樫木祐人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ますます、ファンタジー要素の強い日常コメディとしての面白さが高まり、同時に、私の中の「好き」も強まっている作品
漫画読みとして、「好き」を熟成させながら、気長に待てる作品を持てるのは嬉しい限り
この『ハクメイとミコチ』が、私と同じくらい、もしくは、私以上に気に入っている読み手は多いだろう
なので、どこが素晴らしいか、その点を聞いてみたいが、論議する気は毛頭ない。自分の口下手さを自覚しているってのも理由だが、好きな理由は人それぞれで、相手の言い分を受け入れてしまったら、自分だけの「好き」が壊れてしまうのが怖い
人によって、この作品に感じる魅力は違うだろうが、私としては、やはり、色使いとストーリーの現実感かな、と
色が塗られているのは表紙だけ。だが、その表紙の色使いが、自然界のそれをそのまま、赤は赤、青は青、まるで天然さを損なわずに染め抜いたような、素朴だが強烈な美を醸しているので、中身も彩りに満ちているように感じられるのだ
恐らく、フルカラーになったら、感動は薄れてしまう、と思う。陰影と濃淡で見せる白黒だからこそ、色が塗られているように錯覚できて、読むのが楽しくなるのだ
ストーリーの現実感の方に魅力を感じるのは、虫やらアナグマが出てくるにしろ、基本的な登場人物が小人である事が理由
人の姿をしているキャラだからこそ、彼らを自分の境遇に置き換えながら読める
ご近所づきあいの大変さやら、同僚との友好関係の築き方、新しい事に挑戦する事の大変さと楽しさ、それがとてもリアル、けど、読み手を気疲れさせない程度に描かれているのだ、この『ハクメイとミコチ』は
単純に楽しさを求めて読みたい人ももちろんだが、現在進行形で人間関係に思い悩んでいる人は、もしかしたら、答えは見つからないにしても、自分の気持ちを整理できる活力をある程度は取り戻せるだろう
どの話も甲乙つけがたいが、私は第17話『休みの日』を推したい。気の置けない仲間と、こんなイイ休日を過ごせたら、翌日の仕事の意欲がイイ感じに湧きそうだ
この台詞を引用に選んだのは、潔く負けを認める事も、時にはカッコ好いと思ったから。諦めたら、そこで試合終了だが、落し所と引き際を間違えるのも、それはそれでみっともない -
購入済み
緻密な世界描写が圧巻の良作
小人の視点で描かれる、自給自足の生活の物語。緻密な筆致で描かれる、小人と周りの動植物のスケール感の違いが面白い漫画である。
……こんな風にまとめてしまうと『借りぐらしのアリエッテイ』に似た作品?と思われるかもしれない。しかし、この作品はあの映画の小人たちよりも逞しく、自由だ。ただ他者から「借りる」のではなく、自分たちの手で生み出したもので自然に寄り添った生活を営んでいる。自分たちよりも大きな木の実を切り分けジャムを作る。身近な植物で染めた布でおしゃれな服を縫い、他の動物と協力して街の土木作業もする。「借りる」だけに甘んじることなく、自らの力、そして他者との協力によってしっかりと文化的な生活をしている彼女たちの姿は非常に魅力的だ。
まるで作者がその目で見てきたかのように詳細に描かれた、生活感溢れる「小人のいる風景」。特に主人公たちの家の中や、街の商店街の絵の説得力、魅力は素晴らしい。電子書籍の拡大機能でぜひ隅々まで見てほしい。
スローライフに憧れる人や、自然の動植物が好きな人、漫画の世界観にどっぷり浸りたい人に特におすすめの漫画である。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ面白いです。
世界観がしっかりしてる。
作者に「ココにミニチュアで街を作って」って頼んだら
端々までキッチリ作れそう。
キャラの裏設定作見せさせられるのって
とっても!苦手なんだけど
(実はホクロが多くて悩んでる。とか、寝相が悪い。とか…
作者が嬉々として書いてるの読むと
ど~でもい~ですわ~(--;)と、
テンションだだ下がっちゃうんです…ひねくれ者なので…)
この作品は設定とか描込み具合とかのマニアックさが
なんだか懐かしのナウシカとか学漫とか思い出されて
職人っぷりがイイです。
意識して作り込んでるんじゃなくて
ナチュラルに作り込んでるトコがイイ!(笑)
変な邪さがない。
読んでて素直にその世界に飛び込んでいける感じ。
小さな世界の日常を描いた作品で
バトルだの目を見張る展開だのはないけど
「良作」だと思います。 -
Posted by ブクログ
何と言っても、色使いがいい
活き活きしている、と言うか、自然?
