清水真人のレビュー一覧
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マルクス・ガブリエル氏が新しい資本主義を説く「倫理資本主義の時代」のなかでコリン・メイヤー氏の著作を参照していたことからメイヤー氏の考えや取り組みに興味を抱き、メイヤー氏の最新作である本書を読んでみました。本書はメイヤー氏の資本主義3部作の最終作に相当するもので、資本主義を再構築するための基本原則と具体策が提示されています。新しい資本主義の世界は、問題解決型資本主義と呼ばれています。他者に問題を引き起こしてではなく他者の抱える問題を解決して利益を得るという世界です。現在の資本主義から新しい資本主義へ進んでいく上での具体策を様々な取り組みを示しながら丹念に説いている。読み込むのに骨が折れたが仕事
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「平成デモクラシー史」清水真人
政治ドキュメント。オーク。
政治とは制度の上で繰り広げられる駆け引きである、という視点から、平成の政治史を大きな転換期ごとに描いたドキュメント。
80年代後半生まれの僕にとって、平成の政治とは、派閥争いであり、権力と汚職であり、演出された劇場だった。
中学校の公民の授業で習う、議院内閣制や三権分立の理念と、日々ニュースで流れてくる『政治屋』の人々の言動に、つながるところを感じないまま大学生になり、社会人になり…、会社の組織の構造に馴染んでもなお、社会と政治の構造には疎いままだった。
ようやく30代(!)にして、この国の(少なくとも骨組みは)どうやって決まっ -
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【この時代を画するキーワードは「政権交代」と「首相主導」である】(文中より引用)
55年体制の崩壊に加え、2度の政権交代も実現した平成時代の日本政治。膨大な証言や記録を紐解きながら、政治組織体や統治機構がどのような変化をたどったかを考察した作品です。著者は、日本経済新聞の記者として派閥の取材にも当たった清水真人。
多くの党や人物が表紙を飾った平成期の政治を振り返る上で大変参考になる作品。権力の在り処とそれをめぐるゲームのルールがどのように変化を重ねたかがよくわかる一冊です。ジャーナリスティックな記述もあり、読んでいて飽きがこないような書きぶりになっている点も高評価。
ハードカバーにしても -
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衆議院選挙に小選挙区比例代表並立制を導入した政治改革をはじめとする統治構造改革がもたらした「政権交代」と「首相主導」をキーワードとする「平成デモクラシー」という枠組みに立脚して平成の日本政治史を叙述。
平成の統治構造改革が日本政治に大きな変容をもたらしたことを、小沢一郎が主導した政治改革の始まりから橋本行革、小泉「革命」、民主党政権の実験と失敗を経て、現在の「安倍一強」の状況までを振り返ることで示している。そして、現在の「安倍一強」状態の安倍政権は、政権選択を実質的に封じ込める狙いで解散権を行使しており、政権選択と首相主導という「平成デモクラシー」の両輪のバランスを揺るがしていると指摘している -
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丸山真男が、日本のジャーナリズムには、政局報道はあって、政治報道はないと喝破されているが、
新聞によっては、どの政治家とどの政治家が、会食して、どーのこーのと批評、評論をベースにしない、実につまらない記事に遭遇する事がある。
最後まで読むと、著者は、新聞記者であったようだ。
新書ではあるが、アカデミックや学問的とは少し違った、読み物として面白い本となっている。
官僚主導から政治家による政治主導の政治へのチャレンジを基調に、統一感がある感じで、政治家の肉声を交え、つまらない政局報道とは画した形で、平成の権力を巡る人間ドラマが、読みやすい形で提供されている。
非常に大分であるが、スラスラ読めます。 -
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ネタバレ55年体制下の大蔵省から、省庁再編後の財務省に代わり、二度の政権交代を経て役割を転じた財務省の実際に迫ったもの。かつての、調整役・憎まれ役をしていた時代とは法的権限も変わり、求められる新たな役割を模索している財務省。ある意味、大蔵省優勢下の政治状況を撃つ崩すという政の悲願は達成されたものの、政も官もその後の新たな構造というか関係というか役割分担を見いだせずにいる現状。明日はどっちだ!?
そして、民主党政権時代について複数の新たな知見を得ることができたことは特機に値する。
一つ:小沢一郎が自民党幹事長だった時代は、ほっといても財政が健全化するタイミングだったので、『財源は言えば出てくる』は彼が本 -
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平成は、1989年1月8日に始まり、2019年4月30日の平成天皇の生前退位により終わる約30年間の時代を指す。実は、この間に政治の世界では大きな変化が起こっている。その変化は、一つはシステム・制度の変化であり、もう一つは、その変化したシステム・制度の変化をうまく利用できた政権と全くうまく利用できなかった政権が生じたことによる、現実世界の実態的な変化である。
前者の制度的変化は、「小選挙区制の導入」「政党助成金制度の導入」「政治主導」「首相官邸の機能強化」「中央省庁再編」といったものがあげられる。
小選挙区制の導入により、選挙結果が大勝・大敗に大きく振れるようになり、二大政党制・政権交代が起 -
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平成を駆け抜けた政治のダイナミズムを臨場感たっぷりに楽しむことができた。
「事実は小説より奇なり」とはいうものだが、まさにこの30年間の政権を巡る争いは、非常に興味深く、そこには確かな必然性を帯びたストーリーがあった。
改革に向けて、制度が変わり、個性的なプレーヤーが入れ替わっていく。いまの自民党政治体制に至るまでなにがあったのかよく理解できた。
そしてなりより小泉純一郎のリーダーシップに強く惹かれる。しがらみや前例にとらわれず、自分の信念に従って、時に犠牲を払いながらも、突き進む姿は、自民党のみならず、族議員が跋扈した前時代の「政治家」をすべてぶっ壊したのかもしれない。 -
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タイトル通りの内容だが実に重厚。冷戦終結/バブル崩壊→政治改革(選挙改革)→行政改革→官邸機能強化という太い平成デモクラシーの政治過程におけるかなり細部までを語った力作。この30年間の日本の政治を流れで掴むにはうってつけの本かと思う。読んで思うのは、平成の政治を形作った主役の一人は間違いなく小沢一郎であったということ。彼が構想し、実現し、そしてぶっ壊し続けたのが平成の政治。そしてその中で数々の人間ドラマが繰り広げ荒れるわけだが、最終的に残るのは人ではなく制度であるところが面白い。(そして、小沢一郎が天下を取った訳でもない)
選挙制度を変えると、これほど政治のガバナンスそのものが生き物のように