻(同じく心理士・専門家)であっても我が子の「自閉症」に気付かずに苦しむ。親として「普通」の範囲であると思いたい心。不安を隠して何でも無さを装う日々。障害の程度、有無に関係なく親なら誰しもが感じる心の動きを書いていると思う。病に伏す妻、悲壮なまでに療育グッズ作りに打ち込む夫、どちらにも切ない同情を覚えた。
所々で障害に対する不用意な発言を感じないでもなかったが、「正直」と言えばその通りであろう。親とはエゴイスティックなもの。バカなものだ。そして我が子を何よりも一番だと考える「盲目」であって良いのだとおもう。