あらすじ
離人症の妻、自閉症の娘を抱えた臨床心理士の僕は、家族のために今日も全力で疾走する。前作『数字と踊るエリ』で話題を呼んだ著者・渾身の家族史ノンフィクション。
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Posted by ブクログ
臨床心理士 矢幡洋さんと体調不良を抱える妻、自閉症の娘の家族の記録。
ヘビー。何度も泣いた。
矢幡さんの家族に対する想いがとんでもなくステキ。
ステキとかいうと怒られそう。でもステキ!!
奥さん、娘のエリちゃん、それぞれにも気持ちが入っていった。
Posted by ブクログ
これは、美談では、ない。
「みんな違ってみんないい」などと世間は障がいを持つ子供には言うが、その親には愚痴を言ったりすることは許されない雰囲気があるという。
どんな障がいがあろうとも自分の子は可愛いはずだ、愛せるはずだと。
でも実際は想像を絶する現状がある。たまには息抜きもしたいし、実際問題、育児に時間を圧倒的に取られる為仕事にも支障をきたす。
自分の子を愛せない親だっている。それが現実だ。
そんな事情を汲むこともせず親なら自分の子は可愛いはずだと押し付ける権利は一切ない。
自分の辛かった育児を思い出し読んでいて苦しくなる箇所もあるが、子供が成長するにつれ親も親になっていく、そして何より自閉症の娘・エリの自我の目覚めを予感させるエンディングを読んで、パンドラの箱のように最後希望が残る読後感であった。