服部龍二のレビュー一覧

  • 高坂正堯―戦後日本と現実主義

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    高坂の伝記。それ以上でもそれ以下でもない。高坂が好きな人にはこれで良いのかもしれないが、高坂が社会で果たした役割について少し詳しく知りたいと思って読んだ自分には物足りなかった。高坂の発言についても、またその発言の時代背景についても、記述は十分でない。彼がほぼ一貫して「現実主義」の立場であったこと、あるいは、国際政治を力だけでなく経済や価値の観点も含めて考えなければならないと考えていたことはわかる。ただ本書では、それを繰り返し述べるだけで、その時代時代の具体的な議論にはほぼ踏み込まない。それならば400頁近い紙幅は不要だったのではないか。高坂の人物評もほとんどが内輪のもので物足りない。

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    2020年05月06日
  • 中曽根康弘 「大統領的首相」の軌跡

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    中曽根康弘はもともと海軍の主計係だった
    前線の物資調達にあたる任務で、命の危険にさらされた経験もある
    戦後は、反米・自主独立路線をとり
    日米安保や新憲法に対する批判の急先鋒となった
    ところが、国際社会が冷戦構造を形成していくにともない
    むしろ親米傾向を強めていく
    初入閣が科学技術庁長官だった中曽根の、原発・ロケット開発には
    アメリカの協力が不可欠という事情もあった
    しかしそうかと思えば
    台湾承認に反対して中国との関係改善を唱えたり…
    また翻って佐藤栄作と和解したことを機に
    世論には、中曽根を「風見鶏」と揶揄する向きもあった
    もっとも、本人からすれば
    師と仰ぐ徳富蘇峰の教えに忠実だっただけかもし

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    2020年01月02日
  • 外交ドキュメント 歴史認識

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    歴史教科書問題や従軍慰安婦問題など日本と隣国の間にある大きくて深い溝とそれらを巡る外交の過程を丹念に記録した一冊。サザンの楽曲に「ピースとハイライト」という政治色の強いものがあるが、本書の終章を読むとその歌詞が頭に浮かぶ。

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    2015年05月31日
  • 外交ドキュメント 歴史認識

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    歴史認識について学び直すのに大切な一冊。
    中韓の歴史認識が領土問題にまで拡張されている限り、いつまで誤り続けるんだ・・・・という問いが、どうしても出てくるだろうな。

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    2015年02月28日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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     1972年の日中国交正常化交渉の実証的研究。巷説に相違して、外務省のいわゆる「チャイナ・スクール」(北京派)は交渉過程から排除されていたこと、日本側は日米安保体制との整合性に腐心し、中国側は「歴史問題」よりも台湾問題を重視していたことなどを強調している。この時期だとさすがに使える一次史料が少なく、回想やインタビューなどの二次史料中心なので、史料状況の改善により今後本書の内容は更新されていくだろうと思われる。

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    2014年09月28日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    中国に関する書籍、2冊目。知れば知る程、勉強のしがいがある国、分野だ。この本を通して、どのように国と国との関係が構築されていくか、政治的な面から分かる本、また官僚や政治家の動きについても分かってきた。

    そろそろ日本近代、現代史読もうかな

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    2014年05月25日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    あおい書店で購入する。正直、期待はずれでした。別に、悪い本ではありません。僕の期待値が高すぎただけです。興味を持ったのは日本側の問題です。中国畑の人物は外されていたことです。主導権を持ったのはアメリカとの関係が深い人物ばかりです。偶然ではありません。政治家が意図したものです。これは意外でした。

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    2014年07月11日
  • 広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像

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    マンションで読む。再読です。外交とナショナリズムの問題は、現代の課題でもあります。さて、どうなるんでしょう。

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    2013年09月11日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    自民党の長期単独政権だからこそ力が発揮できた田中、大平。では、衆参ねじれの不安定な政権運営の中で発揮すべき政治家のリーダーシップとは?

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    2012年04月28日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    オーラル・ヒストリーをふんだんに使って、田中角栄と大平正芳のリーダーシップに焦点をあて、日中国交正常化の過程を描いている。多方面への気配り・配慮の重要性、政治においては「言葉遊び」も大切であることなどを再認識。

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    2011年10月29日
  • 広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像

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    ペラペラチョクチョク読んだらやっと半年ぐらいで
    終了。新書はだるいな〜。

    確かに城山さんの小説以外の知識も必要かなと
    おもって。

    政治家の特徴ってつい自分を悲劇の主人公というか
    一般人はわからないんだよー難しいんだよーと
    いって自分のひ弱な決断を正当化するか、自分の地位に
    固執しているのに無意識に気づいていないかだね。

    かわりはいくらでもいるし公人だろ?

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    2011年08月27日
  • 日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦

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    日中国交正常化において、キーマンとなった田中角栄、大平正芳、そして官僚たちの動向を、インタビューや資料を通して定性的に分析。
    ニクソンショックや国交正常化3原則など、当時の状況について知識を整理できた。田中といった当時の主役の活き活きとした描写は、読んでいて楽しい。
    そして、条文の一言一句にどれほど各国が神経をすり減らしているかが、交渉の流れを見てよくわかった。

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    2013年01月31日