服部龍二のレビュー一覧

  • 広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像

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    高校の日本史でこの人のことを習ったとき、「悲劇の宰相」とはとても思えなかったなあ。
    そんな20年前のことを思い出しつつ、この本を読んで納得。

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    2010年10月30日
  • 安倍晋三 平成・令和の光と闇

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     数年前に読んだ、船橋洋一「宿命の子」がほぼほぼ安倍に寄り添い忖度して書かれていたのに比べると、本書はまだしも客観性を保っているようには思われるが、安倍が政治家として犯した様々な罪業やその幼児的性格など、非難に値する事柄に触れられていない感がある。

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    2026年09月26日
  • 安倍晋三 平成・令和の光と闇

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    本書は、安倍晋三元総理の生涯における軌跡を包括的に辿りつつ、政治家としての客観的な評価を試みた一冊である。

    従来出されてきた関連書籍の多くが第二次政権期に焦点を当てているのに対し、本書では生い立ちや学生時代、会社員時代といった初期の歩みにも紙幅が割かれている。政治家としてのスタートから注目の若手として頭角を現した時期、さらには第一次政権での挫折と退陣に至る経緯が詳細に描かれている点は新鮮であり、その人物像への解像度を高める内容となっている。

    もっとも、政治家としての評価を下す上での主軸が第二次政権期になるのは必然であり、本書においてもこの時期に起きた事象への対応と総括が記述の中心を占める。具体的に起きた個々の出来事自体は既存の文献で語り尽くされているため目新しさには欠けるが、著者による評価のフレームワークには概ね首肯できる。特に、著者の見解がコンパクトに凝縮された終章を読むだけでも、一読の価値は十分にあると言える。

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    2026年09月15日
  • 安倍晋三 平成・令和の光と闇

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    この本が今出版されたのは、安倍氏が暗殺されてしまったからか。
    もし存命なら出版はもっと後になっていたのか。
    そんなことを考えながら読んだ。

    日本の現代政治史を振り返られる本。

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    2026年07月18日
  • 高坂正堯―戦後日本と現実主義

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    戦後の国際政治学者、高坂正堯の評伝。
    思った以上に政治に首を突っ込んでいたことは初めて知ったが、予想外の話は少なかった。現実的な保守派として風当たりは強かったと思うが、そのあたりも記述は少なく、淡々と著作権をもとに生涯を追いかけたもの。晩年の改憲論への転向などもう少し深掘りすれば面白かったと思う。

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    2025年01月01日
  • 高坂正堯―戦後日本と現実主義

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    経済中心主義としての吉田を高く評価する一方、後年の田中には批判的で「吉田体制」にまで高めることはあってはならないとしていたことは興味深い。また、湾岸戦争を受けて日本外交の主体性の欠如に対する危機感を高めており憲法9条は思考停止の悪弊があり集団的自衛権を容認すべきとの立場であったこともその後の展開に示唆的だろう。

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    2023年06月02日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    読み進めるのに、少し時間がかかった。

    戦後の日本、世界の情勢を知らなかったので、細かな交渉駆け引きなどは、正確に理解出来てないと思う。
    当時の政治指導に長けた人物の描写はわかりやすく面白かった。
    こんな政治家が、今いないのが残念。

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    2021年05月23日
  • 増補版 大平正芳 理念と外交

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    戦時中の大平正芳は大蔵省の官僚だった
    やや四角四面というか
    目先の手柄よりも道理を優先するところがある
    戦後、政治家に転身したものの
    そういう性格が池田勇人や佐藤栄作に煙たがられ
    出世レースで田中角栄に遅れを取った
    その角栄に後押しされる形で上り詰めていったのだが
    ロッキード事件の影響があって
    傀儡の印象をも強めることになり
    また総理になってからは慎重な言葉使いをマスコミにつつかれ
    凡愚のイメージで揶揄されることが多かった
    田中角栄の「日本列島改造論」を補完するものとして
    「田園都市計画」を掲げたが
    池田内閣からの流れで
    インフレと歳入減に悩まされてたとはいえ
    経済成長にブレーキをかけるような印象も強かった
    さらに第2次オイルショックの渦中
    一般消費税の可能性を口に出したことも裏目となり
    衆院選に惨敗
    (省エネルックもマイナス要因だったかもしれない)
    その後、内閣不信任の可決を経て
    総選挙に突入のさなか急死した
    まあ、総理になるのが遅すぎた人と言えるのだけど
    たしかに空気を読まないところはあった

