【感想・ネタバレ】オリンピック秘史 120年の覇権と利権のレビュー

あらすじ

ナチズム喧伝に利用されたベルリン五輪、日本を含む西側諸国がボイコットしたモスクワ五輪など、時代ごとの国際情勢を映してきたオリンピックの歴史を追い、今の課題を洗い出す。五輪代表経験を持つ元プロサッカー選手にして米国気鋭の政治学者による渾身の作。

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Posted by ブクログ

開始まで1年を切りながらもマラソンの札幌開催など、まだまだ何が起きるか分からない東京オリンピックであるが、オリンピックはいつから”アスリートファースト”の精神を失い、巨大な利権に操られた祭典となってしまったのか。

本書は近代オリンピックの父であるクーベルタンに始まり、2028年夏季が開催されるロサンゼルスまでの120年間の歴史を、自らもアメリカのサッカー男子代表としての経験を持つ著者がまとめたノンフィクションである。

これを読むと、オリンピックの初期から予算の超過というのは当たり前になっていたということが良く理解できる。だからといって東京オリンピックの組織委員会の無能さが許されるわけではないのだが。

また、当初認められていなかった女性アスリートの参加が徐々に認められれるプロセスや、巨大なスタジアム等の建設に際しての環境問題など、オリンピックの”ダークサイド”を知るには非常に一冊。あまり読んでいて、明るい気分にはならないが。

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2019年10月20日

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