あらすじ
「これは訓練ではない」/津波到達予定はヒトゴーヒトマル/まず、滑走路の復旧を/俺たちが感傷に浸っている暇はない/使命感で駆けつけた仲間を亡くした/自分たちにはまだボートがある/隊員ふたりはきっと戻ってくる/殉職した陸曹のこと/こんな時に飛べないなんて/平時の10倍のヘリが飛来した……
日本と自衛隊の危機について解説した「災害派遣の舞台裏」も収録。
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Posted by ブクログ
2011年3月11日に東北地方を襲った未曾有の大災害。
自衛隊の一側面である「災害派遣」を伝えるノンフィクション。
「第1部 誰かのために」では、被災時の生々しい様子や懸命の救助活動、被災者の方々への細やかな配慮、隊内でのやりとり等が紹介されています。ひとつひとつのエピソードはとても短く読みやすく、不安を抱えながら生活している人々の心にもすんなりと入っていったのでは。
誇りと使命感を抱いて任務に当たられる尊い姿。国防上の危機に備えて、平時から厳しい訓練を積んで来た自衛隊だからこそ為し得た事です。
私も本書から(つまり、自衛隊の活動から)いただいた勇気は計り知れません。
続く「第2部 災害派遣の舞台裏」で述べられる国防論、付録資料「東日本大震災と原発事故における自衛隊の活動」も必見。
震災直後、たまたますれ違った自衛隊車両。恐らく東北地方に向かう途中であろうトラックに掲げられた「災害派遣」の文字を見た時に感じた、頼もしさ。
被害の大きさや任務に伴う危険を思うと、簡単に「がんばってください」などとは口にできませんでしたが、それでも本当に心から「ありがとうございます、お願いします」という思いでいっぱいになり、涙が出た事が忘れられません。
Posted by ブクログ
自衛隊は日陰の存在ではならない。
注目が浴びる時は、国民が困っているとき…。
自衛隊員の中には自分も被災しながら被災者を助けていく。
飛びたくても、飛べないヘリ。
東日本大震災で注目を浴びた自衛隊についての本。
サボっていると思われないように、陰で食事をしたり、腹持ちがいい「赤飯」を食べていると国民から勘違いされるのでやめたり…。
つくづく、大変で感謝しなければならないところが沢山ありました。
原発事故についても書かれています。
一ページ、一ページめくるごとにこみ上げる思い。
本当に、ありがとう。
そして、日本に自衛隊がいてよかった。
Posted by ブクログ
東日本大震災の時の、自衛隊の活動を丹念に追った一冊。
- 今無理をしなくてどうする
この一言がすべてを表していると、そう感じます。
ただ読めばいい、それだけで何かしらは感じ取れるものがあるはずです。
そしてもう一つ、我ながら不思議に感じたのは、
ここ最近"10年後"を意識する書籍を手に取ることが多いこと、でしょうか。
色々と、準備をしておかないとなぁ、、なんて。
Posted by ブクログ
タイトルのとおり,日本に自衛隊がいてよかったと心から思える一冊。ただ,災害などがないと,そういう風に思えない自分に反省。毎日毎日,日本のためにご苦労様です。感謝です。
Posted by ブクログ
東日本大震災のとき、まさに国民のために滅私奉公した防衛省・自衛隊の記録。平時は顧みられることなく、批判や無理解にもさらされる自衛隊。未曾有の大災害にあたって、彼らはどのような思いで任務に臨んだのか?
女性自衛官や事務官、即応予備自衛官、警備犬など、防衛省・自衛隊のなかでも特にスポットの当たりにくい部分も紹介しているのがよかった。
著者はおそらく保守的な思想の人で、この本も美談本という側面はあるのだが、あの時、あの場所で、確かに賞賛されるべき行為が、評価されるべき人たちが存在したということは事実だと思う。
終盤では国防の現状にも触れている。人員減、「純粋な」国防予算減。自衛隊は災害派遣専門部隊ではなく、戦闘部隊であり、これからもそうでなくてはならないということ。こういうことの是非も、考えていく必要がある。
Posted by ブクログ
東日本大震災の起きたあの日あの時。
日本の防衛の要である自衛隊の方々がどのように行動されたのか。
自らも被災しながら、家族や仲間の安否も分からぬまま、ただただ任務を遂行していた彼等の志の有り様に心を打たれます。
それは普段からの厳しい訓練に裏打ちされた自信と誇りが成せる技。
頭の下がる思いと、感謝の念しか浮かびません。
ただ忘れてはならないのは「自衛隊は災害救助隊ではない」ということ。
削られ続ける防衛費と人員。
自衛隊の置かれている状況には個人的に思うところも多い。
メディアが正しい報道をしないおかげで国民の目は誤魔化されていますが、後から後悔しても遅いのです。
Posted by ブクログ
阪神淡路大震災の時に若かった隊員が、現在は曹長などリーダーになっている。その経験からかだれも命令したわけでないのに、夜は5−6人の作業部隊が車座になる。つらかったこと、ひどく悲しかったことなど、黙々と作業し続けたその日のすべてのことを声に出して吐き出し、そして泣く。やがて、明日も任務を精一杯やろうと誓い合ってその日を終えるのである
試練は乗り越えるためにある
自衛隊が感謝されるのは国民が不幸な時だ。けっしておごるなよ
海上保安庁は海猿がいるが、自衛隊は言わざるばかりだ(陸自の無口な活躍)
ソクラテス 戦いにおける指揮官の能力を示すものとして、戦術がh閉める割合は僅かなものである。第一にしてもっとも重要な能力は部下の兵士たちに軍整備をそろえ、糧食を与え続けられる点にある(曲のぼんの防備録)
よく「国家の財政が厳しいのだから仕方ない」といわれますが、安全保障があってその国家であり、国を守ることが出来なければ、そもそも国家が成り立ちません。
有事に一人が守るべき国民数を比較すると、米国は508,イギリス 610、ロシア 393、韓国 88などに比べて日本は2010年度末現在で 901人
Posted by ブクログ
かなり自衛隊よりな本だと思う。が、自衛隊を知るには事務官、警備犬の事も広く書かれていて良かった。国民が不幸な時にしか感謝されないって、何だか悲しい…。政治家の皆様しっかりしてよ!
