朽葉屋周太郎のレビュー一覧
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中高とバドミントン部だった自分にはクリティカルな作品でした・・・。
主人公の南は中学時代シングルスでならし、そこそこの実力と絶対の自信を持っていた。
高校に入学し、出会ったのは中学時代倒せなかった因縁の相手、伊波。
そして、そんな二人に部長が言った言葉。
「君達、ダブルスを組んでみようか」
初めてやるダブルスに苦戦し、先輩や他校のライバルたちとの実力差に愕然としながらも、バドミントンに正面からぶつかっていく南と伊波。
一つの部活に打ち込む男達の、友情と成長の物語。
いまどき珍しい、まっすぐ硬派なスポ根部活ものです。
キツイ練習、負ける悔しさと勝つ嬉しさ、レギュラーの意味、負ければ先輩たち -
Posted by ブクログ
これは良かった!
諸々のやる気を失い、自身の住まいに「ダルガリア王国」と名付け
その王として君臨・統治という名の引きこもり生活を送っている
大学生が主人公。
ダルガリア王国の周辺では
毎年夏に、地域をあげての祭が開催されている。
億劫ながらも、たった一人の妹に頼まれ仕方なく
主人公は夏祭りに参加することとなった。
しかし静かに祭を味わおうとしていた主人公の治めるダルガリアに
突如「魔王」が現れて……
とにかくテンポがいい話だった。
登場人物たちの、一癖も二癖もある性格がとても魅力的。
ニーテンゼロ素敵←
初めからノンストップの馬鹿騒ぎだけど
途中途中で一息つける場所があって
疲れさせ -
Posted by ブクログ
作家やレーベルから当初はラノベだと思っていたが、読んでみると全くそんなことはない。佐藤多佳子さんの一瞬の風になれに極めて近い青春スポーツ小説だ。バドミントンという競技をかなり正確に描いた数少ない小説のひとつだろう。
日常生活はおろか部活以外の学校での生活はほとんど描かれず、そのほとんどが競技中の描写に費やされているため主人公以外の人物の内面描写が不足している感は否めないが、逆にいえば競技中の心情や状況に特化したスポーツドキュメント小説を志向しているとも言えるだろう。
部存続の危機や仲間集め。次々現れる強豪校や自信満々のライバルたち。魔球や試合中の過去の回想。努力と根性の賛美や自己陶酔。など -
Posted by ブクログ
「小次郎君、君もか!」
とあるお祭りの日のおちゃらけドタバタ劇。
あの森見登美彦氏の文体、阿呆さによく似ている。
従って普通に面白かった。
「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」「宵山劇場」
この三作のマジックリアリズムの部分をぎゅっと凝縮した感じ。
正直なところ森見氏の方が完成度は高い気がするが、突き抜け感はこちらの方が圧倒的。
なんといっても普通の人が一人もいない(笑)。
全員が能力(特技)者。ワンピースか!ジョジョか!
…違うか。
森見氏の作品、大好きだけどあまり数が多くないので、
朽葉屋氏の存在を知ったことで読みたい作品が増えた。
うれしいことだ。
続編もあるようなので、是非