多島斗志之のレビュー一覧

  • 症例A

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    精神病患者のこと、精神病の診断の難しさ、精神科医の苦悩を感じた本でした。とても読み応えがあった。

    人の精神を全て知る事は出来ないけど、少しずつ対話を重ねて、言葉だけでなく日々の行動を観察し、それを客観的に分析してやっと少しずつ診断、治療ができるのだなと。
    ただしその診断が合っているのかはその後の経過を診ていくしかない。
    正しいかどうかは結果でしか判断できない。

    精神病は、急になるものではなく、皆それぞれの原因があって、病気というより、自分を守るために精神が進化したとも言えるのかな。環境に合わせて身体が進化していったように、精神もそれぞれの環境で進化したのだと。
    多重人格の治療で、人格を統合

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    2022年01月15日
  • 黒百合

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    ネタバレ

    この小説に探偵は出てこないので、一体何がどうなっていたのかは自分の頭で考えなくてはなりません。

    ラストを読むまで完全に叙述トリックにやられていました。何度か読み返してようやく頭の整理がつきました(遅すぎ笑)

    ベルリンにいた女性「相田真千子」=若かりし日登美叔母さんと交際していた「運転手」=一彦の「義理の母」

    これで合ってますよね?笑
    六甲の女王と日登美の旦那さんは完全なるダミーでした笑

    タイトルの黒百合の百合はそっちの方の意味も含んでいるんでしょうか?



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    2021年12月09日
  • 黒百合

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    青春ラブストーリーと思いきや
    現代と過去を行ったりきたりして
    毎回騙されてしまう。


    トリックが巧妙です。
    退屈な日常で刺激が欲しい人はオススメです。

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    2021年09月15日
  • 黒百合

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    完全に騙されたー。まんまとミスリードされましたー。でもいまいちスッキリしないー。

    進と一彦と香の3人の物語はとても素敵でした。読んだのがちょうど暑い日が続くときだったので、ノスタルジーに浸れました。

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    2021年08月18日
  • 黒百合

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    あー、なるほど。
    騙される率100%と聞いて読んでみたけど
    もう簡単に騙された。
    というか正直推理しながら読んでなくって
    本当にひと夏の少年少女の恋物語として
    純粋に読んでしまったので、全然気づかなかった!
    そして読解力がないので(笑)
    解説を読んで、あああなんてスムーズな綺麗な
    ミスリードなんだ、と感動しました。
    夏だね、ジュブナイル。

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    2021年07月31日
  • 症例A

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    『黒百合』が面白かったので、多島さん2作目。テーマが重く、厚みもなかなかなので、最初は読み切れるか不安だったけど、精神科医の榊先生のパートと博物館学芸員の江馬さんのパート、2つの物語がどう繋がっていくのかが楽しみで、思いのほかスラスラ読めた。内容は面白かったけど、精神の病について勉強になったけど、ラストがいまいち好きになれず…。特に亜佐美についてはいろいろモヤモヤが残る。

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    2021年02月27日
  • 黒百合

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    どんでんがえし好きの必読書と言われ。謎がとけると「なるほど」と思えるものの、レトロな雰囲気に入り込めずやられた感は少し薄め。

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    2021年01月16日
  • 黒百合

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    普通の読み物として、充分楽しめた。

    父親の友人、浅木謙太郎が持っている六甲山にある別荘で夏休みを過ごす14歳の寺元進。
    そこで浅木の息子である同い年の一彦と、ひょうたん池と呼ばれる池に遊びに行ったとき、倉沢香というやはり14歳の女の子と出会う。
    3人は仲良くなり、一緒の時間を過ごすようになる。香に惹かれていく進と一彦。裕福で恵まれた家庭に育ったかと思いきや、実は複雑な家庭環境で育った香。

    その話と交互に、彼らの父親がまだ30歳位のときに、宝急電鉄の創始者、小芝一造の海外視察に同行したときの話が綴られる。旅先で偶然出会った相田真千子という若く美しい女性。

    またそれらの話とは別に、香の叔母の

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    2020年08月10日
  • 症例A

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    あるサイトで精神分裂病(現在は統合失調症)に関して詳しい記載があると知り購入した。
    興味深く面白い内容で一気に読んだが、結末に至る最終段階が少し早急過ぎる印象を受けた。
    物語は精神病院と博物館の話しが並行して進む。
    2つの話しといくつかの謎が一点に集約していくのはミステリーの醍醐味である。それは本作品でも味わえる。
    なお、舞台となっている世界は時代的には一昔前である。

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    2020年02月26日
  • 症例A

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    ある精神科病院に新任してきた若手医師が主人公。前任の医師が事故死したため、彼の患者を引き継いだのだが、その中に統合失調症とうたがわれる厄介な10代の美少女の患者がいた。主人公はほかの病気の可能性も疑いつつ治療を進めていくが、彼女の自由奔放で天真爛漫な態度に振り回されそうになる。そんな中、彼女の担当臨床心理士から多重人格の可能性を指摘されるが主人公は受け入れられない。しかしある事がきっかけで多重人格に対する認識を改め、例の患者に対しても多重人格の可能性を疑い始めた時に見えていなかったものが明らかになっていく。