Posted by ブクログ
一言で言うなら「惜しい」。
東日本の時の自衛隊の活動の表も裏もそれぞれにきちんと見ているはずで、しかも防衛畑のバックグラウンドも持っている著者ならば、もっともっと深く詳しく、まさに「この人ならでは描ける自衛隊の貢献」を引き出せたはずなのに、何だか少し「物足りない」感がある。
例えば石巻赤十字病院の医療従事者たちや、被災地の新聞社たちの奮闘を描いた書籍に比べてしまうと、どうしても中身が薄く感じてしまう。
この本は元々、会社帰りの疲れたお父さんたちが女性のハダカと、小学生の読書感想文以上に文章の体裁を成しておらず担当記者の気持ちをただ並べただけの芸能記事と、記者の嗜好と個人的偏見に裏打ちされたプロ野球のトピックを散りばめた記事で埋め尽くされている、かの『夕刊フジ』に連載されていたものを再編集したもののようなので、そこから考えるとこの程度の「軽さ」でも好いのかもしれません。が、満足はできませんね。
ただ、著者はさすがに夕刊フジ如きに連載していた記事だけで本の体裁を成すにはこっ恥ずかしいと思ったのか(笑)、第二部として著者なりの防衛論、自衛隊論を追加してくれてます。こっちは一読の価値あり。これが無ければ☆は2つだったかも。
Posted by ブクログ
一章読むごとに涙がこぼれそうになりました。
東日本大震災は、まさしく有事でした。訓練された部隊が、士気高くたゆまず行動したおかげで、助けられた人心慰められた人がどれだけいたことでしょう。ありがたい、有難い活躍でした。
私的感情を抑え、国民を守るために奮闘した自衛隊員。個々(事務官も軍用犬も)の奮闘ぶりにはどうしても涙を禁じ得ません。
しかし、ただの「災害救助隊」ではなく「軍隊」である自衛隊だからこそあの働きができたのだという著者の主張は、今後吟味されるべき問題だと思います。
Posted by ブクログ
フジテレビの自衛隊の番組を見て感動して、似たような本を…と思い買ってみた。夕刊フジの連載物だったようで、元々のボリュームが足りないのと、映像の方を先に見ちゃった後なので全体に物足りなく感じた。ただ、テレビでは報道されない後方支援の人達にスポットが当たってるのは良かったな。自分の国の軍隊なんて日常じゃ考えないものね。まぁ軍隊に限らず、政治も経済も全然考えてないんだけど;;;
Posted by ブクログ
今朝(2012/3/19)の日経コラム【春秋】が震災後1年が経過し自衛隊のことについて触れている。内閣府世論調査で自衛隊に対するいい印象が91%になったというもの。自衛隊への感謝、世相の変化を述べるにとどまり、今後の自衛隊の在り方にまでは言及していないが、災害支援でイメージUpの自衛隊だが、このままでは、”自衛隊は災害派遣部隊でいいんじゃない”という間違った方向へ進みかねない。
そんな警鐘も鳴らしつつ、震災後、現地のみならず後方支援まで含めた自衛隊の活躍を、手軽に紹介しているのが本書。当時、「夕刊フジ」での連載だったようで、それゆえ記事が細切れで、もうすこし個々のエピソードを深堀りして書いていたら、もっと良かったと思えるのが残念。過酷な救助、復興活動の一部を紹介しているが、感動話多く涙腺はゆるみがち。ひたすら頭の下がる思いの個々の事例の紹介の第1部と、現在の日本における自衛隊の問題について触れている第2部と構成で、しっかり第2部も読んでおこうという気になる。
自衛隊といえば、トレラン大会、富士登山駅伝などで、驚異的な体力を誇る彼らの姿が身近にあるが、震災を機に国民にとってさらに身近な存在になった今、自衛隊のあるべき姿、日本の国防についての考える、いいきっかけになる一冊だと思った。
Posted by ブクログ
目立ちやすいハイパーレスキュー隊と同じ現場にいて、かつ彼らが去った後も活動を続ける自衛隊。彼らの活躍を報じるテレビ報道を眺める自衛隊の面々。日の当たらない努力を書籍として記録に残すのは大事な事だと思う。