あらすじ
「これは訓練ではない」/津波到達予定はヒトゴーヒトマル/まず、滑走路の復旧を/俺たちが感傷に浸っている暇はない/使命感で駆けつけた仲間を亡くした/自分たちにはまだボートがある/隊員ふたりはきっと戻ってくる/殉職した陸曹のこと/こんな時に飛べないなんて/平時の10倍のヘリが飛来した……
日本と自衛隊の危機について解説した「災害派遣の舞台裏」も収録。
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Posted by ブクログ
東日本大震災の起きたあの日あの時。
日本の防衛の要である自衛隊の方々がどのように行動されたのか。
自らも被災しながら、家族や仲間の安否も分からぬまま、ただただ任務を遂行していた彼等の志の有り様に心を打たれます。
それは普段からの厳しい訓練に裏打ちされた自信と誇りが成せる技。
頭の下がる思いと、感謝の念しか浮かびません。
ただ忘れてはならないのは「自衛隊は災害救助隊ではない」ということ。
削られ続ける防衛費と人員。
自衛隊の置かれている状況には個人的に思うところも多い。
メディアが正しい報道をしないおかげで国民の目は誤魔化されていますが、後から後悔しても遅いのです。
Posted by ブクログ
阪神淡路大震災の時に若かった隊員が、現在は曹長などリーダーになっている。その経験からかだれも命令したわけでないのに、夜は5−6人の作業部隊が車座になる。つらかったこと、ひどく悲しかったことなど、黙々と作業し続けたその日のすべてのことを声に出して吐き出し、そして泣く。やがて、明日も任務を精一杯やろうと誓い合ってその日を終えるのである
試練は乗り越えるためにある
自衛隊が感謝されるのは国民が不幸な時だ。けっしておごるなよ
海上保安庁は海猿がいるが、自衛隊は言わざるばかりだ(陸自の無口な活躍)
ソクラテス 戦いにおける指揮官の能力を示すものとして、戦術がh閉める割合は僅かなものである。第一にしてもっとも重要な能力は部下の兵士たちに軍整備をそろえ、糧食を与え続けられる点にある(曲のぼんの防備録)
よく「国家の財政が厳しいのだから仕方ない」といわれますが、安全保障があってその国家であり、国を守ることが出来なければ、そもそも国家が成り立ちません。
有事に一人が守るべき国民数を比較すると、米国は508,イギリス 610、ロシア 393、韓国 88などに比べて日本は2010年度末現在で 901人
Posted by ブクログ
今朝(2012/3/19)の日経コラム【春秋】が震災後1年が経過し自衛隊のことについて触れている。内閣府世論調査で自衛隊に対するいい印象が91%になったというもの。自衛隊への感謝、世相の変化を述べるにとどまり、今後の自衛隊の在り方にまでは言及していないが、災害支援でイメージUpの自衛隊だが、このままでは、”自衛隊は災害派遣部隊でいいんじゃない”という間違った方向へ進みかねない。
そんな警鐘も鳴らしつつ、震災後、現地のみならず後方支援まで含めた自衛隊の活躍を、手軽に紹介しているのが本書。当時、「夕刊フジ」での連載だったようで、それゆえ記事が細切れで、もうすこし個々のエピソードを深堀りして書いていたら、もっと良かったと思えるのが残念。過酷な救助、復興活動の一部を紹介しているが、感動話多く涙腺はゆるみがち。ひたすら頭の下がる思いの個々の事例の紹介の第1部と、現在の日本における自衛隊の問題について触れている第2部と構成で、しっかり第2部も読んでおこうという気になる。
自衛隊といえば、トレラン大会、富士登山駅伝などで、驚異的な体力を誇る彼らの姿が身近にあるが、震災を機に国民にとってさらに身近な存在になった今、自衛隊のあるべき姿、日本の国防についての考える、いいきっかけになる一冊だと思った。