また、画が単純に巧いのでなく、読み手をほのぼのとした、落ち着きのあるストーリーに微睡んでもらえるようなタッチになっているのもイイ
端的に言ってしまえば、森の中に棲んでいる小人や動物たちの、何でもない『日常風景』をそのまま伝えているだけの内容なのだが、しっかりとした書き込みによるものか、ファンタジーでなく、エッセイのように感じる
全体的にほのぼの、まったりとした雰囲気は漂っていて、肩肘張らずに読める一方で、全力を活き活きと、悪い意味で手を抜かずに生きるってカッコいい、そう思わせてくれる、登場人物たちの行動が
大勢の職人を率いるナライさんは、ホント、「こんな親方の下で働きたい」と思えるほど、一本芯が通った風格と威厳、カリスマ性が伝わってくる(もっとも、奥方の方が何気に上手っぽいが)
美容師・ジャダは、言動こそ相手を煙に巻き、おちょくり、捉えどころがないものの、プロとしての矜持を持って鋏を扱い、お客を満足させるだけの腕を持っている。また、何気に、簡単にノセられて、笑顔になるトコも可愛い
本編そのものも読み手を引き込むが、話間のオマケも、作品を深めるのに一役買っていて、十分に楽しめる
大人っぽい洒落たお酒、そう、例えば、リモンチェッロ(笑)ような、お供にピッタリな一冊です -
Posted by ブクログ
ネタバレ待ちに待った新刊!
やっぱりこの世界が大好きだと思う。エピソードが積み重なるに従って世界に深みが増すせいか、1巻よりもストーリー性があって面白かった。
特に好きなのがセンに洋服を作る話。最初は遠慮半分戸惑い半分だったセンが最後出来上がった洋服を一人で着てみるシーンがとてもよい。人間関係ってこうやって少しずつ少しずつ深くなっていくものなんだよなぁと思う。
新キャラたちも皆キャラが立っていてとてもよい。特に美容師は面白すぎる!たまご型の家のデザインも何とも言えず可愛らしい。ベリーショートのハクメイも可愛かった。
1巻に引き続きハクメイとミコチの関係がとても好き。お互いすごく理解し合っていて、それでいて依存していない所がとてもよい。こういう友情に憧れる。
読み終わってはい終了!じゃなくて、寝る前なんかに何度も何度も読み返してしまう、そんな漫画。 -
Posted by ブクログ
ハクメイとミコチ、第二巻です。
相変わらず書き込みは素晴らしいです。漫画ではなくて、絵本を読んでいるような気持ちになります。見ていると、木々のざわめきや風の音、虫の囁き声が聴こえてくるようです。動物達の描写も素晴らしく、第九話の見開きページを見たとき思わずぞぞっとしました。
今回は、出てくるキャラクター達の意外な面がみえてきます。センちゃんが可愛かったです。ハクメイも少し変化を見せて、さらに可愛くなりました。
また、巻末にカラーのイラストと漫画が収録されています。こちらも満足です。
私はこの作品が本当に大好きで、自然が恋しくなった時や心がスッキリしない時、悲しい時などによく読みます。
都会の暮らしや人混みに疲れた方、一息つきたい時に是非、この作品を開いて欲しいです。