【感想・ネタバレ】モーリタニアン 黒塗りの記録のレビュー

あらすじ

9.11から20年――。グアンタナモ収容所の地獄から世界へと発した闘いの書。世界的ベストセラーの手記。2021年10月29日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショー。

米同時多発テロ以降、テロ容疑者収容所として、少なくとも約780名にのぼる人々が罪状不明のまま米国政府により収監された、キューバのグアンタナモ収容所。14年間にわたり拷問と虐待の日々を過ごした著者が、獄中から世界へと発し、悪夢のような国家犯罪の実態を明らかにした手記。世界が震撼した衝撃の書。
※本電子書籍には一部黒塗りの部分が含まれているため、 表示画面の背景色は黒以外を推奨します。

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Posted by ブクログ

手記を書いた人が本当に無実なのか検証する術を私は持っていない。けれど、こんなに膨大な記録を全て嘘で塗り固められるとは考えにくいし、米国にやましいことがなければ、裁判を行えばいいはず。
そもそも他国モーリタリアで半ば拉致同然に逮捕し、こっそりと移送し裁判も行わずひたすら拘置し拷問。この時点で人権を奪っていることは事実。
テロというのは非常に便利な言葉で、レッテルを貼りカテゴライズしてしまえば、どんな暴力も世間に受容させてしまう。法治国家の体ではあるので、自白を引き出さないとやはり次のステップに移れない。そのためあの手この手の拷問で辻褄の合う自白を当局は引き出そうとする。
拘束された者たちの、真実に違わぬ自白をしない精神力はものすごいことであり、私だったらとうに気が狂っているかもしれない。歯がゆいのはこの手記を読んでも無力を感じるだけで、私個人としては、政府のテロという煽動に踊らされないよう、メディアリテラシーを高めるしかない。
いまは世界でムスリムへの偏見は一時期より薄くなったとは思う。自分も偏見を持たないよう気をつけたい。この件については、ペンタゴン・ペーパーズ、ウォーターゲート事件にみられるようなアメリカ国内の自浄作用に期待したい。

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2022年07月18日

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