久保寺健彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2007年発表、久保寺健彦著。小学校の卒業式で起きたある事件をきっかけに団地から出られなくなった悟。団地内には彼が務めることになるケーキ屋をはじめ、幼稚園や医院があり、彼は一生団地で生きていくことを決心するが、団地に住む同級生達は一人また一人と去っていく。
全体的に主人公の少し頭の悪い感じに馴染めなかった。特に致命的なのが、たまに当たり前の単語や地名を主人公が知らなかったりする描写があること。彼は団地内の噂を聞ける立場にいるわけだし、本だってたくさん読んでいるのだから、ちょっと描写としてやりすぎだろう。
主人公の引き籠もった理由に関しては一応納得がいったが、何だか少しありきたりな気もする。ラストシーンもそうだが、著者が設定として配置したという感じが滲んでしまっている。そのシーンに絡むキャラの深みがもっと描写されていれば、そうは感じなかっただろう。
その他のストーリーに関しては割とよくできていると思う。一点不満だったのは、団地が滅びる寸前に主人公が出て行ってしまったこと。あくまで主人公の物語なのでしょうがないのだが、もし仮に団地の滅びる時点までしっかり描き切れたならば、時代を象徴する名作になっただろう。