中島由華のレビュー一覧

  • グローバル・スーパーリッチ 超格差の時代

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    スーパーリッチの人たちって、格差などの社会問題をどういう風にとらえているんだろうと思っていたが、やはり特殊なイデオロギーにしっかり染まっている集団でしかないということを改めて感じた。それはいい悪いではなく、ある共通の傾向をもった社会集団とでもいおうか。

    その中でもごく一握りの人だけが、バランスのとれた知性と客観性をもっているのだという現実。

    グローバルリッチの世界では、非倫理的な態度が醸成されていくと書かれていたが、環境が心理にどう作用していくのか、その過程にフォーカスしてみるもの面白いかもと思った。

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    2021年04月18日
  • グローバル・スーパーリッチ 超格差の時代

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    [深淵なる富貧クレバス]「上位1%とその他99%の人々の間の格差」という考え方に注目が集まる一方,さらにその上位1%の中の「上位0.1%とその他の人々の格差」に着目した作品。著者が「プルトクラート」と呼ぶその超裕福層はいかにして生まれ,行動し,どのような影響力を社会に行使しているかを詳細に研究しています。著者は、『フィナンシャル・タイムズ』を始めとした各種の経済紙においてジャーナリストとして活躍したクリスティア・フリーランド。原題は、『Plutocrats; The Rise of the New Grobal Super-Rich and the Fall of Everyone Else』

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    2017年01月16日
  • グローバル・スーパーリッチ 超格差の時代

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    ついに、ピケティ本「21世紀の資本」が日本でも発売されました。圧巻の700ページ、大迫力の5500円でございます。だ、誰が買うんや…と、平積みにされていた本を眺めていましたが、日本でも大ベストセラーらしいですね。NHKでもピケティの白熱教室が放映されるらしい。
    さて、本書はアメリカではピケティ本とほぼ同時期に発売された、1970年代以降の超格差、主に金持ち側を取り扱った本です。
    彼ら大金持ちが誕生する歴史や背景はそれこそピケティやエマニュエルサイズなどを参照しながら、わかりやすく説明してくれますが、これは割とジャーナリスティックな内容の本です。著者はモスクワで働いたことのあるカナダ人であり、ロ

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    2015年01月12日
  • 課税と脱税の経済史――古今の(悪)知恵で学ぶ租税理論

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    専門書で分厚いため読むのに少し時間がかかった。
    だけど税について詳しくなくとも、このデザインはこういう背景があるのか、昔からこういう話があったのかと、とても理解深まる一冊でした

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    2025年10月26日
  • モーリタニアン 黒塗りの記録

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    手記を書いた人が本当に無実なのか検証する術を私は持っていない。けれど、こんなに膨大な記録を全て嘘で塗り固められるとは考えにくいし、米国にやましいことがなければ、裁判を行えばいいはず。
    そもそも他国モーリタリアで半ば拉致同然に逮捕し、こっそりと移送し裁判も行わずひたすら拘置し拷問。この時点で人権を奪っていることは事実。
    テロというのは非常に便利な言葉で、レッテルを貼りカテゴライズしてしまえば、どんな暴力も世間に受容させてしまう。法治国家の体ではあるので、自白を引き出さないとやはり次のステップに移れない。そのためあの手この手の拷問で辻褄の合う自白を当局は引き出そうとする。
    拘束された者たちの、真実

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    2022年07月18日
  • 税金の世界史

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    全ての政治家に読んで欲しい。戦争によって増税が行われ、現在のような高負担国家になってしまった実状がよくわかった。社会主義的民主主義により、高負担高福祉が良いかのような錯覚に陥っていたが、資産インフレを起こす事により、資産家と国家に搾取されるのは庶民であり、小さい政府の方が健全な発展を遂げるのではないかと改めて感じた。

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    2022年01月16日
  • グローバル・スーパーリッチ 超格差の時代