    ひとことで言えば、多重人格ってあるんだよという話。
    1人の患者のせいで医師や看護師が

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    2019年11月05日
  • 症例A

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    ネタバレ

    途中までとても面白かっただけに終盤が残念。
    あさみの症例がわかったのなら、診断を受けている過程の描写を読みたかったなと。

    多重人格について全く知らなかったので勉強になった。
    精神世界の知識がないので知りたいと思ってしまった。

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    2019年10月19日
  • 症例A

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    多重人格を扱った小説なので、てっきりどんでん返しやサイコな感じの内容なのかと思ったけれど、かなり真面目な話でした。
    先の見えない精神病治療に、何だか読んでいる私も鬱々としてきてしまう。

    一見関係のなさそうな精神病院の話と博物館の話がどう繋がるのか、と思い最後まで読み切りましたが
    これは病院の話1本でも良さそう。

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    2019年04月29日
  • 感傷コンパス

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    初読みの作家さん。
    新米の若い教師が田舎の分校小学校へ赴任するという、
    割とあるあるな設定。
    しかしこのベタさが嫌いじゃない。

    教師として色々と迷いながらも真っ直ぐに生徒たちと向き合う主人公。
    最後の最後で自分の心を打ち明けた朱根に涙しました。

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    2019年01月11日
  • 症例A

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    精神科医の榊が診る、精神分裂病なのか、境界性人格障害なのか、はたまた解離性同一性障害なのかという十七歳の亜左美をはじめ濃やかな描写や診断が興味深い。解離性同一性障害の症例の怒濤の描写も飲み込まれるよう。一時は濃密すぎて現実に侵食して来そうなくらい凄まじかった。その分もまだ途中のような終わり方が残念。

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    2018年10月09日
  • 追憶列車

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    多島斗志之の短編集。以前に読んだ本もレポートを脚本化したような話だったので、ミステリではないだろうと思ってはいたが、結構多彩なのね。

    最初の2作は、現代もので、うち1作はブラックユーモアっぽく軽くて読みやすい。表題作を含む後半2作は時代物というか、そういう背景での文学。

    日本人の幼妻を貰った、裏切り者でドイツには入国できないのユダヤ人を眺める日本人からの視点や、幕末の斬り斬られる時代における、復讐で追われている者を逃したい視点など、それぞれの葛藤をうまく描いている。

    ただまあ、読みづらいんよね。特に幕末。敵味方が解りづらいというのは、侍ものの宿命なので仕方のないところで、そこをそれなりに

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    2018年02月06日
  • 症例A

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    ネタバレ

     精神科医の榊による美貌の17歳の少女,亜左美の治療のパートと,博物館の職員である江馬遥子が中心となり調査をする美術品疎開についてのパートからなる,独特の雰囲気のミステリ。「解説」にもあるが,精神医療のパートについて,精神科医と臨床心理士との関係などの精神医療の現場の様子がリアルに描かれており,読み応えがある。多数のエピソードが多層的に描かれている作品であり,それぞれのエピソードが重いのだが,かなり印象に残る。
     まず,榊と苗村加奈とのエピソード。苗村加奈を境界性人格障害と診断し,治療を試みるが,疲弊し,最後は苗村加奈の自殺と榊の離婚という形で終わったという部分は,重い。また,苗村加奈の本当の

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    2022年11月13日
  • 症例A

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    精神分裂症や境界例、多重人格などの精神の病を非常に丁寧に描いた秀作でした。途中、博物館の件をどうやって回収するんだろうって考えていましたが、とても上手く回収して、一本取られちゃいましたって印象です。ただ本戦も伏線も上手く引き込み線を入れたって所で終わっちゃってるのでもう少し掘って欲しいところがいっぱいで、どうも消化不良気味です。けどちょっと多重人格の説明の件では、合点のいく解説ではありましたが余りにもあっさり受け取っちゃってて、アララって印象はぬぐえませんでした。
    面白い本なんですけど…500ページ越えの大作ならもうちょっとズシリと落ちる感動が欲しかった感じですね。

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    2015年07月29日
  • 離愁

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    読んだきっかけ:100円買い。

    かかった時間:3/16-3/18(3日くらい)

    感想: 多島斗志之、2冊目。「症例A」が面白かったので買ってみた。内容は、家族の絆、人の気持ちの理解とか、そんなものか。
    地味だけど、するする読めます。
    舞台は戦後だけど、戦前、戦中を通してのエピソードを辿る物語です。最後は急ぎすぎてる印象。上下2冊くらいにして丁寧に堅ってもいいかも。

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    2013年03月31日
  • 症例A

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     当時、精神鑑定による犯罪容疑者の責任問題がよく取りだたされていて、この本もその時流にのって刊行されたように記憶しています。
    気合が入っているというか、情報量がすごくて、相当な資料を駆使して書かれたことがわかります。たぶん難解な症例なんかも、読者にわかるように心を砕いて書かれているので、どんどん物語の世界にのめり込んでいけました。
     ただ… ラストが… 残念ながら☆3つです。

     数年前から著者の多島さんは行方不明で、交番にも失踪人のポスターでいまだに出てますけど、まだ見つからないのでしょうか…
     こんな力作を自分みたいな輩がダメだしするんだから、イヤになってしまったんですかね… 作家って大変

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    2017年08月15日
  • 離愁

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    物語の大部分が手紙であったり、回想であるため、淡々と進んでいく。
    が、淡々とした中にも深い感情が見え、またその時代背景も詳しく描かれており、他にはない良作だと思う。

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    2011年01月16日