桜林美佐のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
元陸将、元空将、元海将という、自衛隊のトップクラス幹部を務めた方々が出演し、ウクライナの状況について考察を述べるYouTube番組の書籍化。
個人的にこれといったことは何もできないながら、関心を持ち続けることだけはやめないようにしようと思っている中で、プロの分析を読みたいと思い検索で見つけた。
自衛隊幹部の分析ということで、政治の延長としての戦争という現代的な定義をベースに展開される論理的な考察は、テレビでは全く聞けない具体的で実際的なものばかり。期待を上回る内容であった。
本書の元の動画は最初の5ヶ月間に公開されたものなので、2023年6月現在では新しい事実が分かっていると思われることも -
-
Posted by ブクログ
桜林美佐さんの警告と、提言です。
色々と気づかされることを述べられています。
経済のなかに防衛は存在し、防衛は外敵から国民の幸福、すなわち経済そのものを守っているのです。
現実的に恐れるべきなのは、万が一、日本が戦争に巻き込まれたとしても、何もできないことの方です。
戦争によって多数の人が命を落とし、傷つき、人生を変えられてしまう。
現在の日本には他国を侵略するような能力がないどころか、「専守防衛」すらも、人員面でも装備面でも十分にまかないきれません。
国防力を整備し、戦争が起きないようにしていくことこそが国防と防衛経済育成の最大のポイントです。
周辺各国は停滞を続ける日本の都合など構わ -
Posted by ブクログ
2011年3月11日に東北地方を襲った未曾有の大災害。
自衛隊の一側面である「災害派遣」を伝えるノンフィクション。
「第1部 誰かのために」では、被災時の生々しい様子や懸命の救助活動、被災者の方々への細やかな配慮、隊内でのやりとり等が紹介されています。ひとつひとつのエピソードはとても短く読みやすく、不安を抱えながら生活している人々の心にもすんなりと入っていったのでは。
誇りと使命感を抱いて任務に当たられる尊い姿。国防上の危機に備えて、平時から厳しい訓練を積んで来た自衛隊だからこそ為し得た事です。
私も本書から(つまり、自衛隊の活動から)いただいた勇気は計り知れません。
続く「第2部 災害派 -
-
Posted by ブクログ
著者が長年にわたり防衛産業について調査し、雑誌「丸」に連載してきたものをまとめた本。よく調べられていると思う。知らなかった内容が多く、勉強になった。
「(防衛産業問題)この問題が産業政策だと捉えている人も多く、そうではなく、これは「安全保障政策」であるという認識を高めなければならないのである」p10
「防衛装備品生産に従事する企業における防衛需要依存度は平均で4%程度だ。防衛産業の規模は約1.8兆円といわれ、自動車などの製造業全般は58兆円である中、100円ショップよりも小規模である。企業にとってこの部門ははっきり言って、なくなってもいいものである。防衛需要への依存度は企業によっては1%以下 -
Posted by ブクログ
東日本大震災のとき、まさに国民のために滅私奉公した防衛省・自衛隊の記録。平時は顧みられることなく、批判や無理解にもさらされる自衛隊。未曾有の大災害にあたって、彼らはどのような思いで任務に臨んだのか?
女性自衛官や事務官、即応予備自衛官、警備犬など、防衛省・自衛隊のなかでも特にスポットの当たりにくい部分も紹介しているのがよかった。
著者はおそらく保守的な思想の人で、この本も美談本という側面はあるのだが、あの時、あの場所で、確かに賞賛されるべき行為が、評価されるべき人たちが存在したということは事実だと思う。
終盤では国防の現状にも触れている。人員減、「純粋な」国防予算減。自衛隊は災害派遣専門 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東日本大震災の起きたあの日あの時。
日本の防衛の要である自衛隊の方々がどのように行動されたのか。
自らも被災しながら、家族や仲間の安否も分からぬまま、ただただ任務を遂行していた彼等の志の有り様に心を打たれます。
それは普段からの厳しい訓練に裏打ちされた自信と誇りが成せる技。
頭の下がる思いと、感謝の念しか浮かびません。
ただ忘れてはならないのは「自衛隊は災害救助隊ではない」ということ。
削られ続ける防衛費と人員。
自衛隊の置かれている状況には個人的に思うところも多い。
メディアが正しい報道をしないおかげで国民の目は誤魔化されていますが、後から後悔しても遅いのです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ阪神淡路大震災の時に若かった隊員が、現在は曹長などリーダーになっている。その経験からかだれも命令したわけでないのに、夜は5−6人の作業部隊が車座になる。つらかったこと、ひどく悲しかったことなど、黙々と作業し続けたその日のすべてのことを声に出して吐き出し、そして泣く。やがて、明日も任務を精一杯やろうと誓い合ってその日を終えるのである
試練は乗り越えるためにある
自衛隊が感謝されるのは国民が不幸な時だ。けっしておごるなよ
海上保安庁は海猿がいるが、自衛隊は言わざるばかりだ(陸自の無口な活躍)
ソクラテス 戦いにおける指揮官の能力を示すものとして、戦術がh閉める割合は僅かなものである。第一にしてもっ -
Posted by ブクログ
YouTubeにちゃんねるくららなる番組があって、そこで陸海空自衛隊OBと保守系知識人が現在進行形のウクライナ戦争と日本の防衛問題について扱っていて、それを書籍にしたもの。ウクライナ戦争は細かくフォローしていなかったのでその分析がどうなのかを評することはできないが、オープンソースで説得力のある分析をしていると思う。
ロシアのBTGや黒海の封鎖、ドネツ川渡河作戦の失敗など話していて勉強になる。現状のウクライナのロシアへの逆侵攻とかどう議論しているのか気になる。あまり時間ないので見ないけど。
日本の防衛に関しては、ここでOBたちが言っていた統合司令部の創設や戦車のモスボールなどは実行に移されてきて -
-
Posted by ブクログ
FMSとかイージスアショアが何千億とか国産の装備を売るだとかいろいろテレビでやってるけど、防衛に関するお金って、市場の原理とか働かなそうだし国策が超絶深く関わるんだろうし、どうしてるのかなーと思って購入。
最初に著者と経済評論家の対談が載っていて、大前提としてアメリカ主導の防衛ネットワークの中で、日本を中心としたアジア太平洋のネットワークを築くべきだというものがある。大東亜共栄圏と、メチャクチャ攻めたワードも使ってる。
先日読んだ地政学の本では、トランプ大統領以後の本ということもあり、米中どちらに付くか、という選択肢もあった。素人目にはそりゃアメリカなのかなとも思ってしまうけど、日本が