    大平は長いキャリアの多くを、外交問題の解決に腐心している
    中国・台湾・韓国・ソ連といった周辺諸国との関係調整は
    戦後日本にとって様々な意味で重要なものだったが
    しかしそのモチベーションはなにより
    大平じしんの思想によるところが大きかった
    そしてそのためならば
    アメリカの武力を積極的に容認する気配すらあった
    財界に通じてアジア・中東の利権を優先したい角栄とも
    意見の食い違うことがあるほどで
    とくに
    中国と台湾の板挟みとなった日中航空協定の調整においては
    その意志力で中国を怯ませた

    大平はクリスチャンの洗礼を受けていたが
    一方では「永遠の今」という独自思想を座右に置いていた
    それはハイデガー哲学の影響を色濃く窺わせるもので
    キリスト教の教えと必ずしも矛盾はしないが
    他人への説得力という意味では平易さに欠けるものだった
    この場合の哲学とは
    要するに理想主義実現のための現実的方法論である
    どうしたって平易な表現で済むわけはないし
    小さな世界で自足している人々には
    理想そのものを愚弄しているという誤解を与えかねない
    だから慎重にならざるを得なかった
    その慎重さが、人の目には「鈍牛」に見えたということか

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    2020年10月20日
  • 高坂正堯―戦後日本と現実主義

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    高坂の伝記。それ以上でもそれ以下でもない。高坂が好きな人にはこれで良いのかもしれないが、高坂が社会で果たした役割について少し詳しく知りたいと思って読んだ自分には物足りなかった。高坂の発言についても、またその発言の時代背景についても、記述は十分でない。彼がほぼ一貫して「現実主義」の立場であったこと、あるいは、国際政治を力だけでなく経済や価値の観点も含めて考えなければならないと考えていたことはわかる。ただ本書では、それを繰り返し述べるだけで、その時代時代の具体的な議論にはほぼ踏み込まない。それならば400頁近い紙幅は不要だったのではないか。高坂の人物評もほとんどが内輪のもので物足りない。

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    2020年05月06日
  • 中曽根康弘 「大統領的首相」の軌跡

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    中曽根康弘はもともと海軍の主計係だった
    前線の物資調達にあたる任務で、命の危険にさらされた経験もある
    戦後は、反米・自主独立路線をとり
    日米安保や新憲法に対する批判の急先鋒となった
    ところが、国際社会が冷戦構造を形成していくにともない
    むしろ親米傾向を強めていく
    初入閣が科学技術庁長官だった中曽根の、原発・ロケット開発には
    アメリカの協力が不可欠という事情もあった
    しかしそうかと思えば
    台湾承認に反対して中国との関係改善を唱えたり…
    また翻って佐藤栄作と和解したことを機に
    世論には、中曽根を「風見鶏」と揶揄する向きもあった
    もっとも、本人からすれば
    師と仰ぐ徳富蘇峰の教えに忠実だっただけかもしれない
    政治は宗教ではないのだから
    大局を見て妥協することも必要だというのが、徳富の考えだった
    それがまあ無節操と言えないこともない
    中曽根の初心である自主独立は、「自主防衛」に建前を後退させつつ
    総理大臣になった後もブレなかったが
    自民党内の派閥闘争に左派の支持を取り込んでいったことは
    80年代以降、日本の政治に混乱をもたらしたと思う
    加えて靖国の公式参拝だ
    満を持してアメリカに物申すポーズが、結果的に中国への挑発となり
    せっかく築いた日中の信頼関係に新たな禍根を残した
    今はまだその時ではないと見て
    妥協を続ける選択もあったはずだが
    それをしなかったのはやはり、無節操というものだろう
    翌年の公式参拝を中止したことで
    内政干渉受け入れの前例を作ることにもなった

