多島斗志之のレビュー一覧

  • 症例A

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    時間をかけて丁寧に書いたものなんだなと、ひしひしと伝わる作品だった。
    作家志望だった精神科医が事実を物語として書いたんじゃ??って思うくらいだった。

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    2016年06月11日
  • 症例A

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    ネタバレ

    精神科と厄介な患者の話と、平行して博物館に保存されている物品の真贋の話。以下どう書いてもネタバレなので、その辺はご了承ください。

    精神科の患者が異性であり、さらにパット見は自分について外から見ているような冷静さを持っているという、だれがどう見ても厄介な症例と、過去に似たような患者での失敗。手詰まりな状況はほぼホラーと言えそうな状況。

    一方で、博物館の所蔵品に偽物があるという古い手紙。

    巻末の膨大な参考文献からも分かる通り、主題は前者のストーリだし、博物館関係者も精神病を病んでいるわけで、この本、出てくる人の90%はビョーキなのだ。

    ブレイクスルーになる、多重人格については、ちょうどシュ

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    2016年01月29日
  • 追憶列車

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    100円コーナーでゲットした、軽く読める短編集。

    多島氏の創作の傾向がなんとなく窺い知れる。

    「追憶列車」切なさ瑞々しさと、ミステリ的反転、叙情に富む幕切れ。傑作「黒由合」の原型を見た。

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    2015年05月20日
  • 追憶列車

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    2014/8/17
    症例Aを読んでよかったので、短編集も読んでみた。

    意外といろんなタイプの話があり、どれも読みやすかった。オチもすっきりとしていた。お蝶ごろしは特によかった。

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    2014年08月18日
  • 症例A

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    精神医療をテーマとした長編。
    興味のある人にとっては勉強にもなるしおもしろいと思う。

    でも、ラストは陳腐。もったいない。

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    2019年01月16日
  • 離愁

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    静かな語り口。丁寧につづられていくエピソード。ゆっくりと流れていく時間。多島氏の作品を読むといつも同じ感覚を味わう。
    共産主義運動やゾルゲ事件など、そのあたりの歴史的な背景には全く疎い私だったが、それをモチーフに紡ぎだされた本作は、派手さはないが、読み終えてじわじわと何かが胸に広がる、余韻に思い切り浸れる秀作だった。

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    2010年08月04日
  • 離愁

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    すべてが済んでしまった後に過去を紐解いていく…、という設定に、蓮見圭一氏の「水曜の朝、午前三時」を思い出した。

    カヴァーに書いてあった“渾身の純愛小説”というキャッチを見た時は少し気持ちが萎えて読むのをやめようかとも一瞬思ったが、そこは多島斗志之氏のこと、上手くミステリー風の味付けを採り入れて飽きさせない作りになっている。
    文章も無駄なくきれいなので読みやすい。

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    2009年12月23日
  • 追憶列車

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    5つの短編は時代や設定は様々だが,
    共通点は人の情念にスポットを当てていることである。
    やはり,著者の心理描写は秀逸である。短編の完成度は高い。
    また,ミステリー要素も含まれており,その点も楽しめる。
    個人的には「お蝶ごろし」が良かった。

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    2009年10月04日
  • 黒百合

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    読みやすい文章でサクサク進む。どこがミステリーなんだろうなぁ、と思って最後の数ページで、ああそう言うことかと。まぁ小説ならではのトリックだよな。
    あと、昭和と西暦がごちゃ混ぜでややこしい。表現はもう少し分かりやすくしてほしかった。
    面白かったけど、もうワンパンチあっても良かったなぁと思った。少しだけ物足りないなぁ。

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    2025年06月12日
  • 黒百合

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    [1]ボーイ・ミーツ・ガール&三角関係が昭和二十七年の物語で、昭和十年のベルリンでのできごとと昭和十五年〜二十年の過去話も描かれるがどういうつながりがあるのかわからない。同じ名の人物が出てはいるのだが。
    [2]ミステリのつもりで読み始めたのにミステリらしくない淡々とした展開に、これはたぶん叙述トリックものやろうなあと思っていくらか警戒して読んだので結末は予想の範囲内に収まった。
    [3]真相は読者にしかわからず、昭和二十七年の少年少女が狂言回しのためだけの存在に終わったのが残念かも。こっちはこっちで事件と謎が、もしくは真相を暴くような活躍が欲しかったかも。

    ■簡単な単語集

    【相田真千子/あい

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    2024年05月09日
  • 症例A

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    ネタバレ

    読んでいてノンフィクションではないか?と思うぐらいリアルに感じる小説でした。
    多少精神の知識を持っている自分からしたらほんとにリアルで、コミュニケーションをとる時にも何処か別の世界にいてさらに電話越しに話しているそんな感じをとても詳細に書いていてどんどんのめり込んでいきました。
    この小説を読んで改めて精神を型にはめるのはどうなのかとも思いました。確かに治療という行為を行う上で伝えるときや定義等はしっかりするメリットはあると思うが、それを決める事で先入観や思い込みというデメリットも生じてしまう。
    この小説を通じさらに自分の精神の特徴を知りたいと思えるようになりました。

