清水真人のレビュー一覧

  • 平成デモクラシー史

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    衆院小選挙区制が導入されて以来の、首相の「政治力」を巡る政局の推移(小泉から民主党、そして安倍)を、徹底してジャーナリスティックな手法で記した労作。日本の政治の中枢がどのような力学で廻っていったのか、後世の資料となることを狙っているのかな。

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    2018年10月14日
  • 財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像

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    大蔵省、財務省が、その時々の政権と、どのように関わってきたのかが、重要な改革(省庁再編)から時代を追って書かれています。かつては最強官庁と言われていたものの、政治主導の世論を背に受けた、首相による圧力に翻弄され、苦労する実態を詳細に知ることができることは大きかったと思います。必死になって勝ち取ったものの、実は双方痛み分けという現実がこの世の中には多いのだということ、完璧には物事は決まっていかない、流動的なものであるということ。政治の世界もそうなのだと、その生々しさを読むことで知ることができました。税金をめぐる戦いはまだ続いているということもわかりました。

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    2017年01月19日
  • 財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像

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    大蔵・財務省は「最強官庁」と呼ばれる/呼ばれていた。官房長官を名指して「彼に聞いても何もわかるはずがない」と言い切ったという話だから、確かに彼らはそれほどの権力を持っていたのかもしれない。

    ではこの財政状況は、一体どうしたものだろう。もし財務省が本当に「最強」の力を持っていたのだとすれば、GDPの二倍もの借金を背負い込むはずがないではないか……。
    という疑問に、当時の政治状況や、政治家や議員、官僚といったプレイヤーの動きを追いながら答えてくれるのがこの本。

    ごくごく大雑把に要約すると、財務省は確かに調整能力で他の官庁や政治家よりも優位性を持っていたけれども、小選挙区制以降、相対的に力を弱め

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    2016年04月27日
  • 財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像

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    本書は、「55年体制の爛熟期から安倍政権まで、大蔵・財務省と政治の綱引きを追い、それを平成の統治構造改革の潮流にも位置づけて実像を描き出す試み」であると著者は言う。確かに、財務省を軸とした主に1990年代以降の日本政治史としてよくできていると思う。著者はベテランの経済記者だけあって、取材の蓄積に裏付けられた重厚なドキュメンタリーになっている。
    「最強官庁」と言われる財務省(大蔵省)だが、90年代以降、政治との関係では苦戦を強いられることが多かったことがよくわかる。大蔵省が最強官庁であるゆえんは、予算編成権というのもあるが、55年体制下の自民党との蜜月関係が大きかったのだと思われる。それが崩れる

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    2015年12月07日
  • 財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像

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    55年体制末期の竹下による財務省コントロールは、財務省インテリジェンスを基礎に外交・皇室情報なども合わせて半年・1年先の政治日程を主体的に制御する手法であった。これにによって中長期の政局シナリオを描き、着地点から逆算して今打つべき手を熟考することができた。
    本書は、竹下以降、平成になってからアベノミクスに至る、政治と財務省の二重螺旋運動のような経緯を、日経記者としてウオッチし続けてきた清水がクロニクルとして解説したもの。

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    2018年10月19日
  • 財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像

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    ネタバレ

    政治と財務省の関係を時系列を追って記述し、その立ち位置と絡みの深さを事実として示した2015年の本。元日経記者というだけあって淡々とフラットに書かれている。
    自民党長期政権と大蔵省の体制の序章から始まり、バブル崩壊後の新党さきがけへの政権交代、金融危機と大蔵省解体とどんどん進んでいく。

    政治や経済に詳しくない自分にとって、「常識やぶりの驚天動地」として書かれていることも今ひとつ分かりづらく、数多く出てくる人名に馴染みもなく、読み進むのに苦労した。記者として中立の立場を維持して書きたいのはわかるが著者は財政規律派だろう。ある程度主張の入った解説を混じえてくれるほうがわかりやすいのにと思う。

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    2025年06月08日
  • 資本主義再興 危機の解決策と新しいかたち

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    この本が唱えることは、
    「他者を犠牲にして利益を得るという無責任な行動を抑えることができれば、厳格な規制を設ける必要がなくなり、起業は自分たちで自由に意思決定を下せるようになり、その結果、自由市場や競争が効果的に機能する」(P378より)
    なんだとおもう。

    個人的にはここまで理解するのに少し時間がかかった。
    前半はやや冗長的で読みづらかった印象。
    もう1回読んだら印象が変わるかも。

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    2025年03月23日
  • 株式会社規範のコペルニクス的転回―脱株主ファーストの生存戦略

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    ネタバレ

    フリードマン ドクトリン
     自由競争の下でより多くの利潤を挙げる活動を行う
     株主は企業を所有

    バランスシート=物的資本  人的資本、社会資本、自然資本 は反映せず
     競争が持つ重要性は他の要素(協力関係)を犠牲にしてもたらされたもの? 
     脆弱なインセンティブ メカニズムに依存

    価値  
     会社を構成する要素の頂点に位置付け
     生命の進化とは無関係
     結果に対する合理的評価を反映
     金銭的価値の最大化の機会 ↔ 意識を持った生命体 →拡散 永続性 多様性

    株式会社の推移
     大航海時代の国王の特許状による商事会社
     運河や鉄道を建設するための公的株式会社
     19世紀からの準則主義による私

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    2021年10月14日
  • 財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像

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    ネタバレ

    雑誌か新聞の書評にて紹介されていましたので、手にとってみました。著者は日経新聞の編集委員で、財務省と政治の関わりを長年に亘って取材してきました。その大成が本書です。

    官庁の中の官庁として、戦後55年体制の中で行政の中核的役割を果たしてきた大蔵省が、93年の自民党下野、バブル崩壊による金融危機、そして小選挙区制への移行に伴う内閣主導の政治体制への流れの中で、財務省と金融庁に分割されます。そして、官邸との調整や間合いの取り方が重要になって来ている現状を活写しています。

    バブル後の税収の減少と高齢化による社会保障費の増大で、悪化する一方の国家財政の再建について、そして安倍内閣が推進するアベノミク

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    2018年12月02日
  • 財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像

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    本書に取り上げられているエピソードは政治記者ならではの裏話的要素があるので、多くの人が楽しめるだろう。
    ただし、この本に書かれた政治・経済の現象に対して、著者はどんな思いなのか、どうすべきだと考えているのかはあまり書かれていない。
    'So what?'というのが感想である。

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    2016年04月24日