あらすじ
堅く真面目なサラリーマンの長兄、いいかげんで放浪癖がある大学生の次兄、そして登校拒否中で家に引きこもって漫画家をめざす妹――。 母が入院し、父が旅に出たために、小さな家に三人だけで暮らすことになった彼ら。 心を開けるほど親密ではなく、かといって無視できるほど疎遠でもない。ひとつ屋根の下に住んでいながら、微妙な距離感でつながっている三人兄妹の平穏な日常が少しずつ崩れていく様子を、コミカルかつ繊細に綴っていく。 家族って、イライラするほど厄介だけど、だからこそ、愛おしいのかもしれない。
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Posted by ブクログ
やっぱり朽葉屋先生の本は、その世界に引き込まれますね。読み始めたら止まらないです。 夏樹みたいなキャラクター大好きです。でも、最後まで謎が残ったままのキャラでした(笑)あんなお兄ちゃんがほしい! ラストの本音を言い合うシーンはうるっときて、鳥肌が立ちました。次回作も楽しみです。たいやき食べたい。
Posted by ブクログ
真面目な兄
掴めない弟
変わり者の妹
威厳のない父
そして楔のような母
一家はとても平和で
うまく関係が持てていて
日常は普遍のように続いていたけれど
あることをきっかけに次第に崩れ始めていき——
*
こんな話も書けるのかー!
朽葉屋さんらしいコミカルなタッチで描かれる家族モノ
一見うまくいっているように見えるけれど
なんだろう、読んでいる間ずっと「ヒヤヒヤ」していた
この絶妙にとれたバランスが
実はいつ崩れてしまってもおかしくないんだという
そんな感覚がずっと背筋を行ったり来たりしている
本当になんでもない日常の風景で
よくあることばかりで
いっそありきたりでさえあるかも知れないのに
危険がすぐ隣にあるような、そんな恐怖
それは愛なのかなと、なんとなく思った
うまく隠せているようで隠せなくて
心配だけど放っておきたくて
距離が取りたいんだか取りたくないんだかわからなくて
近しい分だけ苛立ちがあって
家族愛、だなぁ…