朽葉屋周太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高校生のバドミントン青春小説
「一人でやれるスポーツだからバドミントンをやる」
中学まではそのスタンスを貫いてきた主人公
実際彼は実力でそのポジションを勝ち取りキープしてきた
当然のように、入学した高校でもバドミントン部に入部し
シングルスをやらせてくれと主張するのだが、
与えられたチャンスはダブルス。しかも、にっくきライバルとペア!
波乱の予感しかしないのであった——。
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今度はスポ根かー!
色々書けてすごい
しかも面白かった。
主人公たちはやっぱり、一癖も二癖もあるような面々で
こんな1年が入部したらやだよw
と苦笑するレベル
ダブルスプレイヤーとして鍛錬していく様は見ていて -
Posted by ブクログ
事件が起こった時、挫折するか、折れるか、進むか。
将来を有望されていたのに、事故によって
その将来はなかったものに。
さらっと何が起きてどうしたのか、が書かれていますが
詳細が書かれていないというのが、主人公にとって
重要視すべきことではない、と言われているかのよう。
自分ができなければ、できる人を連れてきて
できない部分を補っていけばいい。
作業としてはそうですが、試合となったら?
きちんと話し合っていなければ、相手を補助として
対等ではないものとして扱っているように聞こえます。
誰もがそうですが、きちんと言葉にして
不平を、真意を伝えるべきです。
そうでなければ、最悪の時を迎えてしまい -
Posted by ブクログ
高校に入学し、自信満々にバトミントン部に入部したが
さくっと先輩方に鼻を折られてしまった。
その後、初心者にも折られてしまったわけですが。
井の中の蛙が海を知った時、こうなるのか、という状態。
人間謙虚に、とは言いませんが、初めて折れると
こうなってしまうのか、というのがきっちりと
書かれているのがすごいです。
出来のいい主人公、ではなく、きちんとした等身大主人公。
先輩に同期に、ライバルにべつの学校に…と
この1冊で終わるにしては、人が多いです。
とはいえ、そこまで小出しで出てくるわけでもないので
誰だっけ? になることはないかと。
ものすごく、青春物語、でした。 -
Posted by ブクログ
真面目な兄
掴めない弟
変わり者の妹
威厳のない父
そして楔のような母
一家はとても平和で
うまく関係が持てていて
日常は普遍のように続いていたけれど
あることをきっかけに次第に崩れ始めていき——
*
こんな話も書けるのかー!
朽葉屋さんらしいコミカルなタッチで描かれる家族モノ
一見うまくいっているように見えるけれど
なんだろう、読んでいる間ずっと「ヒヤヒヤ」していた
この絶妙にとれたバランスが
実はいつ崩れてしまってもおかしくないんだという
そんな感覚がずっと背筋を行ったり来たりしている
本当になんでもない日常の風景で
よくあることばかりで
いっそありきたりでさえあるかも