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    2024年04月15日
  • 黒百合

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    昭和10年と27年を行ったり来たりしながら、会話の中の登場人物の関係が明らかになる。ずいぶんと狭い世界にいるのか登場人物が錯綜しててなるほどねー、という感じではあるけど感動するドラマとかトリックみたいなものはなかった。

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    2024年03月29日
  • 黒百合

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    ジャンルはミステリだし、まあ騙されたが、あまりスカッと系ではなかった。半分以上を占める少年少女3人の六甲物語が良いし、それを中心に時折別の物語を挟みつつクライマックスへの急加速は面白かった。構成上仕方ないところもあるが、人物相関がややこしい。

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    2023年01月15日
  • 黒百合

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    経験していない体験が、生まれていない時代の思い出が浮かんでくる、不思議な話。ミステリとか叙述とか、それはともかく、もう一度読み返すという行為で、思い出してみようかと思う、そんな作品。

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    2022年12月18日
  • 黒百合

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    多島作品を読むのは三作目ですが、作品ごとにまったく違うテイストに仕上がるのに驚きます。
    『症例A』がサイコサスペンス。『二島縁起』が冒険・ハードボイルドに歴史要素を組み入れたミステリー。そしてこの『黒百合』は少年のみずみずしい筆致が印象に残る青春小説の味わい。作家名を隠したままそれぞれの作品を読んだら、同じ作家の作品とは気づかないかもしれない。

    この小説では三つのエピソードが語られます。昭和27年、夏休みに避暑地に訪れた14歳の少年が同年代の男の子や少女と交流を深め、淡い恋心を抱いていく話が中心となります。
    合間に挿入されるのは、昭和10年のドイツベルリンを舞台に、電鉄会社の会長や社員が出会

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    2022年09月29日
  • 症例A

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    精神診療におけるお話。
    興味深いテーマとして読み始める。
    精神疾患は難しい。データや数値には表す事が出来ない中で診察が進められる。

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    2022年09月05日
  • 黒百合

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    真実を知った時、頭を掻きむしりましたね笑
    何でミスリードをしてしまったのか。。
    予想する → 分析する → ミスリードする → 真実知る

    頭を掻きむしるよね、本当に。うわぁぁぁぁ!

    作品内容は面白かったです。
    ガキンチョとその親達の恋模様と訪れていた別荘地で
    起きる奇妙な事件。ベルリン&空襲。
    これ以上、書かないどこ笑

    ただ、家族構成が分かりづらく読み手を混乱させます。
    且つ多島先生の文章力で絶妙にカムフラージュさせ
    頭を掻きむしる事になります。さすが、小説家。

    解説とかも無いので、「?」で終わる方も多いかも。
    今後読む小説で分析の知識を得ました!

    もう、ミスリードはしない笑

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    2022年06月16日
  • 黒百合

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    本屋でふと目にして購入。最後まで読んでなるほどとは思ったが、事前に帯の宣伝で期待しすぎたせいか、ミステリーとしては、ちょっとがっかりしたところも。主人公の若かりし頃の恋の思い出語りを楽しむのがよい。

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    2022年05月26日
  • 黒百合

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    夏休みの淡い恋模様と大人たちの過去の話。
    一番最後で真相がわかって、
    絶対最初から読み直したくなる系ミステリー。

    本当に最後の最後まで騙されてた!
    脇役だと思っていた人が実は…というのは
    やっぱり驚きますね!

    読み直すと驚くくらい超緻密に構築されてて、
    些細な描写が重要なヒントになっている。
    「ここもそういうことだったのか!」
    って感動することうけあいだ!

    でも、話の大筋はわかったけど、
    モデルの小林十三氏についてとか
    挿入されているラジオドラマについてとか
    もうちょい調べればわかることがありそうだし、
    進が香にあげた白百合と黒百合の対比とかも
    意識されてそうだから、
    まだまだ気づけてな

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    2022年03月12日
  • 黒百合

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    本格推理苦手なのに定期的に読んでしまう不思議。そして見事に騙されます。今回もきれいに騙されました。
    少年少女たちの淡い恋情と、その親世代の薄暗い愛憎が交互に描かれますが、少年少女たちのひと夏の思い出の部分にばかり頭が行ってしまい、推理に必要な部分には全く興味が沸かない体たらく。嗚呼やはり私は阿保だった。

    青春的な部分だけ書きますと、短期間で会わなくなってしまうけれど淡い恋を抱くというのは、少年時代の通過儀礼ですよね。本当に好きならば万難を排して会いに行く所でしょうが、小中学生の頃はちょっと離れただけであきらめざるを得ないですから。自分の昔を省みても少々甘酸っぱい気持ちになります。

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    2022年02月22日