久保寺健彦のレビュー一覧

  • 青少年のための小説入門

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    中学の入江一真は、不良の同級生に強制され、ヤクザのいる駄菓子屋で万引を命じられ、田口登に捕まる。やくざ者の田口は一真から事情を聞き、一真に命じたのは、本の朗読をすることだった。実は田口はディスレクシアで、文字の読み書きができない。しかし、幼少時から物語や小説が好きで、祖母から読み聞かせで一度聞くと、話を完全に覚えつぃ舞うほどだった。そして田口から一真へ提案される。「小説を書かないか?」

    すごい。550ページで文字もさほど大きい文庫ではないが、一気に読んでしまった。導入から出会いまでの50ページは、言ってしまえばベタなんだが、そこだけで、この本は面白いぞという雰囲気を感じ、読みすすめるごとにそ

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    2024年09月19日
  • 青少年のための小説入門

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    ☆4.5

    ディスレクシアの不良青年と、受験失敗して余計に弱気になった少年の二人が、一緒に小説をつくりデビューを目指す青春小説。

    青春のヴィヴィッドな瞬間と、青年が属する暴力的な世界がある。
    こんなに熱と力のある作品はなかなか出会えない。
    ただ口だけで作家になりたいと言っているだけではない二人。
    はじめこそ強引さと戸惑いしかなかったはずだけど、すぐに同じ熱量を持つコンビになり、わかり合える相棒となった。
    二人の研究の姿勢がとにかくすごい。
    本当に作家になりたい人の小説家入門としても優秀だし、読みたい人のガイドブックとしても最高で、たくさん出てきた作品たちのことも読みたくなった。
    二人が目指し

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    2024年07月06日
  • 青少年のための小説入門

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    ディスレクシアのヤンキーと中学受験に失敗した少年がコンビで小説家を目指すお話

    公式のあらすじは以下の通り
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    「すげえの書いて、デビューしようぜ」
    落ちこぼれヤンキーといじめられっ子中学生が、小説界に殴り込み! ?
    小説家を目指すデコボココンビの奮闘を描く、渾身の青春長編小説。

    小説家となった入江一真(かずま)のもとに、一枚の葉書が届く。とぎれとぎれの字で「インチキじゃなかったぜ」とだけ書かれたその手紙は、もう20年ほど会っていない「元相棒」から送られてきたものだった――。

    1982年4月、中学2年だった一真は、万引きを強要された現場で、ヤンキ

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    2023年10月18日
  • 青少年のための小説入門

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    面白かった。
    一気読みできる作品だと思います。
    ただ、私は一気読みするのが勿体なくてそうしなかったけど。

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    2023年06月10日
  • 青少年のための小説入門

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    面白い!
    久しぶりの一気読みだった。2人の主人公の掛け合い、小説のお話しなど、ふんふんそうだなあーって思ったり。
    本好きの人におすすめします♪

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    2023年04月26日
  • 青少年のための小説入門

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    良作でした。
    また素敵な本に出会ってしまった。

    ディスレクシア(学習障害の1つ)の不良・登といじめにあってる中学生・一真が出会い小説家を目指す物語。
    発端は登が店番をする駄菓子屋「たぐち」で一真がいじめで万引きをさせられたこと。妙な縁で始まった2人の関係が、ともに小説を創りあげる過程で変化し友情が育まれてゆく。

    2人が小説を書くための研究の様子はなかなか興味深い。
    小説を生みだすために注ぐ熱量、友情、家族、恋、ままならない現実。すべてに心を動かされ夢中で読みました。
    全編を通しておばあちゃんの登への深い愛情をひしひしと感じる。
    エピローグを読んでしんみり…。
    展開も人と人との関わりも、登場

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    2023年02月13日
  • みなさん、さようなら

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    貴志祐介さんがおすすめしてたので読んでみたら、すっごく面白かった。同期の人たちがいなくなっていく様がちょっとデスゲームっぽくって好き。ケーキ屋のおやじ、いいキャラしてたなあ。

    久保寺健彦さんはしばらく沈黙してたけど、去年ひさしぶりに新刊『青少年のための小説入門』を出しましたね。これもおもしろかったです。

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    2019年07月07日
  • ハロワ!

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     タイトルの通り、ハロワで働く主人公が、癖しかないひどい求職者たちと仕事について向き合うお話……と書くと、まじめで道徳的なお話のようだが、出てくるみんなが愛すべきポンコツなので、読んでいて「そりゃないだろ」と噴き出すことしばし。落語っぽい。そして、でこぼこのある人たちが、でこぼこのまま補い合うわけでもなく、良いところがマリッジして幸せになるわけでもなく(なってるのかもしれないけど)、駄目なところがあってもいいじゃない、人間だものって気持ちになる。面白い。

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    2019年04月15日
  • みなさん、さようなら

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    映画を見てからの小説。同級生たちが次々と新しい道を進む中、1人でそこから動かない主人公が痛々しく悲しい。団地の老朽化による環境の変化が拍車をかけている。

    でも、何度逆境が訪れても自分の生きる方法を模索し行動できる主人公はただただ凄い。

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    2019年02月14日
  • みなさん、さようなら

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    ネタバレ

    時間としてはほんの17年。
    17年あればゼロから初めて再度ゼロになって、という人生のサイクルを繰り返すことができる。
    渡会悟君は、団地から出られなくても、そのサイクルを回すことが出来た。
    反して団地から出ていても、サイクルを回せない人間はいる。僕みたいにね。
    人生のサイクルを回すべきだと、この本を読んで思った。

    ところで、ヒーさんが連れてきた大学生。彼はなんだったのだろう?