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    主にアメリカベースではあるが、リサーチ内容が学術的でハイレベル。インタビュー対象もハイレベル。国境や国籍を超えた、スーパーリッチという少数民族がこの時代に生まれていることと、その生態の綿密な調査結果が記されている。この手の「格差」を取り上げる国産本とは明らかに違う目線であり、スケール感である。

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    2014年01月23日
  • 税金の世界史

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    大抵の税金は戦費のため。

    われわれが姓名を名乗るようになったのも徴税のため。
    ヨーロッパでは13世紀まで平民は姓を持たなかった。
    人頭税の徴収の際ら人々を区別するのに便利だから。

    人類初の公式の税制。
    「エスレトゥ」=古代の10分の1税

    「ラッファー曲線」=最適な税率に設定することにより政府は最大の税収を得られるということを示す曲線。
    高すぎる税率は経済活動を抑制し、むしろ税収を減らす恐れがあるため、その場合減税によって最適な税率まで下げる。

    南北戦争の原因は奴隷解放のためではない。
    南部を離脱させないため。
    南部の連邦税収の75%を支払っていた。

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    2022年08月19日
  • 税金の世界史

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     いや〜勉強になりました。世界史というのは税金を理解しなければ本当のことはわかりませんね。たとえばアメリカの独立戦争ですが、今まで私は、イギリスがアメリカを搾取して厳しい税金を取り立てていたと思い込んでいました。でも実際は、イギリス政府は財政赤字に苦しみ、イギリス人はアメリカに渡った人よりも重税に苦しんでいたのでした。
     南北戦争も奴隷解放がメインテーマではなく、北部にとってドル箱の南部を独立させたくなかったから、北部が挑発して起こした戦争でした。
     国家としての行動の背景には必ず財政事情があるということですよね。

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    2021年11月30日
  • 税金の世界史

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    全てを網羅する訳ではなく、英米仏の税制とそれによる影響をトピック的に取り上げ、古代から近代の改革例、現代のグローバル化、デジタルやIT、仮想通貨等に対する現代政府の税制の不備と、未来への提言。
    著者は金融ライター兼コメディアンだそう。面白いのはそれ故か。

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    2021年10月30日
  • オリンピック秘史 120年の覇権と利権

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    開始まで1年を切りながらもマラソンの札幌開催など、まだまだ何が起きるか分からない東京オリンピックであるが、オリンピックはいつから”アスリートファースト”の精神を失い、巨大な利権に操られた祭典となってしまったのか。

    本書は近代オリンピックの父であるクーベルタンに始まり、2028年夏季が開催されるロサンゼルスまでの120年間の歴史を、自らもアメリカのサッカー男子代表としての経験を持つ著者がまとめたノンフィクションである。

    これを読むと、オリンピックの初期から予算の超過というのは当たり前になっていたということが良く理解できる。だからといって東京オリンピックの組織委員会の無能さが許されるわけではな

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    2019年10月20日
  • インターネットは自由を奪う 〈無料〉という落とし穴

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    口は悪いが、著者の言い分もわかる。ネットで誰でもどこでもアクセスできることを喜んでいたWEB1.0から、応答を個別に対応可能になったWEB2.0でビジネスが大きく変わり、勝ったものが総取りの世界。個人が無料でサービスを受けるかわりに、無料で個人情報を提供することで、ネットガリバーの一人勝ちを助長している。インターネットは平等をもたらすかわりに、ますます不平等を助長する。産業革命の資本家がネット長者に変わっただけで、大衆が搾取される状況は同じ。対策は成金貴族のno-buruobure-juに期待しかないのか・・・・
    中国の政府による監視社会を危惧していたが、西側も政府がネット起業に変わっただけで

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    2018年07月07日
  • お願いの女王 人はなぜ彼女の頼みを聞き入れたくなるのか

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    快く受け入れるようなお願いがあることを知りながら、人は他人にお願いするのを躊躇してしまう。アクの強いパンクバンドのボーカルの自伝に見えるが意外と哲学的な話です。

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    2016年08月07日