    経済政策に関しては
    日米貿易摩擦解消のための輸入促進と
    規制緩和による内需拡大
    こういった矛盾を同時に押し進めつつ
    さらに民間の活力回復をうたった三公社民営化まで上乗せして
    バブル経済と、その崩壊と、長きにわたるデフレスパイラルを
    呼び込むことになった
    三公社民営化は、もともと「増税なき財政再建」の方策として
    議論されていたものだ
    それで高額収入者の所得税を大きく下げたのはまあいいが
    引き換えに、売上税の導入に踏み切ろうとしたことは度が過ぎていた
    結局、中曽根退陣後の竹下内閣では
    好景気のどさくさ紛れみたいに消費税が導入され
    無節操は受け継がれていくことになる
    想像するに
    中曽根としてはおそらく
    日本人の生得的な愛国心、情け深さ
    ノブレスオブリージュに期待するところもあったのだろう
    しかし現実には
    過当競争のしわ寄せを底辺に押し付け
    格差の拡大に進む道でしかなかった

    中曽根康弘という人は、政治家としてリアリストを気取っていながら
    本質的に空想的ロマンチストだったのだと思う
    もしそうならむしろ
    ファシスト扱いされようとも「本当の自分」を
    押し出すことが正道だったのかもしれない
    しかしまあ
    当時そんなことでは、まず総理大臣になんてなれなかっただろうな

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    2020年01月02日
  • 外交ドキュメント 歴史認識

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    歴史教科書問題や従軍慰安婦問題など日本と隣国の間にある大きくて深い溝とそれらを巡る外交の過程を丹念に記録した一冊。サザンの楽曲に「ピースとハイライト」という政治色の強いものがあるが、本書の終章を読むとその歌詞が頭に浮かぶ。

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    2015年05月31日
  • 外交ドキュメント 歴史認識

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    歴史認識について学び直すのに大切な一冊。
    中韓の歴史認識が領土問題にまで拡張されている限り、いつまで誤り続けるんだ・・・・という問いが、どうしても出てくるだろうな。

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    2015年02月28日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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     1972年の日中国交正常化交渉の実証的研究。巷説に相違して、外務省のいわゆる「チャイナ・スクール」(北京派)は交渉過程から排除されていたこと、日本側は日米安保体制との整合性に腐心し、中国側は「歴史問題」よりも台湾問題を重視していたことなどを強調している。この時期だとさすがに使える一次史料が少なく、回想やインタビューなどの二次史料中心なので、史料状況の改善により今後本書の内容は更新されていくだろうと思われる。

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    2014年09月28日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    中国に関する書籍、2冊目。知れば知る程、勉強のしがいがある国、分野だ。この本を通して、どのように国と国との関係が構築されていくか、政治的な面から分かる本、また官僚や政治家の動きについても分かってきた。

    そろそろ日本近代、現代史読もうかな

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    2014年05月25日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    あおい書店で購入する。正直、期待はずれでした。別に、悪い本ではありません。僕の期待値が高すぎただけです。興味を持ったのは日本側の問題です。中国畑の人物は外されていたことです。主導権を持ったのはアメリカとの関係が深い人物ばかりです。偶然ではありません。政治家が意図したものです。これは意外でした。

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    2014年07月11日
  • 広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像

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    マンションで読む。再読です。外交とナショナリズムの問題は、現代の課題でもあります。さて、どうなるんでしょう。

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    2013年09月11日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    自民党の長期単独政権だからこそ力が発揮できた田中、大平。では、衆参ねじれの不安定な政権運営の中で発揮すべき政治家のリーダーシップとは?

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    2012年04月28日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    オーラル・ヒストリーをふんだんに使って、田中角栄と大平正芳のリーダーシップに焦点をあて、日中国交正常化の過程を描いている。多方面への気配り・配慮の重要性、政治においては「言葉遊び」も大切であることなどを再認識。

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    2011年10月29日
  • 広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像

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    ペラペラチョクチョク読んだらやっと半年ぐらいで
    終了。新書はだるいな〜。

    確かに城山さんの小説以外の知識も必要かなと
    おもって。

    政治家の特徴ってつい自分を悲劇の主人公というか
    一般人はわからないんだよー難しいんだよーと
    いって自分のひ弱な決断を正当化するか、自分の地位に
    固執しているのに無意識に気づいていないかだね。

    かわりはいくらでもいるし公人だろ?

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    2011年08月27日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    日中国交正常化において、キーマンとなった田中角栄、大平正芳、そして官僚たちの動向を、インタビューや資料を通して定性的に分析。
    ニクソンショックや国交正常化3原則など、当時の状況について知識を整理できた。田中といった当時の主役の活き活きとした描写は、読んでいて楽しい。
    そして、条文の一言一句にどれほど各国が神経をすり減らしているかが、交渉の流れを見てよくわかった。

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    2013年01月31日