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    2016年03月04日
  • みなさん、さようなら

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    今年見た本で、『ふがいない僕は空を見た』に次いでいい本かもしれない。

    泣けた!
    リアルだった。
    ぜったいどこかに、こうやって廃れていってる団地がある。

    気に入った。
    結局、彼にいちばん影響を与えていたのは、スーさんだった。

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    2013年08月05日
  • みなさん、さようなら

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    ネタバレ

    団地で一生生活すると決めた主人公の少年・渡会悟。彼の生活は、引きこもりではなく、極めてストイック。極真空手家・大山倍達に師事(といっても関連書を団地内のコミュニティセンターで読み漁り)し、体を鍛えに鍛え続ける。勉強もコミセンの図書室で行い、仕事、恋愛、失恋、人生のイベント全てを団地内で経験していく。序盤ではその理由は語られないけれど、団地に執着する本当の理由を知りたいとページを進めることに。最近ドライアイになった僕の目が思わず潤みました。
    *文庫版で読むときは裏に書かれてある「あらすじ」、読まないことをお勧
    めします!

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    2012年12月10日
  • みなさん、さようなら

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    中盤、涙が止まらなかった。

    幼い頃に負ってしまった心の傷を抱えながら、どうやって大人になっていくのか。どんな人生を送るのか。。
    どれだけの深い苦しみを抱えながら必死に生きているのか。。
    主人公の奇妙な行動の裏には深い心の傷。それに気づいた時、涙 涙 涙。

    終盤がなんだかあっさりだったのが残念ですが、面白かったです。

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    2012年11月10日
  • オープン・セサミ

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    面白い!

    今読むべき作家と帯で仰ってたけど、
    その感じ凄いわかる

    おとなになっても、毎日が新しい日々
    最後のおっさんの話ぐっときたなあ

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    2012年10月21日
  • みなさん、さようなら

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    ネタバレ

    ある事情により団地から外に出られなくなった少年が、
    ミクロな世界で日々を生き抜く姿を描いた青春小説。
    …と書くと、どんより暗いネガティブな物語を想像しがちだが、
    物語の語り口調はむしろ明るくポジティブに近い。

    関わる人間も起こる出来事も全て団地内に限定されるため、
    主人公を取り巻く世界は確実に狭いのだが、
    そこでの様々な経験は、広い世界で日々をぼんやり
    生きているよりも、よほど濃密である様に感じた。
    主人公は「引きこもり」であるが「リア充」でもあるのだ。
    (世間一般の「引きこもり」、「リア充」とは性質が異なっているが)

    物語の後半、主人公が団地で培ってきた技術を使って、
    男としての勝負に挑

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    2012年06月01日
  • すべての若き野郎ども

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    セブンのキャラや戦い方に大笑いしちゃいました。
    恭平や達夫の生き方、かっこいい!
    そして薫も魅力的・・・。

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    2011年11月22日
  • 空とセイとぼくと

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    なんだろう、この読後感。間違いなく泣くんだけど清々しいというか。寂しいというか。犬好きな人にはちょっとたまらない小説です。人間好きな人にもお薦め。

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    2011年10月25日
  • すべての若き野郎ども

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    最初は「ヤンキー小説!?」とドキドキしたけど、大丈夫!
    面白かったです。痛快!
    ウルトラセブンが観たくなりました。

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    2009年10月10日
  • みなさん、さようなら

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    ある事件をきっかけにトラウマで団地から出れなくなり、団地以外の世界に足を踏み込めない。
    トラウマって本当に脱却するまで時間がかかるし、たとえ最愛の人が協力しようとも結局は自分の問題なので、自分が解決するしか方法はない。
    改めて、トラウマって根強く残るしがらみだなと感じた。

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    2025年08月05日
  • 青少年のための小説入門

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     ディスレクシアを主とした発達障害を持つ登をキーパーソンにして、内気で覇気の足りない秀才・一真に作家としての素養を(結果的に)養わせるという設定は斬新でおもしろい。

     さらに「朗読」をうまく使ったのも気に入りました。結末もよかった。

     しかし惜しむらくは、ストーリーを支える要素に無理筋と思えるものがいくつかあったことでした。

     ファンタジーとして書かれているわけではないので、ある程度のリアリティは保って欲しかったと思います。 
     そこがどうにも気になったので☆を1つ減らしましたが、以後の作品にも十分期待をしています。

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    2021年12月03日