桜林美佐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦争を“歴史の出来事”としてではなく、“人の営み”として見つめ直す。
本書にはそんな静かなまなざしがある。
本書は、陸上自衛隊と海上自衛隊の元幹部が、
昭和の大戦――すなわち大東亜戦争を、
それぞれの立場から冷静に振り返りながら、
なぜ日本は敗れたのか、そして何を学ぶべきだったのかを探る一冊だ。
著者たちは、単に戦略や兵器の話をしているわけではない。
現場の兵士たちが、どんな状況で、どんな思いで戦っていたのか。
補給の尽きた戦地で、命令と現実の狭間に立たされた人々の苦悩。
その“声にならない声”を拾い上げようとしている。
読んでいると、戦史の裏に生きた「人間の気配」が立ちのぼってくる。
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Posted by ブクログ
YouTubeにちゃんねるくららなる番組があって、そこで陸海空自衛隊OBと保守系知識人が現在進行形のウクライナ戦争と日本の防衛問題について扱っていて、それを書籍にしたもの。ウクライナ戦争は細かくフォローしていなかったのでその分析がどうなのかを評することはできないが、オープンソースで説得力のある分析をしていると思う。
ロシアのBTGや黒海の封鎖、ドネツ川渡河作戦の失敗など話していて勉強になる。現状のウクライナのロシアへの逆侵攻とかどう議論しているのか気になる。あまり時間ないので見ないけど。
日本の防衛に関しては、ここでOBたちが言っていた統合司令部の創設や戦車のモスボールなどは実行に移されてきて -
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Posted by ブクログ
FMSとかイージスアショアが何千億とか国産の装備を売るだとかいろいろテレビでやってるけど、防衛に関するお金って、市場の原理とか働かなそうだし国策が超絶深く関わるんだろうし、どうしてるのかなーと思って購入。
最初に著者と経済評論家の対談が載っていて、大前提としてアメリカ主導の防衛ネットワークの中で、日本を中心としたアジア太平洋のネットワークを築くべきだというものがある。大東亜共栄圏と、メチャクチャ攻めたワードも使ってる。
先日読んだ地政学の本では、トランプ大統領以後の本ということもあり、米中どちらに付くか、という選択肢もあった。素人目にはそりゃアメリカなのかなとも思ってしまうけど、日本が -
Posted by ブクログ
一言で言うなら「惜しい」。
東日本の時の自衛隊の活動の表も裏もそれぞれにきちんと見ているはずで、しかも防衛畑のバックグラウンドも持っている著者ならば、もっともっと深く詳しく、まさに「この人ならでは描ける自衛隊の貢献」を引き出せたはずなのに、何だか少し「物足りない」感がある。
例えば石巻赤十字病院の医療従事者たちや、被災地の新聞社たちの奮闘を描いた書籍に比べてしまうと、どうしても中身が薄く感じてしまう。
この本は元々、会社帰りの疲れたお父さんたちが女性のハダカと、小学生の読書感想文以上に文章の体裁を成しておらず担当記者の気持ちをただ並べただけの芸能記事と、記者の嗜好と個人的偏見に裏打ちされたプ -
Posted by ブクログ
ネタバレ今朝(2012/3/19)の日経コラム【春秋】が震災後1年が経過し自衛隊のことについて触れている。内閣府世論調査で自衛隊に対するいい印象が91%になったというもの。自衛隊への感謝、世相の変化を述べるにとどまり、今後の自衛隊の在り方にまでは言及していないが、災害支援でイメージUpの自衛隊だが、このままでは、”自衛隊は災害派遣部隊でいいんじゃない”という間違った方向へ進みかねない。
そんな警鐘も鳴らしつつ、震災後、現地のみならず後方支援まで含めた自衛隊の活躍を、手軽に紹介しているのが本書。当時、「夕刊フジ」での連載だったようで、それゆえ記事が細切れで、もうすこし個々のエピソードを深堀りして書いてい